三方良しの精神で築く、滋賀県の未来
地方創生への取り組みについて、心がけていることについて伺いました。
「地域に貢献することはもちろんなんですが、住みます芸人自体が、しっかりと収入を得て、芸人として充実した生活を送ることが大事だと思っています。ただ、仕事の依頼には限界があり、自分でいろいろと開拓していかなくては、仕事が増えていかない。仕事をいただいても、ギャラがビックリするほど安いときも(笑)。だからこそ、自分から動かないといけない。住みます芸人の活動が多くなれば、自ずと地域に貢献できる機会も増えていくんです。
最近なんですが、自分も住みます芸人になりたいと思ってもらえるような活動や姿勢を僕が見せていき、僕がうらやましがられるような存在にならないといけない立場になってきたんだって感じるようになりました。初代滋賀県住みます芸人ですからね。そのうえで、地域の方々にも喜んでもらい、社会のお役にも立てる『三方良し(さんぽうよし)』の精神を大事に活動しています。
『三方良し』というのは、近江商人の経営理念で、『売り手良し、買い手良し、世間良し』を意味します。先程の繰り返しになりますが、この精神を現代の住みます芸人の活動に当てはめると、『芸人良し、地域良し、社会良し』となる感じでしょうか。具体的には、まず芸人である私自身がしっかりと収入を得て、充実した生活を送ることが大切です。そのうえで、地域の皆様に喜んでいただき、さらには社会全体のお役に立てる。この三つのバランスを取りながら活動することが、持続可能な地方創生につながると考えています」
非常に深い洞察です。この『三方良し』の精神を実践するなかで、特に意識していることはあるのでしょうか。
「常に意識しているのは『地元に住んでいるからこそできること』です。地域の方々との距離感が近いからこそ、親近感を持ってもらえますし、僕の伝えたい気持ちも素直に受け止めてもらえます。『SHIGAGENプロジェクト』でも、単に上手く話すためのスキルの伝授ではなく、なるべく滋賀県の文化や特性を踏まえたコミュニケーションで提供するようにしています。地域に根ざしているからこそ、本当の意味でみなさんに笑って過ごしてもらえること、そういったものに貢献できたらと思っています」
地域に寄り添いながら、芸人としての特性を最大限に活かす。そんなしもばやしさんの姿勢が、滋賀県の方々の心を掴んでいるのだと感じます。最後に、今後の目標や展望について伺いました。
「大きな目標になってしまいますが、滋賀県という土地で自分の『城』を築きたいと思っています。実際に城を建てるのではなく、住みます芸人として懸命に生き抜いた証、やり抜いた証を形にしたいんです。それを次の世代に引き継いでいけるようなものにしたい。どんなに小さなものでも、どんなに不格好なものでも、胸を張って『これが自分がやってきたことだ』と言えるようにします。そのためには、社会や地域への貢献が不可欠です。滋賀県のみなさんが元気になって初めて、僕の『城』も完成すると考えています。お笑い芸人の活動や『SHIGAGENプロジェクト』を通じて、常に三方良しの精神を持ち続け、少なくとも自分と関わってくれた人たちには笑顔になってもらいたい。そして、滋賀県民のみなさんが、滋賀県民であることに喜びと誇りを感じられるような取り組みを続けていきたいと思います。まだまだ僕にできることはたくさんあると信じています。これからも成長し続け、滋賀県とともに歩んでいきたいですね」
芸人としての才能を地方創生に結びつけ、地域に根ざした活動を展開されている姿に、深い感銘を受けました。「三方良し」の精神を現代に蘇らせ、笑いの力で地域を変えていく。そんなしもばやしさんの挑戦は、まさに新しい時代の地方創生のモデルケースといえるでしょう。琵琶湖の畔から発信される笑いと知恵が、滋賀県のみならず、日本全体の地方創生に大きな影響を与えていくことを期待しています。
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