掲載:2021年7月号
全国で4番目に広い面積を持つ長野県は北信、東信、中信、南信の4つのエリアに分けられ、善光寺平(北信)、佐久平(東信)、伊那谷(南信)、松本平(中信)などの盆地を中心に発展してきた。それぞれの地域で育まれた文化や個性を知り、移住先を探す最初のステップを踏み出そう。
北信エリア
県都・長野市など都市機能が充実。日本海にも近い
県庁所在地のある北信エリア。長野市や千曲市、須坂市などの市街地は都市機能が充実しており、物件の値段はやや張るが、利便性重視で移住したい人にピッタリだ。市街地から15〜30分ほど離れると、のどかな郊外や山間の地域が現れ、手ごろな価格の物件も多くなる。雰囲気のよい古民家や高原に立つ家も散見されるが、北部には雪深い地域が多いため、定住を考えている場合は補修箇所のほかに冬の寒さや雪の量まで考慮したい。このエリアは日本海が近い。長野市から上越市まで車で1時間ほどなので、気軽においしい魚を食べに行くことも!
中信エリア
壮大なアルプス、旧中山道の宿場町、大人気の安曇野も!
北アルプス山麓から、中央アルプスと御嶽山(おんたけさん)系に囲まれ旧中山道の宿場町として栄えた木曽地域までを含む中信エリア。北部の小谷(おたり)村や白馬村は日本屈指の豪雪地帯として知られるが、登山やスノースポーツが好きで移住する人も増加中だ。安曇野(あづみの)市や松本市など、人気の市町村の物件は中古で800万〜2000万円ほどの価格帯が多い。この周辺市町村の空き家バンクでは、比較的安い物件もある。
東信エリア
首都圏へ新幹線通勤する人も!「地域医療の佐久」や軽井沢がある
田舎暮らしを楽しみながら、北陸新幹線で東京や埼玉など首都圏へ通勤する人も多い東信。晴天率が高く、年間降水量が少ない過ごしやすい気候だが、冬の寒さは厳しい。地域医療をリードする地域として知られる佐久市や、高原リゾートとして名高い軽井沢町などは移住先として人気だが、比例して物件価格は高くなる。市町村の空き家バンクでは、状態のよい物件が比較的安く見つかることも。小海線沿いの高原地帯には、別荘物件も多い。
南信エリア
名古屋からのアクセス良好。移住支援に積極的な市町村が多い
東京からも名古屋からもアクセスがよく、二拠点生活をする人も多い南信エリア。中央と南の2つのアルプスに囲まれた上伊那(かみいな)や南信州、八ヶ岳(やつがたけ)山麓など、美しい景色が広がる地域だ。移住支援に積極的な市町村が多く、空き家バンク物件が更新される頻度も高め。標高が高い別荘地には避暑向け別荘もあるが、定住目的で買うのなら冬仕様かも要チェック。必要なら断熱材を入れるなどリフォームを。
文/はっさく堂 イラスト/大沢純子
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