8月16日午後3時。雨は再び激しくなった。これから15時間が勝負。夜明け時刻までビニールハウスやソーラーパネルが風で飛ばされることなく、土嚢を積んだ屋根からの雨漏りもなく、明日という日を迎えられたら、輝く太陽に出会う喜びはいっそう増すだろう。再び猛暑の日もあろうが、なあに、8月も半ばを過ぎた。じきに秋だ。栗の実がはじける。柿が赤くなる。ミカンが黄色く色づく。自然とともに生きる暮らし、それは誹謗中傷とニセ情報からは遠い、しっかりと実体を伴うであろう人生の流儀である。
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中村顕治
【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
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