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田舎暮らしの本 12月号

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田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

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ツバメは農家の素敵なパートナー!「戻ってきてくれたのがうれしいね」【福島県二本松市】

掲載:2018年8月号

家に巣をつくると縁起がいいといわれるツバメ。今年も巣ができた福島県二本松市東和地域の農家・大野さんの家を訪ねた。

「巣は蛍光灯の陰にあります」と大野さん。高さは床から約2m30cmで、どんな外敵も近づけない。

巣場所は左の母屋の軒下から、右の納屋に移動。どこが一番安全か、学習しているツバメはすごい!

田んぼに囲まれた大野農園の集落。田植えから稲刈りまで、ツバメがイネドロオイムシを食べてくれる。

スズメやカラスが嫌われ、ツバメが好かれる訳は?

 広い田畑で米やトマトなどを有機栽培している大野達弘さん(64歳)の家では、10年ほど前からツバメが巣をつくるようになった。当初は母屋の軒下だったが、3年前から納屋の天井に変わったという。

「スズメに巣を乗っ取られちゃうことがあるんだよね。でも、天井付近でホバーリング(空中停止)しながら巣をつくる能力はスズメにはないから、場所を変えたみたい。納屋では私らも選別作業したりするんだけど、戸を開けっ放しだから頻繁に親鳥が入ってくるし、人前も平気で通っていくんだよ」

 ツバメの営巣は夫婦の共同作業で、田植えシーズンに現れて泥を運び、ワラなどで整形していく。巣ができたら産卵、卵を温めてふ化、餌を与えながら子育て、そして1カ月ほどで巣立っていく。その巣は2次使用が可能で、再び巣に戻り、卵を産むことも珍しくない。営巣場所も巣の使い方もじつに合理的で、賢い野鳥だとわかる。

 ツバメが農家から愛されるのは、容姿のかわいさもさることながら、田んぼの害虫イネドロオイムシを食べ、稲刈りが終わると南の空へ渡っていくからだ。ふんをするくらいで、人間には何も害を与えない。同じ虫を食べるスズメは稲穂もつつく、カラスはゴミを荒らすことから、人間には好かれないのだとか。

 有機農業の指導者として通算で約20名の研修生を受け入れ、震災後に農家民宿も始めた大野家には、多くの人が出入りする。ツバメが巣をつくると縁起がいいのは、繁盛している家、宝くじが当たるという俗説まであるのだが、「いやー、宝くじは当たっても300円だな(笑)。でも、ツバメが来てくれるとうれしいし、幸せな気分にはなるね」とほほ笑む大野さん。

 農家を幸せにするツバメは、素敵なパートナーだ。

巣がある納屋の中でヒナを見守るつがいの親鳥。見慣れぬ取材者がいたので、やや警戒気味。

親鳥が運ぶ餌を大きく口を開けて待つヒナ。1週間ほど前にふ化し、1カ月足らずで巣立っていく。

ツバメのふんは、巣の真下に敷いた段ボールに落下。それを処分するだけなので、手間はかからない。

大野農園では野菜の収穫などが体験できる農家民宿も営業中。
☎0243-46-2913
https://marutto-towa.com/2021/03/29/%E8%BE%B2%E5%AE%B6%E6%B0%91%E5%AE%BF%E3%80%80%E5%A4%A7%E9%87%8E%E8%BE%B2%E5%9C%92/

文・写真/山本一典

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