特技の「書道」で。目指すはまちの活性化
道の駅SORAIRO国上で書道教室を開催!
「これまでに携わってきた『まちなかほっとショップ』での活動も含め、僕が意識してきたのは『いいところを活かすこと』。自分が何で役に立てるかを考えたときに、思い浮かんだのはやっぱり『書道』で。字がまだ読み書きできない幼稚園の頃から初めて7段を獲得した習字こそが、メディア出演時でも取り上げてもらえる僕のセールスポイントなんじゃないかと。そこでまずは、『It’s 書 time』と題して、『道の駅SORAIRO国上』で書道教室を開催しました」
道の駅SORAIRO国上は、地元の農作物からお土産、アウトドア用品までそろう道の駅。燕市内唯一の温泉「てまりの湯」が併設されているほか、BBQ、キャンプもできる満足度の高いスポットとして知られています。
「12月末に開催したこともあって、屋外だと寒いしどうしようと悩んでいたときに、場所を貸してくださったのが『てまりの湯』の支配人の水野さん。水野さん自身も習字の宿題があまり好きではなく、子どもだったらこういう場所があったらよかったなと思って手を挙げてくれたんです。立派な和室で気分も厳かに教室を開くことができましたし、この時期に開催したおかげで、冬休みの『書初め』の宿題もここでできる、と親御さんのウケもばっちりでした(笑)」
なかには書道初体験というお子さんまで、来てくれたといいます。
「初めて習字に挑戦する子もいたので、まずは楽しんで帰ってもらえたらと思って、いきなり字を書くのではなくアンパンマンの絵を描くことからスタート。それもよかったみたいで、来てくれた子たちとの距離も縮まった気がしました。慣れてきたら、いよいよ本題のお習字に。最初は思いのままに自由に書いてもらった上で、一緒に書いてみて、最後に清書をしてもらうという流れで進めたんですが、1枚目に書いたものと清書した文字を見比べて笑顔になる子どもを見たときには、すごくやりがいを感じましたし、書道デビューに立ち合うことができたのも光栄な機会でした」
書道7段の先生に教えてもらえるといったなかなかない機会、講師を務めた山脇さんも、今後も続けていきたいと語ります。
「新潟の他の地域でもやりたいと思いましたし、あとは『大人向けの講座もぜひやってほしい』という声や、『海外からの観光客も書道への興味を持っているのでは?』という意見をいただくなど、書道教室ひとつでもやってみたい企画がどんどん増えてきました。この夏には外国人向けの書道教室も開催できたのですが、やっぱり楽しかったので、今後もいろんな場所で開催できたらいっすねー!」
「ココでしか買えないお土産をつくりたい」酒吞童子神社の御朱印販売を直談判
山脇さんの「書」を活かした活動は、書道教室だけにとどまりません。自分のセールスポイントである「文字」を使って「道の駅独自のお土産」をつくることができないか、と直談判して生まれたのが、道の駅SORAIRO国上でしか買えない「酒呑童子神社の御朱印」。道の駅SORAIRO国上のすぐ近くにある酒吞童子神社の御朱印を求める声を聞いたことから、山脇さん自ら商品化を提案したと話します。
「書道教室でもお世話になった道の駅SORAIRO国上は、キャンプもできる燕市の魅力的な場のひとつなのですが、独自のお土産が無いことを残念に思っていたんです。そんなとき、道の駅のすぐ裏にある酒呑童子神社にも、御朱印はないのかという声があがっているという話を聞いて……。そんな悩みを聞いたからには、酒呑童子神社の御朱印を僕が書いて売ることはできないかと相談してみたところ、GOサインをもらって商品化できるようになりました」
酒呑童子神社自体は20年ほど前に建てられていたものの、地元の人にもあまり知られていないひそかな縁結びスポットだそう。山脇さんにとっては、御朱印を書くのも自身の文字が商品化されるのも初めてのことで、したためるにあたっては苦労もあったといいます。
「神社設立に携わった小坂井さんにお話を伺いつつ、美男だったという酒吞童子のかっこよさを表すことができるような文字を書けたらと思っていました。御朱印用紙のサイズが決まっているなかで、バランスよくかっこよく書くのはなかなか苦労しましたが、自分の書いた文字が商品となったのは初めてだったのでとてもうれしかったですね」
道の駅の店長さんによれば御朱印の評判も上々だそうで、山脇さんのもくろみ通り、地域限定のものを集める人が多く買い求めているといいます。
「まずはこっそりと販売を始めたのですが、手にされた方からは、『これは山脇さんの字なんですか?』という質問があったり、『かっこいい』という声があがったりと、うれしい声をたくさんいただいていると聞きました。道の駅で販売しているのは僕が書いた文字をプリントしたものなのですが、今後は販売会などのイベントを企画して、その場で書いてお客さんと交流できる機会もつくっていきたいですね」
公約の実現に向けた山脇さんの挑戦は、今後もますます発展をみせてくれそうです。
僕の笑いと書で、新潟を明るくできたらいっすねー!
活動の幅を広げてくれた新潟に恩返しがしたい
憧れの住みます芸人として7年目を迎えたいま、山脇さんには、受け入れてくれた新潟県に対して恩返しがしたいという思いが強くあるといいます。
「新潟に来てからメディア出演も増えましたし、書道教室や御朱印など、得意な書道を活かせる活動も増えてきているのを僕自身も実感できていて、本当に感謝しているんです。だからこそ、そんな他県出身の僕を受け入れてくれた新潟に恩返しがしたい。新潟の人に喜んでもらえるのは何なのかを考え続けて、少しずつでもかたちにしていきたいと思ってます。あとはもちろん、本業のお笑いでも、新潟の芸人といったら『いっすねー! 山脇』と即答してもらえるような存在感を出していきたいと思ってます(笑)」
なかでも、山脇さんが「ずっとやってみたい」とひそかに思っていることがあるそう。燕市の観光大使など、口にした夢を実現させてきた山脇さんに、いま取り組んでみたいことを最後に語っていただきました。
「新潟といえば、日本酒やお米など美味しい特産品がもりだくさん。そういった名産品の顔ともいえるロゴデザインなどを通じて、僕の書が役に立てる機会があったらいっすねー!」
単なるお笑い芸人という枠組みを超え、「書道」という特技で地域を盛り上げようと取り組む山脇さん。書道教室や御朱印の販売を通じて、たくさんの人たちの笑顔をつくりだしてきました。夢として掲げるロゴデザインなど、やりたいことももりだくさんの山脇さんの活躍からは、今後も目が離せないことでしょう。
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