ようやく秋めいてきたいまの時期、心もからだもほっこりする焼きいもが恋しくなりますよね。スーパーなどで売っているのをみて、お家で手作りするという人もたくさんいるはずです。ただし、レンジを使って作る人は要注意。おいもを加熱していただけなのに、あわや火事を引き起こしてしまう可能性もあるんです。そこでこの記事では、そもそも電子レンジから火があがる原因や、万が一、庫内で火があがってしまったときの対処法まで、じっくりとご紹介します。
直火じゃないから安心は誤解? 電子レンジ火災が増加中!
お惣菜やレトルト食品を温め直したり、レンジにかけるだけで簡単にできる一品料理を作ったりと、日常生活には欠かせない電子レンジ。直火を使わないからこそ、子どもやお年寄りでも安心して使えるイメージがあるという人も多いのでは?
ところが、東京消防庁の発表によれば、2022年に発生した「電子レンジの火災」は84件と過去最多を更新。発生件数は近年増加傾向にあり、けが人も出ているといわれています。
そうはいっても、あるのが当たり前の生活を送る人にとっては、使わずにはいられないのが本音でしょう。そこでこの記事では、レンジを安心して使うために知っておきたい原因や対策をご紹介します。
発生の原因はココにあり!
そもそも電子レンジは、電磁波で食品に含まれる水分を振動させ、生じた「摩擦熱」によって温めるもの。火や煙が出てしまう理由には、主に次の2つがあげられるといいます。
①加熱のしすぎ
にんじんやさつまいも、じゃがいもなど、調理に時間のかかる根菜類の調理こそレンジ頼りという人も多いことでしょう。なかなか柔らかくならないと、つい長い時間、温めてしまいがちです。
ところが、もともと水分が少ない上に、長い時間加熱しているうちに食品から水分が蒸発。水分がなくなると温度は100度以上の高温になってしまい、自然発火することもあるんです。こうした理由から、長時間加熱して「やきいも」を作るのは実は危ないといわれています。
また、同じ理由から、水分の少ない食材だけでなく、高温になりやすい油分を多く含むものや、少ない量を自動温めモードを使って温めるときも、様子を見ながら加熱することが推奨されています。
注意が必要なもの:水分が少ないもの(根菜類など)、油分の多いもの |
また、レンジで温めを行っていると、食品が炭化し、庫内には可燃性ガスも充満していくそう。炭化した部分に溜まった電子と合わさることで追い打ちをかけ、煙や火が出てしまうことがあるのだとか。このケースの場合は、食品はもちろんのこと、いつの間にか溜まってしまっている汚れや食品カスからも発生するので、庫内をきれいにしておくことも欠かせません。
対処法:電子レンジを定期的に掃除 |
②金属や加熱NGの容器を温めた
意外と多いのが、電子レンジで使えない容器で温めてしまうこと。電子レンジは「電磁波」を使って温めていることは先にも紹介した通りですが、金属の表面に多く含まれる電子にも影響を与えて、火花が生じることも多々あるんです。
うっかりアルミホイルや加熱NGなトレーを温めてしまい、パチパチという音が聞こえてあわてて止めた経験がある人もいるのではないでしょうか? こうした火花から爆発が発生し、大きな火があがることもあるので、食品だけでなく容器にも注意が必要です。
対処法:温める前にはトレーや容器の素材をチェック。 |
東京消防庁によれば、電子レンジ火災の8割以上がこれらの原因だそう。いつもやっているけど大丈夫だから……という油断は大敵です。
発火してしまったときの対処法
加熱のしすぎを避けたり、電子レンジで使えない容器は徹底的に使わないようにして、レンジ火災を回避するのに越したことはないものの、知っておきたいのは、いざ起きてしまったときの対処法でしょう。
やりがちなのは、扉を開けたり、水をかけたりしてしまうこと。焦っているとついやってしまいがちですが、開けた瞬間、火の手がまわって、衣服や周辺のものに燃え移って亡くなってしまったケースや、水をかけることで感電の危険が高まることもあって、これらは厳禁なのだとか。
焦る気持ちを抑えてやるべきことは、まずはレンジを止めること。火災発生原因でも紹介してきたように、加熱のしすぎも火災の原因なので、止めた上で、コンセントからコードを抜くようにしましょう。
ただし、しばらく待ってみてもおさまる気配がなかったり、激しくなっているようであれば、消火器で消火が必須。レンジからでも大きく火がまわってしまうこともあるので、手に負えないようであれば至急119番通報をしてください。
対処法:まずは停止。加熱をやめ、電源コードから抜く |
大切な命や家を守るためにも、知っておきたい「電子レンジ火災」について紹介しました。せっかくの便利な電子レンジ、気をつけるべき点は守って、安全に使いこなしましょう。
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