歴史と文化に恵まれ、多くの古民家が残る上田市。今年3月に開催された「こみけん。」では、古民家を活用した事業を始めたい希望者がプランを提示し、所有者が最適な案を選ぶという画期的な取り組みが行われた。12月に開催される予定の第2回に先駆け、テーマとなる物件を案内してもらった。
2024年11月の情報です。
すでに契約済みの場合があります。
最新情報は 上田市空き家バンク をご覧ください。
毎年11月に開催される「上田真田まつり」。長野県東部の中核都市である上田市。徳川軍の攻撃を2度防いだ上田城や信州最古と伝わる別所温泉、情緒あふれる「信州の鎌倉」塩田平など、歴史と文化が薫るまちだ。東京駅から北陸新幹線経由で最短80分。
当時の建具が魅力的!
ていねいに使用された宿
右の建物が元呉服店、正面の立派な庭木の奥が母屋。12月に開催の「こみけん。@武石」は11月ごろに参加者募集の予定。
関東からのアクセスがよく、移住先や観光地として人気の上田市。2回目となる「こみけん。」が開催されるのは、市の南部、美ヶ原(うつくしがはら)高原の麓に広がる武たけし石地域だ。
かつて「武石銀座」と呼ばれた地域の中心街に立つ元旅館。玄関を開けると、板張りの土間と、年代物の建具に囲まれた魅力的なホールが現れる。1階は田の字形に4つの和室があり、多いときには50人もの大学生を受け入れていたこともある。
母屋の中央には中庭もあり、ガラス窓を開けると風が通り抜ける。風呂は2カ所あり、うち1カ所は現在も利用されている。
母屋のほかに、呉服屋だった店舗も併設。こちらは表通りに面しており、店内も広め。2階には和室があり、休憩室などに使えそうだ。
「築年数は不詳ですが、おそらく江戸時代の家です。古いですが、そこによさを見いだして、地域活性化のために活用してもらえればと思い、今回イベントへの参加を決めました」
そう話すのは、物件所有者の遠藤さん。
「どんなふうに使ってくださるのか、私たちには想像もつかないのですが、思い出がたくさん詰まった家です。利用価値を見つけてくれるとうれしいです」
遠藤さんの妹さんもそう話す。
内覧に立ち会ってくれた石井工務店の建築士・宮嶋絵美子(みやじまえみこ)さんによると、母屋は全体的によく手入れがされているが、厨房の外壁が崩れているため、当該部分の取り壊しが必要になるかもしれないとのことだ。
物件が立つのは、上田市街地から美ヶ原へ向かう道路から少し入った場所。母屋を改修してプレミアム感のあるレストランや民泊にしたり、建物のレトロな雰囲気を生かして、インバウンドなどの観光客が着物姿で写真撮影できるスタジオにするのも面白いアイデアだ。
【物件データ】
- 住所:長野県上田市
- 価格:未定
- 間取り:7LK+店舗、離れ、蔵
- 土地:394坪・1304㎡
- 延床:144坪・479㎡
- 菜園:あり
- 地目:宅地
- 地勢:平坦地
- 法令制限:都市計画区域外
- 築年数:不詳
- トイレ:水洗トイレ
- 改修費補助:最大150万円
- 交通アクセス:しなの鉄道大屋駅より約13km。
- 設備等:江戸時代に建てられた元養蚕農家の家。大学生の合宿などの旅館として使われてきた。通りには呉服屋だった店舗もあり、この部分だけテナントとして貸し出すこともできそうだ。庭木の植えられた庭園、中庭、畑などもある。「こみけん。@武石」で紹介する物件なので、12月の見学会ならびに古民家活用コンペへの参加が必須。
【問い合わせ先】
信州うえだ空き家バンク ☎0268-21-0061
「太田屋旅館」の看板の前で。「旅館業をしていたころは、近所の人たちが調理や配膳を手伝いに来て、とてもにぎやかでした」。
写真で見る物件詳細
| 7LKに店舗、離れ、蔵付きの物件を紹介
ホール
玄関を上がるとレトロな雰囲気のホールが現れる。建具などは当時のままで、経年でしか出せない味わいがある。
2階の和室
2階にある和室。船底天井とおしゃれな照明で、泊まりに来る親族にも愛された部屋だ。
1階の和室
1階には田の字形の和室が4部屋あり、襖を外せば広びろと利用することもできる。
厨房
ココは補修が必要
増築したと思われる厨房部分。外壁が崩れてきているため、大幅な補修または厨房部分のみ取り壊しが必要となる。
| 物件の周辺環境
物件から車で約1分の「武石温泉うつくしの湯」。露天風呂からは田園風景や美ヶ原高原を眺めることができる。
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