|鬼退治は湖の上でも……! 箱根神社の湖上鬼追い(神奈川県足柄下郡)
2月2日に行われる箱根神社の節分。ここでは、「福は内」と豆をまく「節分祭」や、鬼を退治する「追儺式」に加え、場所を移してある祭事が行われるそう。
その名も「湖上鬼追い」。「追儺式」で退治された鬼が、箱根神社のすぐそばにある芦ノ湖に出現し、悪さをしているというのです。
鬼を退治し、一息ついていた人々は、芦ノ湖に逃げた鬼たちを追って移動。なんと船の上から豆を投げ、鬼払いを続けます。追儺式に加え、湖の上でも豆をまかれた鬼はようやく凝りて退散すると、鬼がいなくなった湖を清めて、幸せの訪れを祈ります。
神社だけにとどまらず、壮大なスケールで行われるこの行事。みているだけでも大盛り上がり、間違いなしでしょう。
もちろん、箱根神社の本殿や神楽で行われる節分祭や追儺式も多くの人が集まる人気行事。こちらから参加することで、鬼退治の達成感も増すはずです。
写真提供:箱根神社
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
開催概要:
2月2日(日)
・11:00~ 節分祭(本殿)
・11:30~ 追儺式(神楽殿)
・12:15~ 行列参進(神社~打ち豆船)
・12:30~ 湖上鬼追(芦ノ湖)
・13:15~ 神札・撒下品授与(元箱根・広志屋)
*10:00~は、公魚まつり(わかさぎまつり)も箱根神社前庭で同時開催。
*前日、2月1日(土)19:30~は、節分祭奉祝花火大会 (芦ノ湖元箱根湾湖上)も開催。
「鬼は内」?……ちょっと変わった風習も!
多くの場所では、「鬼は外、福は内!」といいながら豆をまき、鬼を追い払うといった風習が根強く残っています。ただし、なかには「鬼は内!」と鬼を呼び寄せる神社や地域もあるのだとか。
代表的なのは、「鬼子母神」が祀られている神社です。もともとは人の子を食べてしまう鬼だったものの、子どもを隠されたことで改心し、いまや安産や子育ての神として知られる鬼子母神。鬼を祀っている以上、「鬼は外」とはいえず、「鬼は内」との掛け声が使われるようになったといわれています。
また、「鬼」という名前がつく領主さんがいた地域も、領主さんを外には出せないという事情から「鬼は内」というのが習慣になっている地域も多いそう。ほかにも、悪さをしない良い鬼もいるといった言い伝えや、鬼にあえて神社に来させて改心させることから「鬼は内」との掛け声も使う神社もなかにはあるようです。
神社や地域によっても、さまざまな違いがみられる節分の行事。住んでいる地域やゆかりのある場所の風習や特別な文化も調べてみてはいかがでしょうか?
写真提供:吉田神社・箱根神社
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