屋外で大勢でわいわい言いながら食べる鍋は、家で食べるのとはまた別のおいしさがあります。秋になると河原で鍋を囲む愛媛県の「いもたき」や、祭りやイベントで提供される栃木県の「巻狩鍋」、2つの鍋をご紹介します。
掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています。
伝統野菜の里芋を河原で楽しむ秋の風物詩
いもたき【愛媛県】
愛媛県大洲市(おおずし)では伝統野菜として里芋が栽培されており、この特産品を使った地方独特の秋の風物詩に「いもたき」がある。地域住民の寄り合い行事として行われるもので、肱川(ひじかわ)の河原に収穫した里芋を持ち寄って、コンニャク、鶏もも肉、干しシイタケ、油揚げ、ゴボウをだし汁で煮てふるまい、親睦をはかった。
藩政時代から300年続く伝統の味だが、1966年にその風習を観光事業化し、現在は9月上旬から10月中旬まで肱川の河原で「いもたき」を味わうことができる。各家庭でも一年中楽しまれている。
いもたきのつくり方
【材料】
里芋、コンニャク、鶏もも肉、干しシイタケ、油揚げ、ゴボウ、だし汁
【つくり方】
1 里芋はきれいに洗い皮付きのまま10分茹でたのち、皮をむく。鍋にだし汁と里芋を入れ、中火で柔らかくなるまで火にかける。
2 コンニャクはひと口大に切り、下茹でしておく。油揚げはひと口大に切って湯通しする。干しシイタケは水で戻して四つ切りにする。鶏肉はひと口大に切る。ゴボウは大きめのささがきにする。
3 鶏肉、シイタケ、コンニャク、ゴボウを油でさっと炒める。
4 3にシイタケの戻し汁とだし汁を入れて沸騰させ、アクを取りながら10分ほど煮る。
5 4に里芋、油揚げ、調味料(しょう油、みりん、酒、砂糖、塩)を入れる。
6 里芋に、スッと串が入るようになったら火を止める。10分ほどおいて味をなじませる。
7 盛り付けの前に再加熱し、ついもを入れてさっと火を通す。
↓大洲のさといも、いもたきについてはこちらを参照
https://www.city.ozu.ehime.jp/soshiki/shoukou/55118.html
源頼朝の史実から当時の食事をイメージした鍋
巻狩鍋(まきがりなべ)【栃木県】
鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝が、1193年に那須野ヶ原一帯で行った大規模な狩り「那須野巻狩」の史実から、当時の食事をイメージしてつくられた鍋料理。当時は、鎌倉幕府の多くの武将や数万もの勢子(獲物を追い出す人)が野原を駆け回ったといわれている。那須塩原市の冬グルメとして、市内で行われる祭りやイベントなどで提供されている。
↓3月31日まで「巻狩鍋フェア」を開催
https://nasushiobara-kanko.jp/topics/16360/
↓ふるさと納税の返礼品「那須塩原市名物巻狩鍋」
https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1273545&query_id=07cae378-f97e-48ba-8df3-57fa47d41b31
文/横澤寛子
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