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田舎暮らしの本 11月号

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田舎暮らしの本 11月号

10月3日(金)
890円(税込)

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農業はやっぱり3Kと思われているのか/自給自足を夢見て脱サラ農家40年(74)【千葉県八街市】

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農業の3Kに加えたい新しい3つのK

田舎暮らしの自給生活がもたらす健康のK

冒頭に書いたことを再びここで。たしかに農業は3Kだが、僕はそれにあと3つのKを足し6Kとしたい。秋の陽を浴びながら小さな苗と向き合う時のほんわかとした気分のK。そして、小さな苗たちが3か月という時間をかけて実りの時を迎え、さあ食えるぞ、腹いっぱい食えるぞのK。そして、今日の労働は必ず未来の収穫という希望につながる、そのK。

すでに世に存在する3K。僕が唱える3K。アナタはどちらに軍配を挙げるか。結婚相談所では面会の可能性が100分の1。その高い障壁をなす女性たちはどんな男性を理想としているのだろうか・・・僕が掲げる3つのKの味わいを彼女たちは知らないのだと思う、たぶん。

さらに付け加えるならば、まさしく地に足を着けて働く田舎暮らし。雑念なしに無邪気に働き、出来上がった野菜や果物を楽しんで食べる自給生活。それは健康というオマケをもくれる。もうおわかりであろう。健康のK。これで合わせて4Kだ。先輩格の3Kを数字で1つ上回った。KはノックアウトのKでもある。勝負あったではないか。

地球環境と自然の警告

 

自然は過ちをおかさない。生き残るのはその自然と最もよく共存し、足るを知る人たちだ。

 

地に足を着けて働く田舎暮らし。雑念なしに無邪気に働き、出来上がった野菜や果物を楽しんで食べる自給生活。それは健康というオマケをもくれる。もうおわかりであろう。健康のK。これで合わせて4Kだ。先輩格の3Kを数字で1つ上回った。KはノックアウトのKでもある。勝負あったではないか。

数日前、アメリカ大統領の国連での一般演説が持ち時間15分をはるかに超え1時間に及んだと伝えられた。その演説の中で、気候変動説は恐怖をあおるでっち上げだとの持論をまたまた力説したらしい。困ったお方だ。

内戦の影響もあるが、熱波や少雨の影響でシリアでは小麦の生産が過去最低レベルに落ち込む、中東諸国では数百万人が飢餓に陥るリスクがある、そうFAO(食料農業機関)が警告を発している。

上に掲げた、自然は過ちを犯さない・・・は朝日新聞「素粒子」が引いた小泉八雲の言葉である。そう、たしかに自然は過ちをおかさない。猛暑、豪雨、旱魃、あたかも自然そのものがなしているミステイクのように思われるが、そこに至らせたのは人間のミステイクであるに違いない。便利さと繁栄を大義名分として、とことん地球に負担をかけ、傷つける。頑丈な地球とて、もはや忍耐の限界を超える。来年、再来年、猛暑はさらに強まるという説を僕は受け入れる。

昨日は晴れたり曇ったりの1日であったが、晴れている時間の暑さはものすごく、温度計は31度を差していた。昨日まで3日連続、栗拾いをしつつ栗の木の下草刈りに汗をかいた。

9月も今日で終わる。昨日は晴れたり曇ったりの1日であったが、晴れている時間の暑さはものすごく、温度計は31度を差していた。昨日まで3日連続、栗拾いをしつつ栗の木の下草刈りに汗をかいた。スコップ1本、動力は我が2本の腕のみ。およそ50平方メートルが見違えるほどきれいになった。ズラッと15本の落葉樹の大木が並ぶ所ゆえ、この場所の土は黒く肥沃だ。春までに作物のある場所までここの土を運ぶつもりである。

上に掲げた裸の写真は、31度の気温の中、藪蚊に刺されながら4時間を奮闘した後の姿である。農業は3K 。紫外線がキライ、汚れることもキライ。そんな人はこの写真を見て「やっぱりね、汚いねえ」そう呟くに違いない。ウン、たしかに汚い・・・。

農業の3Kと危険な作業

ついでにもうひとつ、危険のK。今年はやたら蜂が多いのだが、この下の写真は、春に切り落とした栗の木の太い枝をどけようとして遭遇した足長バチの巣だ。触れる寸前に気づいて手を引っ込めたからいいが、うっかりつついていたら総攻撃を受けていただろう。半月前に頭のてっぺんを刺されたが、1匹だけでもかなり痛い。我が対処法は刺された場所に石鹸を泡立て、時間をかけてゴシゴシやるのだが、同時に5匹にも刺されたらそれも無駄かもしれない。

今年はやたら蜂が多い。春に切り落とした栗の木の太い枝をどけようとして遭遇した足長バチの巣。触れる寸前に気づいて手を引っ込めたからいいが、うっかりつついていたら総攻撃を受けていただろう。

9月が終わる。今日も日中は30度だったが朝晩は涼しい。猛暑に苦しんだ野菜たちも日暮れになると安堵の表情を見せる。みんな、よかったなあ、やっと秋だぜ、朝晩はグッとこれから涼しくなるぜ・・・そう囁きかけながら、仲間半分を暑さで失ったブロッコリー、それに長ネギ、大根、キャベツ、チンゲンサイなどに真っ暗になるまで土寄せをしてやった。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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