農業の3Kを超える希望の力
汚れることを恐れない
農業はきつい、汚い、危険。そう言うけれど、僕はほとんどキツくはない。どれも小さい、けれど作物のひとつひとつが希望をくれるゆえだ。希望のKがキツイのKを帳消しにしてくれるのだ。そのことを40年の経験で知る。
そして汚いのK。世に綺麗好きという言葉があるが、僕は真反対。汚い好きという言葉はさすがないが、汚れることに全くアレルギーがない。だって、風呂に入って、タワシでこすればどんな汚れも落ちるじゃないのさ・・・午後6時。予定の仕事を終えた僕は腕枕でネギの畝間に横になっている。空に半月。バッハが聴こえる・・・。
自給生活の達成感と健康
自分の腕2本で多くの仕事をなし終えた。その達成感が心を満たす。さあアナタもいかがですか、田舎暮らし、自給生活。健康で、美味しく食える2つのK。シンプルな人生・・・。たしかに汚れる。時に蜂に刺され、切り傷も負う。でもなんの。田舎暮らしの帳尻は、かすかといえども常に黒字なんです。豊かな食べモノもさることながら、精神面で大きく足る暮らしなんです。ダジャレ川柳でシメましょう。
我はゆく 精神面足る 軽き日々
おやりなさい。足を踏み出しなさい。キャリア40年の先輩が自信を持ってアナタに推しています。小泉八雲が言った通り、生き残れるのは自然と共存し、足るを知る人間なのです。
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この記事を書いた人
中村顕治
【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
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