気候変動と季節の揺らぎを見つめて
短くなる秋と植物が教えてくれるサイン
十年後、秋は無いかも知れなくて白を載せつつ貴船菊立つ(吉川宏志)
読売新聞「四季」で目にした歌。貴船菊とは秋名菊のことらしい。僕にも気に入った菊がある。5年くらい前に買って、もう名前は忘れた。黄色い花ビラの中心点が薄い緑。背が高く、にぎやかに咲く。そこが気に入っている。
前掲の歌に長谷川櫂氏は次のように解説している。
トランプ大統領が否定しても、地球温暖化は年々進む。今年の夏も歴史的な猛暑だったが、来年はもっと暑いだろう。膨張する夏に押されて秋も春も痩せ細る。
「秋も春も痩せ細る」という表現が巧みだ。まさしくそう。僕の予感だが、この冬は厳しく、桜が咲くころには一気に夏日だなんてことになるのではあるまいか。
秋冬野菜の収穫がもたらす喜び
秋ジャガの収穫をボチボチとやっている。予想外の出来で気分を良くしている。そして・・・前回、袋から出した春のジャガイモが大きな芽を出していて、とっさに愛らしくなり、植えてやったという話を書いたが、今日、またまたこの下のような姿に出会った。どうしよう。よっし、またやってやるか。
まず米ぬかを入れた。深く耕し、黒マルチをし、さらにビニールンネルを仕立てる。まだある。夕方になったら防寒シートを掛ける。これから最も寒い時期を迎える。寒さに強いジャガイモもこのくらいやらないとダメだろうから。
ポポーの木が黄葉している。あと数日したら裸木になるだろう。この黄色い風景が毎年、僕に、秋が終わり、冬が来たということを教えてくれる。
この記事のタグ
この記事を書いた人
中村顕治
【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
田舎暮らしの記事をシェアする


















