農業YouTuber黒壁の「誰でも手軽に家庭菜園」vol.27
YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」を運営する黒壁勇人(くろかべ・はやと)さんが、家庭菜園のコツをまるっと伝える本連載。第27回のテーマは「ニンジンの保存術」です。
実はニンジンは、保存方法しだいで最長5カ月もたせることも可能。収穫期に知っておきたい農家直伝の保存術5選を、家庭で実践できる形で紹介します。
CONTENTS
ニンジンが最長5カ月もつ! 農家直伝・失敗しない保存術
「気づいたらニンジンがしなしな……」
「冷蔵庫の奥で腐らせてしまった……」
「葉っぱは毎回捨ててる……」
そんな“ニンジンあるある”、ありませんか? 実はニンジンは、保存方法さえ正しければ最長5カ月も保存できる野菜。しかも、特別な道具はほとんど必要ありません。
今回は、ニンジンの収穫期だからこそ知っておきたい「ニンジンの保存術5選」を解説します。
冬ニンジンは「保存」がカギ
ニンジンの旬は、実は11月〜3月。この時期の冬ニンジンは、寒さに耐えるために糖分を蓄え、甘みが強くなります。
家庭菜園で一気に収穫したり、スーパーで甘くて安い冬ニンジンをまとめ買いしたりする人も多いはず。でも、量が多すぎて、食べきれない、保存が追いつかないというお悩みありませんか?
そこで知っておきたいのが、「ニンジンの正しい保存方法」です。
まず知っておきたい|ニンジンの劣化サイン
保存方法を間違えると、ニンジンは一気に劣化します。
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しなしなして曲がる
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表面に細かいひび割れが入る
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白いひげ根が出てくる
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色が白っぽく、粉をふいたようになる
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先端が黒く変色する(※腐敗)
こうなると、食感・甘み・栄養価・風味が一気に低下してしまいます。
ニンジンは「鮮度を保って保存すること」が大切なんです。
ニンジン保存の基本ルール
① 縦に立てて保存する
ニンジンは土の中で縦に育つ野菜。
横に寝かせると、起き上がろうとして余計なエネルギーを使い、水分と糖分を消耗します。
→ 必ず縦向きで保存が基本。
② 葉っぱは必ず切り落とす
葉を付けたままにすると、ニンジン本体の栄養をどんどん吸い続けてしまいます。買ってきたら、収穫したら、すぐに葉をカットしましょう。
この葉っぱ、捨てるのはもったいない! 後半で活用法を紹介します。
保存方法①|冬限定・常温保存(1週間〜10日)
気温が低い冬だけ使える、もっともシンプルな保存方法です。「数日〜1週間で使い切る予定」のニンジンに向いています。
手順
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新聞紙を“軽く”湿らせる
霧吹きで2〜3回シュッとする程度。ビショビショはカビの原因になるのでNG。 -
ニンジンを1本ずつ包む
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米袋や段ボールに入れ、立てて保存
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日が当たらない冷暗所へ
玄関・廊下・床下収納などがおすすめ。
実は北向きの玄関は、ニンジン保存に最適。気温が5〜10℃前後で安定し、直射日光も当たりません。
※凍結する場所はNG
※夏場は絶対にやらないでください
保存方法②|冷蔵保存(約1カ月)
もっとも手軽で、家庭で一番使われている保存方法です。少量ずつ使いたい人におすすめ。
丸ごと保存
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泥を軽く落とし、水気をしっかり拭く
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新聞紙やキッチンペーパーで包む
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保存袋に入れ、野菜室で立てて保存
カット後の保存
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切り口をラップで密着
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保存期間は約1週間
ペットボトルや牛乳パックを使うと、立てて保存しやすくなります。
保存方法③|冷凍保存(約1カ月)
冷凍すると繊維が壊れ、火が通りやすく、味が染み込みやすくなるのが最大のメリット。時短調理派にぴったりの保存方法です。
方法
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使いやすい形にカットして冷凍
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軽く下茹でしてから冷凍すると食感アップ
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すりおろして製氷皿冷凍も便利
ニンジンのβカロテンは「油+加熱」で吸収率が約10倍。炒め物・煮物・スープなど、加熱料理に向いています。
忙しい日でもサッと使えて、栄養も無駄にしない。冷凍保存は、毎日料理する人の心強い味方です。
保存方法④|最強! 土の中保存(最長5カ月)
家庭菜園をしている人、大量に保存したい人にとって最強の方法です。昔から続く「越冬野菜」の知恵で、春まで新鮮なニンジンを楽しめます。
手順(要点)
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深さ30〜40cmの穴を掘る
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葉を切ったニンジンを並べる(向きは自由)
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目印を立てる
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土 → 籾殻 → 土の順で覆う
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使う都度、必要な分だけ掘り出す
籾殻は断熱性が高く、腐敗防止にも◎。寒さから守りながら、ニンジンを休眠状態で保存できます。
※秋〜冬限定
※夏は絶対にNG
保存方法⑤|昔ながらの保存食(3〜6カ月)
長期保存したいなら、加工して保存食にする方法もおすすめです。
干しニンジン
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薄切りにして天日干し
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甘み・旨みが凝縮
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煮物・炊き込みご飯に◎
漬物
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浅漬け:数日
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ピクルス:約1カ月
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味噌漬け:2〜3カ月
味の変化も楽しめて、保存期間も延ばせます。
番外編|ニンジンの葉は捨てない! 栄養たっぷりの“名脇役”
実はニンジンの葉は、ビタミンA・ビタミンK・カルシウムが、根の部分よりも豊富に含まれています。
「葉っぱは捨てるもの」と思われがちですが、保存と使い方を知っていれば、立派な食材として活躍します。
ニンジンの葉の保存方法
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冷蔵保存:2〜3日
→ すぐ使い切る場合におすすめ -
塩ゆで冷蔵:約1週間
→ 使いやすく、日持ちもアップ -
冷凍保存:約1カ月
→ まとめて保存して、必要な分だけ使える
ニンジンの葉のおすすめ活用法
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かき揚げ:香りがよく、食感も楽しめる
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ごま油炒め:じゃこと合わせると相性抜群
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チャーハン:刻んで混ぜるだけで栄養アップ
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ふりかけ:細かく刻んで炒り、ごまと合わせて
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ポタージュ:じゃがいもと一緒にミキサーへ
また、ニンジンの皮もよく洗えば、そのまま使えます。皮や葉まで無駄なく使うことで、ニンジンを丸ごと味わえますよ。
保存期間が一目でわかる|ニンジン保存法・完全一覧
どの保存方法が、自分の暮らしに合っているか、まずは保存期間の目安を一覧で確認しておきましょう。
保存期間の目安一覧
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常温保存(冬限定):1週間〜10日
→ すぐ使い切る予定の人向け -
冷蔵保存:約1カ月
→ 少量ずつ使いたい、もっとも手軽な方法 -
冷凍保存:約1カ月
→ 時短調理・作り置き派におすすめ -
土中保存:最長5カ月
→ 家庭菜園・大量保存の最強手段(秋〜冬限定) -
干しニンジン:3〜6カ月
→ 保存食として長く楽しみたい人向け -
漬物:数日〜3カ月(種類による)
→ 味の変化も楽しみたい場合に
保存方法を組み合わせて「短期で使う分」「長期で残す分」を、自分の生活や使用イメージに合わせて保存しましょう。
【まとめ】ニンジンは「保存」で差がつく。無理なく、最後までおいしく
ニンジンは、放っておくと傷みやすい野菜。でも、正しい保存方法を知っていれば、最後までおいしく食べ切れる野菜でもあります。
甘くておいしい冬ニンジンをムダにしないためにも、ぜひ今回紹介した保存術を取り入れて、食品ロスを減らしながら、家庭菜園や毎日の料理を楽しんでください。
写真提供:YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」
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この記事を書いた人
黒壁勇人(農業YouTuber)
黒壁勇人(くろかべ・はやと) 登録者数8.7万人のYouTubeチャンネル「まるっと農業日記」を運営。 より多くに人に農業の魅力を知って欲しいと、YouTubeチャンネルでは、家庭菜園から野菜の植え方・育て方、そのコツまで誰でも簡単に農業を楽しめる方法を初心者にもわかりやすく紹介している。
Instagram:@kurokabe_farm
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