春は名のみの風の寒さよ
立春から10日、畑は霜で白く
ソラマメは地面に伏し
野菜の洗い桶は凍りつく
しかし先取りせねば、春を
本物の春が来てからでは遅い
ジャガイモを植える
カボチャと人参をまく
花を咲かせ始めたイチゴもほっとけない
力任せに打ち込んだスコップ
土にまじって小さい蛙が背中を丸めて現れる
おお,怪我はなかったかい、おまえ
こんな寒さの中で、こんな小さな体で
急ぎ大きな鉢植えのレモンの下に穴を掘り
ここで春までゆっくりと眠ろうな・・・
春は名のみ、本物の春を待つ
桜の花と梨の花とフジの花の咲く
その時に期待を寄せて、しばし寒さに耐える
野菜も、人間も、鉢植えのレモンも、さっきの蛙も
CONTENTS
雪の中を投票所に向かって走る
※2月上旬に執筆したものを掲載しています。
雪の日でも止まらない農家の一日
雪が降り始めたのは昨日、7日の午前9時頃だった。降るのはもっと遅い時刻と思っていたのでちょっと慌てた。でもやろう。予定していた荷物を降りしきる雪の中、手先のしびれを我慢しつつやり、さらにイチゴのハウスにこもって草取りをもやった。
そして今日8日。寝床の窓を開けるとすべてが雪に埋もれている。なるほど、昨夜、ベッドの中で聴いたラジオでの「千葉には大雪警報」は大げさでもなんでもなかったのだな。さてランニングはどうしよう・・・そうだ、投票を兼ねて行こう。シューズが埋まるくらい雪は深い。車も人も通っていない道の雪はふわっとして、足裏に抵抗がないので走りにくい。投票所には係員が10人くらい。そこに投票者は僕ひとり。
雪国の暮らしを思いながら感じる日照の不公平
東北・北陸からは雪の被害がいくつも伝えられている。雪下ろし中に落下する。玄関から出たところで屋根からの落雪に埋まる。僕は雪の中で仕事しながら、こんなもの、北国の人の苦労を思えばなんということもないなあ・・・。雪そのものよりも、農家の僕には日が照らないということが辛い。仕事柄、天気予報を子細にチェックするが、太平洋側がすべてお日様マークなのに、青森、岩手、秋田はズラッと雪マークだ。世の中には不公平がいくつもあるが、片や晴天続き、片や雪続き。これほどの不公平は他にあるまい。
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この記事を書いた人
中村顕治
【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
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