全国に広がっている住みます芸人の笑いあふれる地域協力活動にフィーチャーした、「47都道府県エリアプロジェクト(あなたの街に“住みます”プロジェクト)」をレポートする本連載。 今回は、「住みます芸人」ではありませんが、兵庫県市川町(いちかわちょう)のPR大使を務め、空き家を購入し、リノベーションした「市川ハウス」を拠点に本気で町おこしに取り組む芸人、「女と男」の市川さんをクローズアップ!
CONTENTS
ふるさと市川PR大使
市川(女と男)
いちかわ|1980年9月26日生まれ。大阪府大阪市出身。お笑いコンビ「女と男」のツッコミ担当。芸歴23年。趣味は資格取得で2024年3月時点で47個所有。
ふるさと市川PR大使:2017年7月~
活動拠点:兵庫県神崎郡市川町
主な活動:購入した空き家「市川ハウス」を拠点とした各種イベントの企画、情報発信、地元メディアやイベントへの出演など。
X(旧Twitter):@yochi22
Instagram:yochi2222
YouTube:市川ハウスちゃんねる
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【兵庫県市川町】
「兵庫県市川町は、兵庫県の中央やや南寄りの山あいにあるのどかなまちで、自然あふれる最高の場所です。まちの中央部を清流・市川が流れ、穏やかな川面に、田園風景と山並みが映ります。交通アクセスは、JR播但線(ばんたんせん)と、中国縦貫自動車道と直結した播但連絡道路が整備されていて、交通利便性も非常にいい場所です。地域の名産といえば、実は市川町は国産ゴルフアイアン製造発祥の地! ゴルフクラブの製造が盛んなんです!! 市川町のゴルフクラブは国内外で高い評価を受けているんですよ。そのほか、市川町にある田隅(たずみ)養鶏場の、化学飼料を用いず天然飼料で育てた鶏の卵『タズミの卵』は、ふるさと納税の卵部門でNo.1にもなりました」(市川さん。以下、省略)
空き家を購入! 町おこしの拠点「市川ハウス」をスタート
2021年に市川町の空き家を購入し、空き家を購入し、コミュニティの運営をしている、お笑いコンビ「女と男」の市川さん。空き家のリノベーションにあたっては、クラウドファンディングを利用したそう。「市川町をあなたのふるさとにしよう」と銘打ったプロジェクトに集まった支援者と地元の人々の協力のもと、修繕や改装を進めました。その空き家を「市川ハウス」と名付け、現在はここを拠点に、町おこしのイベントや情報の発信をしています。
名前が同じだからというノリでPR大使に就任!
その後、市川町が本気で好きになり、町おこしのために空き家を購入
市川さんはどうして、大阪出身でありながら、隣県である兵庫県のPR大使になったのでしょうか。
「2017年に市川まつりの司会に呼んでいただきまして、そのときに町役場の方から、『名前が“市川”で同じだから、ふるさとPR大使やりませんか?』って誘っていただいたんです。あまりにも唐突に!
で、『僕も、いいんですか! やらせてください!』って。
ノリですね、お互いに(笑)」
そこから、空き家の購入に至るほど、市川町のことが好きになっていった市川さん。すっかり虜になってしまった理由は一体何だったのでしょうか。
「人がいいんです、市川町の人は。うれしかったのは、前になんばグランド花月で15周年ライブをやらせてもらったんですけど、そのときに市川町の方々がみんなで団体バスで見にきてくれたんです。『すんごいあたたかい人たちやなっ』て感動しました」
そんななか、2020年にコロナ禍に見舞われます。
「芸人の仕事が減って、家にいる時間が増えて。これからどうしようかなと考えていたときに、パッと市川町のことが頭に浮かんだんです。
自分自身のなかにあった『大自然のなかで何かやってみたい』という想いと、『お世話になった市川町のために何かできないか』ということを考えたときに、『空き家を買って、市川町内外の人たちがつながる拠点にするということをやってみよう!』って」
「60平米の平屋が気に入って購入したら、テニスコート3面ぐらいある土地と、1500坪の山がついてきて、大きな土地の地主になりました(笑)。山のくぼみの家屋が市川ハウスです」
市川町での活動は「市川ハウス」が中心。では、どのように拠点となる空き家物件を探したのでしょうか。
「いくつかの空き家を内見させてもらいました。市川町には、立派な古民家もいくつか残っていて、当初はDIYでおしゃれに再生できそうな古民家を購入しようとしていたんですが、その後の改修のことを考えると、大きくて、古過ぎて、素人には無理だと断念しました……。悩みながら物件を巡っていたときに、たまたま町の方から、空き家を手放したい人がいると教えていただいたんです。で、すぐに見に行って。とても気に入ったので、即購入しました。運命的ですよね」と、物件探しのエピソードを教えてくれました。今では、空き家物件ツアーを行ってYouTubeで公開するなど、自身の経験を生かしたPR活動を行っています。
「購入した当初の物件の外観です。まず手を付けたのが、広い敷地の草刈りと樹木の伐採。町の方々が協力してくれました」
購入したのは、13年人が住んでいない空き家物件。修繕はかなり大変だったのではないでしょうか。
「下水もなく、フローリングも張り替えが必要な状態で、内装も外装もリノベーションする必要がありました。地元の方々に協力いただいたり、クラウドファンディングで協力者を募って、みなさんと一緒に作業を進めていきました。結果、そうすることで、今まで市川町を知らなかった人に実際にまちに来てもらうことができ、魅力をアピールすることもできたので、一石二鳥でした」と、意外にも苦労話ではなく、前向きなコメントが。それも、市川町の住人たちや、市川さんの人柄がなせるところなのでしょう。
「リノベーション前の内装。床に軋み(きしみ)があり、フローリングの張り替えが必要でした」
「市川ハウスのリノベーションを進めるなかで、あらためて感じたのが、市川町にある“人と人のつながり”です。市川町は人のやさしさをダイレクトに感じられるところなんです。何をするにしても市川町の方に相談させてもらっています。こういうものあげるよと、フローリング材などの資材をいただいたり、冷蔵庫をいただいたり、
なんと! 軽トラックまでいただきました(笑)」
「何度もまちの人のやさしさに助けられました」。そこに住むみんなで助け合ったり補いあっていく関係性は、都会にはない、田舎の魅力のひとつですよね。
市川さんは、さらに続けます。
「こういう活動をしていると、近所の方々とも仲良くなっていきます。まちの草刈りに参加させていただいたり、たまたま通りかかった人に、漬け物食べるか?といただいたり。すごくまちの方がやさしくしてくれるんです。やっぱり、人のやさしさに触れると気持ちが豊かになりますね」
「フローリングの張り替えなどの内装は、クラウドファンディングも利用し、支援いただいた方々と一緒に作り上げました」
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