これから移住する人に向けて、田舎暮らしで気になることをランキング形式で紹介。今回は、「起業・開業に関する相談会やセミナーが多い自治体」をクローズアップします。起業・開業に力を入れている自治体にはどういう傾向があるのか、本誌ライターが分析・解説します。
弊誌「田舎暮らしの本」の人気企画『住みたい田舎ベストランキング』では、回答いただいたアンケートをもとに、さまざまな角度からユニークな取り組みをしている自治体をランキング化。読者の移住地選びの参考になるデータを提供しています。
【集計方法】
対象者:全国の自治体
調査方法:『田舎暮らしの本』からのアンケート
(アンケート送付は、「道府県庁経由でのメール」および「各自治体へ編集部から直接メール」の2ルート)
回答数:587自治体
アンケート実施:2023年10月末 ~ 11月下旬
※各項目の算出方法は表の下に別途記載しています。
掲載:田舎暮らしの本 2024年2月号
若い世代や子育て世代の受け入れに当たって、移住者の起業・開業を支援する自治体が増えています。明確な事業計画を持っている人なら、独立するライフスタイルもありなのです。支援制度を含めて、受け入れ状況を自治体に確認してみましょう。
【起業・開業に関する相談会が多い自治体】
※算出方法:2023年度に起業・開業に関する相談会やセミナーを開催(に出展)した数(オンラインおよび開催予定を含む)。
上の表は2023年度にオンラインを含めた起業・開業に関する相談会やセミナーを開催・出展した数をランキングしたもの。県庁所在地が多いのが目を引きます。
第1位:熊本県熊本市(くまもとし)
364回とダントツで1位になった熊本県熊本市。ここには起業を目指す人、歩みを進める人、支える人が交わり、ともに新しい社会をつくり出す起点となるビジネス支援施設「XOSS POINT.」があります。XOSS POINT.は経営相談や創業支援などを行うスタートアップ支援施設であり、そこを会場としてイベントを開催。また、現地とオンラインのハイブリッドでも実施しています。創業前の方から、販路拡大や資金調達を志す方など、事業のさまざまな成長ステージの方を対象にしたセミナーやネットワーキングイベントを行い、施設を拠点としたスタートアップエコシステムの構築を目指しています。
ほかにも、「HIGO CANVAS」による起業・開業の支援を行っています。これは、熊本の起業家を発掘し、「起業家ファースト」を最優先に支援対象者のニーズに応じた事業成長支援を行う、アクセラレーションプログラムです。「熊本スタートアップエコシステム」を構築していくことを目指し、地域が一体となって手厚く温かい支援で起業家の成長を後押ししています。
熊本はどう?(熊本市公式移住情報サイト) (kumamotodo.jp)
熊本市は九州で三番目に人口が多い都市です。中心市街地には熊本城があり、城下には西日本最大級ともいわれるアーケード街もあります。
起業・開業にはビジネスの選定、資金計画などさまざまなノウハウが必要です。相談会やセミナーを多く開催している自治体なら、移住希望者が抱える不安の解消にもつながるはずです。
この記事の画像一覧
この記事のタグ
この記事を書いた人
山本一典
田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。
Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/
田舎暮らしの記事をシェアする