全国に広がっている住みます芸人の笑いあふれる地域協力活動にフィーチャーした、「47都道府県エリアプロジェクト(あなたの街に“住みます”プロジェクト)」をレポートする本連載。
今回は、地域の小学生を対象にした教育活動を行っており、楽しく学べる授業を提供している神奈川県住みます芸人の「でんでん太鼓」をクローズアップ。ツッコミ担当の川端チョイスさんに話を伺いました。
CONTENTS
神奈川県住みます芸人
でんでん太鼓
左_千田大成(せんだ たいせい)……ボケ担当。1995年1月27日生まれ。埼玉県さいたま市出身。NSC東京校23期生。芸歴7年。趣味は、バドミントン、ルービックキューブ、草野球、カリンバ、ジャグリング(4つ)。特技は、ルービックキューブ、ジャグリング。
右_川端チョイス(かわばた ちょいす)……ツッコミ担当。1994年9月12日生まれ。神奈川県川崎市出身。横浜国立大学教育人間科学部卒業。その後東京NSCに23期生として入学。芸歴7年。大学在学中に社会科教員免許1種(小学校・中学校・高校地歴公民)全4枚を取得。出身地である神奈川県川崎市にて同期とシェアハウスをしながら住みますの活動に励んでいる。趣味は、歴史、三国志、ゲーム、漫画、ぺろりん先生。特技は、ダイススタッキング、どんな建物も兵法を使って攻め落とせる、どんな状況でもナイスチョイスすること。
同期は、令和ロマン、ヨネダ2000 など
住みます芸人歴:2022年3月~
活動拠点:神奈川県川崎市
主な活動:地域のお祭りやイベントなどでネタやMC。地域の小学生の学びの場として「わくわくスタディー」を開催。プラスチックゴミ問題に関する講演会など。
X(旧Twitter):千田 @ta_0127 川端 @kawabatamusashi
Instagram:川端 @kawabatamusashi
YouTube:でんでん太鼓のどんどこドン
【神奈川県川崎市】 川崎市は、東京と横浜の間に位置しており、工業地帯としての歴史が深く、多くの企業が集まる経済の中心地でもあります。文化やスポーツ、自然も豊かで、多くの公園や文化施設があり、住民にとって住みやすい環境が整っています。川崎大師や多摩川などの観光スポットも多く、多様な魅力を持つ都市です。 「神奈川県川崎市のなかでも、多摩区で活動しています。多摩川をはさんですぐ東京都に行くことができて、小田急線が通っているため新宿駅までは30分かからず出ることができます。基本的に静かな住宅地なので、住みやすい街だなという感想です」(川端チョイスさん。以下、省略) |
若手住みます芸人が挑む、芸人ならではの学習塾
今年で芸歴7年目を迎える川端チョイスさんは、2024年1月31日に「でんでん太鼓」というコンビを結成。現在は、コンビで神奈川県住みます芸人として活動しています。そんな川端さんは、横浜国立大学卒業時に、小学校から高校まで教えられるよう、教員免許4枚取得。3年前から沖縄ラフ&ピース専門学校で、芸人先生としてリモートで高校生に社会化を教えています。
同期の影響と住みます芸人への決意
川端さんは、同期である令和ロマンとヨネダ2000の存在が自身に大きな影響を与えているといいます。まず、住みます芸人になった経緯を伺いました。
「令和ロマンはデビュー後すぐに1番上のクラスに行って、ヨネダは逆に同じクラスにいたのに一気に駆け上がっていって、『置いていかれたくないぞ。自分にしかないできることはなんだ?』と考えるようになりました。そんなときに、ちょうど吉本興業から神奈川県住みます芸人の募集メールが届き、これから先も神奈川から出たくないと思っていたので『これだ!』と思い、手をあげました」
地域への貢献と住みます芸人としてのスタート
川端さんにとって、神奈川県住みます芸人になることは、どのような意味を持っていたのでしょうか?
「僕が生まれ育った川崎市に、『育ててくれた地元に恩返ししたい!』という強い気持ちを持っていました。だから、住みます芸人として任命されたときは、本当に嬉しかったです。ただ、最初は地域への貢献度がゼロからのスタートでした……」と川端さんは語ります。
「実は、今の『でんでん太鼓』は2024年の1月に結成したコンビなんです。なので、就任当時は前コンビの『コロウカン』として住みます芸人の活動をしていたんです。自分が生まれてから今までずっと川崎市に住んでいるので、『育ててくれた地元に恩返ししたい!』という熱い気持ちがありました。というか、その気持ちだけで任命していただいたと思います(笑)
ただ、神奈川で仕事したことがある、神奈川で活動したことがあるといった実績はまったくないので、誰も知らない、売れていない芸歴5年目の芸人としてのスタートでした。そこで、『イベントに呼んでほしいなんて二の次だ。まずは地域に貢献しなきゃ!』と思ったんです」
右も左もわからない状態で、とにかくできることから住みます芸人の活動を始めたといいます。
「本当に小さなことからコツコツやったんです。
町内会に入って回覧板を回してもらい、そこから参加できる行事やボランティアなどを探しました。
地域のソフトボールによる交流会に参加して、人数が足りてないチームに入れてもらったり、老人ホームのお食事会に行ってネタを披露したりと、住みます芸人になる前にはやるとは思ってなかったことばかりでした。
でも、僕にはそういう時間が合っていたので、楽しく参加させてもらえましたし、そこから徐々に地域のイベントに呼んでいただけるようになりました。それがきっかけで、地域のイベント出演の声がかかるようになっていったんです」と話す川端さん。これまで経験したことのない活動に参加することは、苦ではなかったそうです。
謙虚さと地域社会への貢献
何もないところからのスタート。仕事がもらえるようになったことが本当にうれしかったと言います。
「やっと仕事がもらえるようになった身です。なので、常に謙虚な気持ちでいることを大事にして活動するようにしています。地域貢献につながるお仕事をさせていただいているときに、やってあげているなんて気持ちを持つのはもってのほかですよね。地域のイベントでは同じ地元出身の芸人ということで、ちやほやしてもらえる瞬間もあるのですが、勘違いせずに、感謝の気持ちをもって謙虚にいることが大切かなと思っています。
今はまだまだ思ったような地域貢献ができていませんが、これからしっかりと事業を続けていったり、売れて有名になったりしたときに、より神奈川に還元できるような芸人になりたいし、そうなったときも謙虚な気持ちであり続けたいですね」と、謙遜します。
少しずつ地域とのつながりが深まっていったという川端さん。特に印象に残っているエピソードを伺いました。
「実際住んでみてというよりは、住みます芸人になる前から川崎に住んでいたので、実際には『神奈川県住んでますよ芸人』なんですよね(笑)。実家からもドアtoドアで1時間かからない場所に住んでいるので、『相変わらず住みやすいなあ、居心地いいなあ』と思いながら暮らしています。この前、子どもの頃は誕生日のたびに行っていた家電量販店でネタを披露させてもらったときは、感無量でした」
「住みます芸人になって、川崎以外に行くことも増えましたが、やはり川崎は居心地がいいというか、人間性が馴染んでいるのかもしれません。地域の宴会に参加したときも、すぐに打ち解けて、かなり楽しく飲んでしまってます(笑)」
プラスチックゴミ問題と地域のNPOとの協力
地域の環境問題について積極的に取り組まれていると伺いました。どのような活動をされているのでしょうか。
「神奈川県の海岸を歩いてゴミ拾いをする活動をしている冒険写真家の豊田直之さん(NPO法人海の森・山の森事務局理事長)と知り合ってからは、僕もプラスチックゴミ問題についてしっかり考えたいと思い、いろいろ学びました。今では、横浜を中心に講演会に呼んでいただくこともあり、環境問題解決に向け、県民のみなさんを巻き込んで一緒に取り組めるようになってきました」
「神奈川県は、豊かな自然と都市が共存する素晴らしい地域。でも、その一方で、僕たちが直面している環境問題は深刻なんです。たとえば、ゴミの不適切な処理や、エネルギーの浪費など、解決すべき課題は山積み……。講演会では、まず神奈川県内で直面している具体的な環境問題について説明するようにしています。自然資源の保護、廃棄物管理、エネルギーの効率的利用といったテーマに触れ、僕たち一人ひとりがどのように貢献できるかを考えていきます。環境保護は、決して難しいことではありません。僕も豊田さんに出会ってなければ、環境について考えてなかったかもしれません。ちょっとしたきっかけや小さな行動が積み重なれば、大きな変化を生み出すことができるんです。僕の講演が、地域の人々にとって、環境問題に積極的に関わるきっかけになればいいなって思っています」と、環境問題への取り組みについて話してくれました。
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