都会の喧騒を離れ、美しい自然に囲まれながら、趣味や住まい、大切な人との時間の充実にこだわった田舎暮らしをスタートする人が増えています。本連載では、都会から地方へ移住し、Instagramで移住後の田舎暮らしを発信している方々に、移住のきっかけや移住後のリアルな暮らしについてインタビュー。第2回は、東京都から大分県杵築市(きつきし)に移住し、古民家をリノベーションして民泊を営む野口奈々絵さんにお話を伺いました。
【野口奈々絵さん(yamakaoru 代表)】
2019年に東京から大分県杵築市に移住。20年以上空き家だった築150余年の古民家を夫婦で改装し、民泊「yamakaoru」をオープン。現在は産休・育休中。Instasramでは、夫婦二人で行っている古民家改装の様子や家族との日常を投稿し、国東半島や田舎暮らしの魅力を発信しています。
Instasram @yama.kaoru
yamakaoru公式HP https://sites.google.com/view/yamakaoru/home
日本一周中に出会ったまちへ移住を決意。自然に囲まれた国東半島のまち、大分県杵築市
―― 杵築市への移住を決めたきっかけは何だったのでしょうか。
「夫が、29歳の時にカブで日本一周をしたときに杵築市に出会って。東京に住んでいた夫は、杵築市で触れた自然の温もりやたくましさに感銘を受けて、いつかこの場所で暮らしたいと思うようになったんだそうです。その話を夫から聞いて、今度は2人で杵築市を訪れました。そこで私もすっかり杵築市の魅力にはまり、具体的に移住を考えるようになりました。」
―― 杵築市ならではの、お気に入りの場所を教えてください。
「自宅の近くに湧き出ている湧水です。ここで天然の水を汲んだり、自生しているクレソンを採ることができる、とても恵まれた場所です」
―― 野口さんのInstagramでは、ほっこりするようなお子さんとの日常の投稿がたくさん見られますよね。
「ありがとうございます。2019年に移住してきた後、子どもが生まれ、現在は夫婦と3歳、0歳の息子の4人家族です。自然に囲まれて暮らせる杵築市は、子育てにはとても良い環境だと思います」
―― 豊かな自然の中でのびのびと子育てができるのは、まさに田舎暮らしの特権ですね。そんな野口さんならではのライフスタイルのこだわりを教えてください。
「土とつながる土間にある台所は私のこだわりが詰まった場所です。広い庭で育てているニワトリと共に暮らしています」
庭で飼っているニワトリたち
「我が家では、ニワトリたちが産んでくれる卵と、畑から収穫した採れたて野菜や果樹がそのまま食卓に上がります。畑仕事は、3歳の息子も小さな手で頼もしく手伝ってくれるんですよ」
ニワトリの産みたてほやほやのたまご
じゃがいもを収穫する3歳の息子さん
「長い年月大切に受け継がれてきた古家具や古道具たちが好きで、好きなものに囲まれた暮らしをとても気に入っています」
―― 趣のある古民家が、古家具や古道具で、より素敵な空間になっていますね!
古民家と古道具がマッチした、趣のあるおしゃれなご自宅
―― 杵築市の自然環境と共に田舎ならではの暮らしを楽しんでいるのが伝わってきます。逆に、移住してみて大変だったことはありますか?
「とにかく家の敷地が広大なので、草刈りをするのがとても大変なんです。 そういった意味でもまさに“自然と共に暮らしていく”ということを学ぶ日々です」
―― 野口さんの運営する民宿、「yamakaoru」について教えてください。
「築150年あまりの、大きな梁のある二階建ての民宿です。ゲストルームは1階と2階に各1部屋あります。それぞれ雰囲気が違う空間になっているんですよ」
古民家らしい大きな梁が特徴的な2階のゲストルーム。7人まで泊まることができる。
―― 最後に、地方移住や田舎暮らしを考えている方へ、メッセージをお願いします!
「私は『地域おこし協力隊』としてこの町に移住してきました。住む町のことを知り、人間関係を築くこと、そして周囲に自分自身を知ってもらうとても良い制度だと思うので、ぜひ活用して素敵な移住生活を送ってほしいです」
写真提供:野口さん(yamakaoru 代表)
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