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田舎暮らしの本 2月号

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田舎暮らしの本 2月号

1月4日(土)
990円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

「関東1都6県で二拠点LIFE!」二拠点ライフ1年目! 農地付きの家で進める、畑の開墾&仲間とつながる暮らし【千葉県船橋市⇔千葉県館山市】

千葉県の船橋市と館山市で二拠点ライフを楽しむ盛さん夫妻。館山に家を買うことを決めたのは、「自分の土地で畑をやりたい」という妻の思い、そして、友人の二拠点居住を間近に感じたことがきっかけだった。日々試行錯誤しながら、館山での暮らしを楽しむ盛さん夫妻を訪ねた。

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掲載:2025年1月号


千葉県館山市

千葉県館山市 たてやまし
房総半島の南端に位置し、美しい海岸線が広がる自然豊かなまち。人口約4万5000人。年間を通じて温暖な気候が特徴で、釣りやマリンスポーツ、ハイキングを楽しむ観光客に人気が高い。都心からはアクアラインと館山道経由で約2時間、東京駅から特急さざなみで約1時間50分。

人との縁がもたらしてくれた、館山市での豊かな暮らし

作業着姿の盛さん夫妻は、この日も畑との境界に生える竹の伐採中だった。「小さな菜園程度を考えてたら、あまりに広い畑を持つことができて驚いてます」(真希さん)/千葉県館山市
盛 大介さん、真希さん
千葉県船橋市在住で、現在は夫婦とも東京都内で会社員。高校3年生の息子の拓海さんはニュージーランドに留学中。千葉県館山市に庭と畑が付いた築50年の民家を購入し、ただいまセルフリフォームに励んでいる。作業着姿の盛さん夫妻は、この日も畑との境界に生える竹の伐採中だった。「小さな菜園程度を考えてたら、あまりに広い畑を持つことができて驚いてます」(真希さん)。

 

 房総半島の南端に位置し、温暖な気候と豊かな自然、そして、美しい海に恵まれた千葉県館山市。盛 大介さん・真希さん夫妻が二拠点居住を楽しむために、歴史ある安房神社の近くに築50年の民家と大きな畑を購入したのは今から1年前のこと。

 以前から農業に興味があった真希さんは、佐倉市の「地球のしごと大學」で無農薬無肥料での野菜栽培や米づくりを学んだり、知り合いから借りた農園で家庭菜園を楽しんでいた。

 真希さんが「いつか自分の土地で畑をやりたい!」という夢を持つ一方で、大介さんもコロナ禍で外出が制限されるなか、「お金を貯めるだけの生活よりも、空気がきれいで心が落ち着く環境で充実した暮らしがしたい」という思いが強まっていたという。 そんなある日、同じマンションに住む友人の武藤さん一家が館山に「海が見える家」を購入し、二拠点生活を始めたことから物語が動き出す。

 「家が売りに出た話を聞いたら、武藤さんはポンッと買ったんですよ。衝撃でした」と大介さん。

 武藤さんの新しい家を訪れるうちに、盛さん夫妻も「自分たちも同じような環境を持ちたい」と考え始めるようになったという。そして幸運にも、武藤さん宅と同じエリアで農地付きの物件が見つかったとの話が舞い込んだ。

 「農地の購入は難しいと思っていましたが、佐倉市で野菜づくりを学んでいた経験が認められて、申請が通りました」(真希さん)

作業の合間に和室でだんらん。家具や家電、食器などは近所の人や友達から譲ってもらったものが多い/千葉県館山市
作業の合間に和室でだんらん。家具や家電、食器などは近所の人や友達から譲ってもらったものが多い。

この家で初めて仕込んだ手づくりの醤油と味噌。以前から無農薬無肥料の野菜栽培や米づくりに興味があった真希さんは、農作業の講座などに積極的に通っていた/千葉県館山市
この家で初めて仕込んだ手づくりの醤油と味噌。以前から無農薬無肥料の野菜栽培や米づくりに興味があった真希さんは、農作業の講座などに積極的に通っていた。

盛さん夫妻が二拠点居住を始めるきっかけとなっ
た武藤さんの海の見える家。お互いに家の修繕など
で助け合い、夜は一緒に酒を酌み交わす仲だ/千葉県館山市
盛さん夫妻が二拠点居住を始めるきっかけとなった武藤さんの海の見える家。お互いに家の修繕などで助け合い、夜は一緒に酒を酌み交わす仲だ。

 

 購入した物件には家と畑があったが、畑は長い間放置され、竹や雑草が茂るジャングルのような状態……。ノコギリを手に、竹やぶを切り拓きながら畑の復活に励んだ2人。そんななか、近くの移住者が主催したビオトープづくりのワークショップに参加したことで、大きな支えを得ることができた。

 「ワークショップ参加者のなかにパーマカルチャー(永続可能な農業を軸とした暮らし方や考え方)の先生がいて、相談したところ、わが家でもワークショップを開くことになったんです」(真希さん)

 敷地での竹炭づくりや畑の開墾をテーマにしたワークショップには多くの人が参加し、畑や庭の整備が格段に進んだという。

 「知り合いがいると心強いですね。教室に参加したり、飲みに行ったり、館山では人とのつながりが何より楽しいんです」と語る盛さん夫妻。彼らの二拠点生活は、まだ始まったばかりだ。

竹炭ワークショップや友人たちの協力でだいぶ減った敷地内の竹だが、まだまだ気は抜けない。春に向けて畑との境界を夫婦2人で開墾している/千葉県館山市
竹炭ワークショップや友人たちの協力でだいぶ減った敷地内の竹だが、まだまだ気は抜けない。春に向けて畑との境界を夫婦2人で開墾している。

もとは水田だった畑ではサトイモが大きく育った。盛さん夫妻のこだわりは自然農。自分の手で栽培することで「自然の食べ物のおいしさに改めて気づきました」(大介さん)/千葉県館山市
もとは水田だった畑ではサトイモが大きく育った。盛さん夫妻のこだわりは自然農。自分の手で栽培することで「自然の食べ物のおいしさに改めて気づきました」(大介さん)。

安房神社が家のすぐ近く。「小さな山があって麓には海が広がっている。自然の循環が感じられる土
地です」(真希さん)/千葉県館山市
安房神社が家のすぐ近く。「小さな山があって麓には海が広がっている。自然の循環が感じられる土地です」(真希さん)。

 

盛さんの二拠点LIFE!

◆滞在頻度と滞在期間
互いの仕事の都合にもよるが、月に3〜4回の頻度で2〜3泊滞在するのが定番。長いときは10泊したこともあるという。

◆移動手段
自動車を使用。船橋市のマンションからは1時間30分くらい。近くに館山駅があり、公共交通機関で来られるのも便利。現地で気軽に使えるよう、敷地内に軽自動車を1台置いてある。

◆二拠点LIFEへのアドバイス
「 現地に知っている人がいると心強いですよ。今風にSNSでつながってもよいですし、ワークショップに参加したり、地元の飲み屋さんに行っても知り合いは増えます。『Le‘ts Begin!』(とにかくやってみよう!)の精神で、新しい一歩を踏み出してみてください。留学中の高校生の息子が独立したら、今の仕事を辞めて、新たな暮らし方を考えたいと思っています!」

 

館山市の移住の問い合わせ
市とNPOが連携して移住をサポート! 海あり山ありの館山で多彩な暮らしを

10の地区に分かれた館山市。海・山・市街地など、地区ごとに環境や地域性が異なるので、ライフスタイルや好みに合わせた暮らしが実現可能だ。市ではNPO法人おせっ会と連携し、移住前から移住後までていねいにサポート。移住関連のイベントやセミナーも多く開催している。「渚の駅 たてやま」内の渚の博物館では、月~土曜に移住相談窓口を開設。各種支援策や仕事、住まいなどへの相談に対応している。

問い合わせ/商工課 ☎︎0470-22-3136
問い合わせ/NPO法人おせっ会 ☎080-9521-0690(月~土曜9:00~16:00) 
https://osekkai.org/

 

南欧風の駅舎が印象的な館山駅。駅から海を望むことができ、関東の駅百選にも選ばれている/千葉県館山市
南欧風の駅舎が印象的な館山駅。駅から海を望むことができ、関東の駅百選にも選ばれている。

館山湾に面した北条海岸は、海の向こうに雄大な富士山がそびえる絶景スポット/千葉県館山市
館山湾に面した北条海岸は、海の向こうに雄大な富士山がそびえる絶景スポット。


「なんでもできる過ごしやすい館山、ぜひお越しください!」(NPO法人おせっ会 代表・八代健正さん)

 

文・写真/阪口 克 写真提供/館山市

 

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  • この家で初めて仕込んだ手づくりの醤油と味噌。以前から無農薬無肥料の野菜栽培や米づくりに興味があった真希さんは、農作業の講座などに積極的に通っていた/千葉県館山市
  • 盛さん夫妻が二拠点居住を始めるきっかけとなっ た武藤さんの海の見える家。お互いに家の修繕など で助け合い、夜は一緒に酒を酌み交わす仲だ/千葉県館山市
  • 竹炭ワークショップや友人たちの協力でだいぶ減った敷地内の竹だが、まだまだ気は抜けない。春に向けて畑との境界を夫婦2人で開墾している/千葉県館山市
  • もとは水田だった畑ではサトイモが大きく育った。盛さん夫妻のこだわりは自然農。自分の手で栽培することで「自然の食べ物のおいしさに改めて気づきました」(大介さん)/千葉県館山市
  • 安房神社が家のすぐ近く。「小さな山があって麓には海が広がっている。自然の循環が感じられる土 地です」(真希さん)/千葉県館山市
  • 南欧風の駅舎が印象的な館山駅。駅から海を望むことができ、関東の駅百選にも選ばれている。
  • 館山湾に面した北条海岸は、海の向こうに雄大な富士山がそびえる絶景スポット/千葉県館山市

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