サーフィンや釣り、SUPなど、海辺の暮らしは楽しみがいっぱいです。海辺の暮らしを満喫している先輩移住者たちの声をお届けします。ただ、海の近くの物件は購入の際に注意が必要です。後半では、物件を購入する際に注意すべきポイントもご紹介します。
掲載:2025年9月号
CONTENTS
海の恵みがたくさん! 晴れてても曇りでも雨でも見ているだけで幸せです
長崎県西海市(さいかいし)
原田 和豊(はらだかずとよ)さん、愛(あい)さん
釣りが好きで中古のプレジャーボートを購入。宿の夕食には釣ったばかりの魚料理が並ぶ。
釣りが趣味の原田さん夫妻は、大村湾の小さな入り江に面した家へ2003年に移住。愛さんの強い希望で、改修して漁家民宿「小さな海から…」を開業した。火災で全焼というアクシデントも近所の人やお客さん、友人たちの応援で乗り越えた。家から海が見渡せ、カヤックや釣りを楽しむことができ、ときにはイルカが泳いでいるのも見えるという。
大村湾の入り江に面した「小さな海から…」。海が近いといっても、これほどの近さの家は希少だ。https://chiisanaumi.com
仕事の合間に波の様子を見ながら気軽にサーフィンへ! 歩いて行ける海岸は気分転換に最適です
高知県室戸市(むろとし)
河合英治(かわいえいじ)さん
「サーフィンができる海に近いことが移住先の条件でした」と河合さん。
サーフィンが趣味の河合英治さんは、海のある暮らしを求めて2019年に東京から高知県室戸市へ。世界ジオパーク認定の大自然と、空海ともゆかりのある歴史・文化、そして豊かな食が身近に揃う環境に強くひかれたそう。現在は、海のそばでのゲストハウス運営や加工品の製造・販売をする傍ら、市内外でのサーフィンを楽しんでいる。
古民家ゲストハウス「スカイアンド シー・ムロト」。https://skyandsea.jp/
休日には自分の船で釣りに出たり知人の遊漁船で小豆島方面へ足を延ばしたり。釣果は店でも提供しています
岡山県備前市(びぜんし)
宗岡良二(むねおかりょうじ)さん、尚美(なおみ)さん
海近物件で食事処を開いた宗岡さん夫妻。https://sites.google.com/view/bizen-kai
愛知県で居酒屋を営みながら、「将来は海の近くで釣りをしながら暮らそう」と考えていた宗岡さん夫妻。海や山の幸がおいしい岡山県備前市が気に入り、海近物件を見つけて2022年に移住した。まもなく開業した「和食処かい」は、岡山県の千屋牛(ちやぎゅう)をメインに、近くの漁港で仕入れる魚介も使ったランチが好評。
自宅から徒歩約5分の漁港に小型船を係留。いつでも気軽に2人で釣りへ。
海も山もどちらも楽しめるので自然のなかで子育てできます! 朝のサーフィンが日課です
千葉県勝浦市(かつうらし)
齋藤祐之介(さいとうゆうのすけ)さん、侑奈(ゆうな)さん
波が穏やかで透明度の高い鵜原(うばら)海水浴場で。善之介(ぜんのすけ)くんも優愛奈(うあな)ちゃんも波打ち際を楽しそうに遊ぶ。
子どもをのびのびと育てたいと、夏は涼しく冬は暖かい勝浦市へ2020年8月に移住。海から車で10分ほどの場所に物件を見つけ、自分たちで改修して飲食店&キャンプ場「BLACK RAMS(ブラック ラムズ)」を開業した。祐之介さんは、毎朝、サーフィンを楽しんでから仕事に。子どもたちも浜辺で遊ぶのが大好きだという。
「BLACK RAMS」のキャンプ場は、遊具や看板などは祐之介さんの手づくり。隣のキッチンカーでは特製のブリトーを販売。
https://www.blackrams.online/
文/笹木博幸、水野昌美 写真/笹木博幸、樋渡新一、鈴木千佳
海辺の物件を購入する際のポイント
海のそばで暮らしたい、と夢見る都会の人は少なくありません。ただ、地域によって地形も楽しみ方も大きく異なります。海辺ゆえの災害リスクや塩害などもありますので、物件を購入する際に注意すべきポイントを整理しておきましょう。
Point1 岩場か砂浜か、地形を選択
海辺の地形は大きく分けて、伊豆半島のように岩場が連なる海岸、千葉の九十九里浜のように平坦な砂浜が続く海岸の2種類があります。岩場は海の眺めが良好ですが物件価格は高め、砂浜は釣りやマリンスポーツを楽しむには好都合ですが海を眺めるには不利です。あなたが理想とする海辺の暮らしに応じて、どちらかを選びましょう。
Point 2 漁村に向く人・別荘地に向く人
地元の人と交際するなら漁村の物件、人付き合いを避けて暮らしたい人は別荘地の物件がオススメ。 漁村の物件はやや数が少ないものの、自治体の空き家バンクが定着してから探しやすくなりました。 別荘地の物件は不動産業者ルートから探すのが有力で、物件タイプは中古別荘以外にリゾートマンションという選択肢もあります。
Point 3 自然災害のリスクも考慮
海の眺めを重視するなら高台の物件が有利ですが、台風が来ると強風にさらされやすいというリスクがあります。海岸線の近くは海釣りやサーフィンなどを楽しむにはオススメですが、低気圧による高潮の影響を受けやすいというリスクがあるのも事実。その対策も含めて、地元の人から自然環境の情報を収集することが大切です。
Point 4 塩害について
海辺の暮らしで避けられないのが塩害。多量の塩分を含む風や高潮によって、建物外部や室外機などが錆びついてしまう現象です。鉄やアルミでできた製品や金具の使用をなるべく避け、定期的に水洗いするなどのメンテナンスが不可欠です。
Point 4 駐車場所の有無を確認して
これは特に平坦地が少ない岩場の海岸線付近でいえることですが、接面道路や敷地が狭くて駐車できない物件は少なくありません。その場合、近くに借りられる駐車場や空き地の駐車スペースの有無を、物件見学の段階で確認しましょう。
文/山本一典
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