焚き火は薪の樹種による燃焼特性はもとより、薪をどういった形で組み合わせるかによって、燃え方や火持ちが大きく変わる。その原理やパターンを覚えることで、目的に応じて火を自在にコントロールできるようになり、焚き火の楽しみ方が一気にレベルアップする。樹種による燃焼特性の違いについては別記事を参照いただくとして、ここでは薪の組み方について説明したい。
薪の組み合わせ方は、どんな火が欲しいかによって変わってくるが、先人たちの経験によって焚き火の目的に合わせて定番となった型がいくつもある。いずれも燃焼の3要素(可燃物・酸素・熱)に基づいた理にかなったものだ。
大きな火を焚きたいときは薪を立ち上げる。熱を逃がさないようにしつつ空気をたくさん取り込めるように組み、やり方によっては上昇気流を発生させることもできる。
火を長持ちさせるには、ゆっくり燃えるように熱を薪の1点に集中させ、料理には燠をたっぷりためやすくレイアウトする。
ここでは最も基本的な組み方を紹介するが、自分なりのアレンジを加えるのもよい。薪の組み方に決まりはないのだ。
【ティピー型は炎が美しい】
【並列型は料理向き】
【井桁型はキャンプファイア】
【インディアン型は火持ちがいい】
【雨の日の薪の組み方】
雨が降っているときにわざわざ焚き火をする人は少ないと思うが、焚き火をしている途中で急に雨が降り出すことはある。薪が濡れると、熱量が落ちて燃焼を維持できなくなるので、焚き火に屋根をかけて、薪が濡れるのを防いでやろう。井桁型に薪を組み、最上段を薪ですっぽり覆ってしまうのだ。この組み方は濡れた薪を乾かすときにも有効だ。
文/和田義弥 写真/阪口 克
この記事のタグ
田舎暮らしの記事をシェアする