掲載:2021年11月号
寒さに当たって甘味を増すホウレンソウは、晩秋から春先まで長く収穫できる野菜です。穫れはじめの「走り」の時期はやわらかく、ベビーリーフ感覚で生でも食べられます。「盛り」の時期からは、ゆでて水にさらしてえぐみを抜きますが、葉も厚くなり食べ応えが出てきます。季節とともに変化する野菜の風味を、食べて感じて料理に活かすのは、家庭菜園ならではの楽しみです。
ポパイサラダ
材料 ※3~4人分
○ホウレンソウ*… 200g
*えぐみのない生食できるもの。えぐみには酸素供給を阻害する成分が含まれる。水溶性なので、葉をかじってえぐみを感じたら、ゆでたり水にさらしてから食べてください。
○赤タマネギ…小1/2個
○ベーコン…3枚
○ドライトマト… 20g
○ニンニクすりおろし…2かけ分
○オリーブ油…大さじ2
○醤油…大さじ2
○すし酢…大さじ2
○松の実…大さじ1
○黒コショウ…少々(お好みで)
つくり方
❶ ホウレンソウは長さ3~4㎝、赤タマネギは薄切りにして水に放ち、ザルにあげておく。
❷ ベーコンは短冊切り、ドライトマトは細切りにする。
❸ フライパンにオリーブ油とベーコンを入れて弱火にかけ、ベーコンがこんがりしてきたらニンニクすりおろしを入れて香りを出す。醤油、すし酢を入れて煮立たせる。
❹ 器に①を盛り、③を熱いうちにかけ、松の実とドライトマトを入れて全体を和える。お好みで黒コショウをかけても。
ホウレンソウとタマネギの湯葉和え
材料 ※2人分
○ホウレンソウ… 80g( ゆでたもの)
○生湯葉…4~5枚
○シメジ…1/4株
○タマネギ…1/4個
○めんつゆ…大さじ1と1/2
○酒…大さじ1
○水… 50mL
つくり方
❶ ゆでたホウレンソウは長さ3~4㎝に切る。生湯葉は短冊切りにする。
❷ シメジは石づきを取ってほぐす。タマネギは薄切りにする。
❸ 鍋にめんつゆ、酒、水を入れて中火で煮立たせ、②を入れてさっと火を通し、火を止めて冷ます。
❹ ③に①を加えて和える。
スパニッシュオムレツ
材料 ※直径約20㎝のフライパン1個分
○卵…4個
○生クリーム…大さじ2
○とろけるチーズ… 30g
○ホウレンソウ…150g
○タマネギ…小1/2個
○ジャガイモ…小1個
○ベーコン(短冊切り)…2枚
○シメジ…1/4株(石づきを取ってほぐす)
○オリーブ油…大さじ3
○塩、コショウ…各少々
つくり方
❶ ボウルに卵、生クリーム、とろけるチーズを入れて混ぜておく。
❷ ホウレンソウは軽く湯がいて水気を絞り、長さ2~3㎝に切る。タマネギとジャガイモは薄切りにする。
❸ フライパンにオリーブ油大さじ1、タマネギ、ジャガイモ、ベーコン、シメジを入れ、中火でタマネギがしんなりするまで炒める。
❹ ③にホウレンソウを入れてさっと炒め、塩、コショウを振る。
❺ ①に④を加えて混ぜる。
❻ 再びフライパンを中火で熱し、オリーブ油大さじ2を入れて⑤を流し入れる。
❼ 箸で全体を大きく混ぜながら、半熟の状態になったら、フタをして3分ほど焼く。
❽ 焼き色がついているのを確認したら、皿などを使ってひっくり返し、両面を焼く。
ホウレンソウの台湾風カステラ
材料 ※直径15㎝のボウル1個分
○小麦粉…100g
○ベーキングパウダー…小さじ1(アルミフリー)
○ホウレンソウ… 50g(葉の部分のみ80gくらいをゆでて絞る)
○卵…2個
○砂糖… 50g
○植物油…大さじ2
○ハチミツ…大さじ1
つくり方
❶ ボウルに小麦粉とベーキングパウダーを入れ、泡だて器でざっと混ぜておく。
❷ ミキサーにゆでたホウレンソウ、卵、砂糖、植物油、ハチミツを入れてピューレをつくる。
❸ ②に①を混ぜ合わせ、オーブンシートを敷いたボウル(電子レンジ対応)に流し入れる。
❹ 500Wの電子レンジで様子を見ながら3~5分加熱する(または蒸気の上がった蒸し器に入れて中火で25分ほど蒸す)。竹串を刺して生地が付いてこなければ出来上がり。
季節に合わせて味わい深く、赤い根っこがおいしい
ホウレンソウは間引き収穫から始まります。丈が10cmほどまでは、少し水にさらしてサラダにしたり、味噌汁に生のまま散らしたり。自然菜園で育てると、えぐみが少なくなります。「走り」の時期なら品種を問わず生食も楽しめます。生食には、品種改良されたサラダホウレンソウも市販されています。
寒さが深まるにつれてホウレンソウの甘味が増してきます。特に甘くておいしいのは根っこなので、赤く太い根もいただきます。収穫は日の高いうちに。午後、日が傾いてから穫るとえぐみが出やすいです。
冬のタマネギは、初夏の新タマネギのようなみずみずしさはないですが、甘味辛味が増して、火を通すとうま味たっぷり。ホウレンソウとは栽培だけでなく、料理でも相性は抜群です。
レシピ・監修/竹内裕子
たけうち・ゆうこ●長野県安曇野市でエコ菜園の教室を開く竹内家の主婦。野菜を生かした料理やお菓子が、自然菜園スクール生に大人気。病院での管理栄養士、有機栽培農家での料理番などの経験も生かし、四季折々の旬の野菜を毎日おいしく食べられる工夫を探求中。「市販されにくい日本ホウレンソウは、家庭菜園ならではのごちそう。冬の深まりとともに、甘味が増していくのが待ち遠しいです」。
文/新田穂高 写真/村松弘敏
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