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田舎暮らしの本 1月号

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田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

ズッキーニ&タマネギ/自然菜園で育てるキッチンガーデン【第16回】

掲載:2021年7月号

春蒔き夏穫りのほか、タマネギ収穫後の夏蒔きもオススメ

育てやすくおいしいズッキーニ。生育が早く、5月に植えると夏の最初に穫れるうれしい果菜(かさい)です。さらに7月に種蒔きすると秋にもフレッシュなズッキーニが楽しめます。いちばんのコンパニオンプランツはタマネギ。初夏の収穫から晩秋の植え付けまで、タマネギ連作の空いた期間に7月蒔きのズッキーニをリレーして育てると、それがタマネギ植え付けの準備にもなります。

イタリアの固定種・コスタータロマネスカはしま模様が特徴の味のよいズッキーニ。

 

秋穫りのズッキーニをタマネギとの交互連作で

 ズッキーニはキュウリに似ていますが、つるなしカボチャの一種で「ペポカボチャ」に分類されます。日本で古くから栽培される金糸瓜(きんしうり、 別名そうめんかぼちゃ)も同じ仲間です。イタリア料理やフランス料理でよく使われ、国内では1980年代に広まり、今ではポピュラーな野菜になりました。完熟果を食べるほかのカボチャとは異なり、開花後5〜7日の若穫りした未熟果を食べます。

 ズッキーニは親づるが1.5〜2mほどに伸びるだけなので比較的場所をとらず、育てやすいです。コツを知れば、実が溶けたり、大きくなり過ぎることもなく、ちょうどよい実がたくさん穫れます。

 5月定植または4月〜5月の直蒔き夏穫りが一般的ですが、7月蒔きすると秋にもフレッシュでおいしいズッキーニが穫れます。7月蒔きは特にタマネギの後地がおすすめです。ズッキーニの収穫を終えた後、タマネギを無肥料で植え付け、毎年同じ畝で休まずにズッキーニとタマネギの交互連作ができます。

 

品種選びのアドバイス

家庭菜園には固定種がおすすめ! 複数品種の個性を味わうのも楽しみ

家庭菜園には次々に実がなり収量の多いF1品種よりも、実付きがそこそこで、うどんこ病に比較的なりにくく、味のよい固定種がおすすめです。品種によって食味はさまざま。それぞれにおいしい食べ方があります。畑に余裕があれば、いくつかの品種を試してみるのも楽しみです。

 

コスタータロマネスカ(上の写真参照)

イタリアの伝統品種。コリッとして味がよい。大きな花を花ズッキーニとしても食べられる。

 

ゴールドラッシュ

きれいな黄色い実がたくさん穫れる固定種。みずみずしい食味で、ラタトゥイユにするとトマトの赤との色みも楽しめる。

ゴールドラッシュは、育てやすく次々に実を付ける。

 

ブラックビューティー

育てやすい固定種。みずみずしく、若穫りをスライスして塩もみや、漬物にしてもおいしい。

ブラックビューティーは、小さめで穫ると生でも楽しめる。

 

ズッキーニの主なコンパニオンプランツ

タマネギの収穫と植え付けの間にズッキーニを育てて、お互いの生育を助ける

タマネギ

効果

畝(うね)の水はけをよくするとともに病虫害を予防して、後作(あとさく)のズッキ ーニがよく育つ。ズッキーニの後にはタマネギを無肥料で植え付けできる。

栽培のポイント

タマネギ収穫後にズッ キーニを夏蒔きし、これを収穫した後、タマネギを植え付けて交互連作する。タマネギの栽培適期を優先し、間作として夏蒔きのズッキーニを育てるのがコツ。

収穫のポイント

畝の7~8割の茎が倒 れたら、晴れが続いて土が乾いた日に一 斉収穫する。

自分で育てたタマネギの苗は、植え付け直前に掘り取る。購入苗は、できるだけ新しいものを求める。

 

葉ネギ

効果

ズッキーニのつる割れ病を防ぐ。

栽培のポイント

ネギクラツキのネギは、ズッキーニの種蒔き時には刈り、定植時には植え替える。そのまま育てるとズッキーニがネギに負けてしまう。

収穫のポイント

根元を残して葉をハサミで切り穫る。

葉ネギは、葉を刈って収穫すると、再生して繰り返し収穫できる。

 

ナスタチウム

効果

アブラムシなどの虫害を避ける。

栽培のポイント

ズッキーニの種蒔きまたは定植と同時に、株間に1株を植え付ける。

収穫のポイント

エディブルフラワー(食用花)として利用。花の付け根や葉にはワサビのような辛味があり、少量を薬味のように使ってもよい。

ナスタチウムはキンレンカとも呼ばれ、花も葉も食べられる。

 

エダマメ

効果

エダマメの根に付く根粒菌が空中の窒素を固定し、土中に菌根菌のネットワークが発達してズッキーニの養分吸収を助ける。

栽培のポイント

ズッキーニを植え付ける1週間前 、畝の通路側に1カ所3粒ずつ種蒔きする。

収穫のポイント

ズッキーニの収穫が本格的になる前に、エダマメを収穫する。

コンパニオンプランツには草丈の低い極早生または早生種のエダマメを選ぶ。

 

ズッキーニ⇔タマネギの配置例

収穫や片付けと同時に植え付け、お互いに間を置かず連続して育てる

 タマネギを抜き穫ったら間を置かず、抜いたところを一斉にズッキーニを種蒔きまたは定植する。場合によっては、タマネギの収穫前に一株早穫りし、そこにズッキーニを種蒔きしてもよい。

 風通しが悪いとうどんこ病やカビが発生しやすいため、株間は充分に空ける。茎が1~1.5mに伸びて這うので畝幅が狭いなら畝の片側に植え、空いた方向に育てる。

 秋はズッキーニを早めに終わらせ、その後地にタマネギを植え付けて草マルチを敷く。刈り取ったズッキーニの株は刻んで草マルチとしても活用する。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『とことん解説! タネから始める 無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜 』( 洋泉社) 、『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』『自然菜園で育てる健康野菜』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

 

 

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