どんどん獲って長く収穫 キュウリ& つるありインゲン
掲載:20年7月号
穫れたてのキュウリはみずみずしく、畑のおやつにも最高です。
おいしいキュウリを長期間収穫するにはポイントがあります。
相性のよい野菜と混植して病害を抑え、 草マルチで根の乾燥を防ぎ、高温障害を和らげましょう。
早め早めの収穫で根の勢いを保って、 シャキシャキとおいしい実を味わってください。
飛び節成(ふしな)り性品種は生育旺盛 混植で病虫害を防ぐ
(↑自然菜園のキュウリには育てやすくておいしい品種を選ぶのがコツ。バテシラズ2号もその1つ。)
胡瓜(きゅうり)の胡(こ)は、西方諸民族のこと。
シルクロードを通って中国に伝わったキュウリは冷涼な華北と温暖な華南の2系統に分か れて渡来し、日本では平安時代には栽培されていました。
子づるが発達せず親づるに実が付く節成り性と、旺盛に伸びる子づるや孫づるに実が付く飛び節成り性とがあります。
無農薬栽培には根張りが強く、実と樹のバランスがよい飛び節成り性がおすすめです。
つる割れ病や根こぶ病、センチュウによる被害などに遭いやすく、これを防ぐにはコンパニオンプランツといわれる相性のよい野菜やハーブとの混植が欠かせません。
インゲンは根に共生する根粒菌や菌根菌がキュウリの養分利用を助け、生育をよくします。
ただしセンチュウ被害がある場合は増やしてしまうため、被害の見られる畑や市民農園での混植は避けましょう。
品種選びのアドバイス
育てやすい飛び節成り性で実のおいしい品種を探す
四葉(すうよう)キュウリ
飛び節成りで育てやすく、独特の歯切れのよい食感 がおいしいです。
特に漬物の味は抜群。固定種。
(↑イボが多い四葉キュウリ。日持ちしないが味は抜群。家庭菜園で育てたい品種。)
地這いキュウリ
完全な飛び節成りで、最初は実が付かず、後から長く収穫できます。
草マルチの上をカボチャのように這わせると風に強く、ほかのキュウリ同様に支柱を立てて上らせると収穫しやすいです。
わき芽が出やすく、直蒔きにも向きます。
(↑地這いキュウリは地面を這わせれば風に強く、収穫期が 台風シーズンにかかる夏 蒔 きキュウリにも向く。)
主なコンパニオンプランツ
タイミングよく混植して病虫害を避ける
つるありインゲン
効果
根に共生する根粒菌や菌根菌やキュウリの養分利用を助け、生育をよくする。
ただしセンチュウ被害のある畑での混植は厳禁。
栽培のポイント
同じ支柱を活用。同時に栽培するときは日射を妨げないよう、お互いの株間に植える。
前後のリレー栽培ならお互いの株元に蒔いて、キュウリのつると絡むように育ててもよい。
収穫のポイント
サヤインゲンで穫るなら、中に種ができないうちに、あんこや煮豆にする豆を穫るなら、サヤが枯れたら中身がカビる前に穫る。
(↑3~4粒ずつ種蒔きし、覆土、鎮圧したうえで草マルチで覆う。)
ネギ
効果
根の共生菌が出す抗生物質が、つる割れ病などのキュウリの病気を予防する。
栽培のポイント
キュウリの定植と同時に、1~2本を根鉢に沿わせて植え付ける。
収穫のポイント
収穫目的ではないが、よく育ったら抜かずにハサミなどで葉を切り取る。
監修/竹内孝功
たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『とことん解説! タネから始める 無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜 』( 洋泉社 ) 、『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。
WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/
自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/
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