温泉の源泉数も湧出量も日本一を誇る「おんせん県おおいた」。ベトナム出身の夫妻が選んだのは、大分県唯一の村で一島一村の姫島村(ひめしまむら)。穏やかな島時間とともに、村が大分県と推進するITアイランド構想が移住のきっかけになった。
スローライフを求めてITアイランドへ
瀬戸内海西端に浮かぶ周囲約17㎞の小さな島が姫島村。近年は「姫島ITアイランド構想」を推進し、IT企業を誘致してきた。その1つであるソフトウエア開発会社、株式会社Ruby開発で働いているのがラムさん。2019年に妻のエンさんと埼玉県から移住した。
「以前は往復約3時間の通勤が大変で、妻も都市生活にストレスを感じていました。私が得意なプログラミング技術を生かした仕事をしながら、野菜づくりを楽しみ、ゆっくり田舎で暮らしたいと思ったんです」
そう話すラムさんは、学生時代から好きだった大分県内で移住先を検討。そのときRuby開発主催のセミナーが姫島村で開かれることを知り、夫婦で訪れ、美しい海と山に囲まれた環境に一目ぼれした。
現在の通勤時間は徒歩7〜8分。夜は早めの夕食をとり、夫婦で海辺を散策するのが日々の喜びだ。週末には近くの畑で野菜を育てているほか、近所の人たちから野菜や魚をお裾分けしてもらうこともある。
「おいしい食べ物とインターネットがあれば不自由はありません。ネット環境は光回線が整備され、埼玉にいたときよりも通信速度が快適です。都会みたいにたくさんの人が使いませんから」
と、ラムさん。エンさんも住み心地のよさをこう語る。
「以前と比べて家賃や食費が半減しました。何より、ここでのんびり過ごす時間が気に入っています」
移住前は自然を求めて遠出していた2人だが、今は島内で充分に心が満たされるという。
大分県姫島村はこんなまち
姫島村は『古事記』などに登場する深い歴史と、日本ジオパークに認定された雄大な自然が魅力。漁業が基幹産業で、養殖の「姫島車えび」は全国的なブランド。大分空港から車で約40分の伊美港よりフェリーで約20分。
姫島村の頼れる“ミカタ”
【1日500 円でワーケーション】
「コワーキングスペース」
小学校の旧校舎を活用した姫島ITアイランドセンターに、1日1席500円のフリースペースと1日1室5000円のイベントスペースからなるコワーキングスペースを設置。リモートワークや観光を兼ねたワーケーション、企業のサテライトオフィスまで幅広く利用できる。建物1階には軽スポーツセンターを併設。
お問い合わせ先:水産・観光商工課
☎0978-87-2279
【姫島村移住支援情報】
「姫島村保育所」
姫島村では、妊婦健診交通費助成金や最大30万円の出産祝い金をはじめ、充実した子育て支援を実施。待機児童ゼロの姫島村保育所は、園児数が少ないことから異年齢交流が盛んで、地域の老人クラブや老人ホームと積極的に交流。時間外保育や一時保育に対応し、子育て支援センターの機能も兼ね備えている。
お問い合わせ先:住民福祉課
☎0978-87-2278
【姫島村の移住担当者よりみなさまへ】
島での新生活を応援します!
UIターン奨励金として、単身者には10万円、ご夫婦なら20万円、同居する子ども1人につき5万円を支給します。そのほか、中学生までの入院・通院費無料、村外の会社へ就業して通勤する場合の乗船券購入補助金など、多彩な支援を用意していますので、詳しくはお問い合わせください。
お問い合わせ先:企画振興課
☎0978-87-2282
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