掲載:2022年2月号
菜花は露地で春いちばんに穫れる野菜です。 サクラが咲く前、山菜が採れるよりも ずっと早く食卓に上ります。わが家では「菜花」として市販されている洋種ナタネのほか、 春まで畑に残してとう立ちしたコマツナやハクサイ、 カブなどアブラナ科の葉菜類の蕾も菜花としていただきます。野菜ごとに 少しずつ違った風味の菜花を味わえるのは、 家庭菜園ならではの楽しみです。
菜花のちらしずし
材料 ※4~5人分
○白米...2合
○黒米...大さじ5
【A】
昆布水(昆布10gを水1Lに1晩浸ける)... 200m L
水...200mL
○干しシイタケ...2個
○切り干し大根...25g
【B】
昆布水...200mL
めんつゆ...大さじ2
みりん...大さじ1
○菜花...150g
○すし酢...大さじ4
【 飾り用 】
○黄色い菜花の花...適量
○イクラ... 40 g
つくり方
❶ 白米をとぎ、黒米はとがずに入れる。 A に浸して1時間ほど置き(黒米の色がよく出る)、炊く。
❷ 干しシイタケはかぶるくらいのぬるま湯に浸けて戻す。軸は手でほぐし、 カサは薄切りにする。
❸ ②と切り干し大根、Bを鍋に入れ、汁けがなくなるまで煮る。
❹ 菜花はゆでて水けを軽く絞り、3~4cmの長さに切る。
❺ ①が炊き上がったら5分ほど蒸らし、すし酢を回しかけ、ご飯を切るようにして混ぜる。
❻ ⑤に③を混ぜて皿に盛り 、④の菜花と黄色い花 、イクラを飾る。
菜花と塩タラのコロッケ
材料 ※12個分
○塩タラ... 2切れ(約180g)
○酒...少々
○菜花...120g
○ジャガイモ...4個(約500g)
○コショウ...少々
○小麦粉...適 量
○バッター 液...適 量
(小麦粉約50gと水90mLほどを混ぜ合わせる)
○パン粉...適量
○揚げ油...適量
【タルタルソース】
○菜花...30g
○マヨネーズ...大さじ2
○すし酢...小さじ1 / 2
【飾り用】
○レタス...適量
つくり方
❶ 塩タラを小鍋に入れ、酒少々とひたひたの水を加えて中火にかけ、水けがなくなるまでゆでる。皮と骨を取り除き、身は軽くほぐしておく。
❷ 菜花(120gと30g)はサッとゆでて刻む。
❸ ②のうち30gはマヨネーズとすし酢と和えてタルタルソースをつくる。
❹ ジャガイモは蒸してつぶし、①と②の菜花120g、コショウを加えて混ぜ、ゴルフボールほどの大きさに丸める。
❺ ④に小麦粉を薄くまぶし、バッター液につけ、パン粉をまぶす。
❻ 180°Cの揚げ油できつね色になるまで揚げる。
菜花のナムル
材料 ※2人分
○菜花...100g
○卵...1個
○藻塩...少々
○ゴマ油...大さじ1
○ニンニクすりおろし...1/2個分
つくり方
❶ 菜花はゆでて3~4cmの長さに切る。
❷ 卵を溶きほぐし、藻塩を加えて混ぜる。
❸ フライパンを熱してゴマ油を入れ、②を入れて炒り卵をつくる。
❹ ①と③、ニンニクすりおろしを和え、藻塩で味を調える。
菜花と牛肉とタケノコの中華炒め
材料 ※2人分
○牛肉切り落とし...180g
○塩こうじ...大さじ1
○菜花...200g
○タケノコ水煮...150g
○シメジ...1/2株
○ゴマ油...大さじ2
○ニンニクすりおろし...1かけ
○酒...大さじ1
○オイスターソース...大さじ1と1/2
○コショウ...少々
つくり方
❶ 牛肉は塩こうじでもんでおく。菜花はサッとゆでて3~4cmの長さに切り、タケノコも3~4cmの長さの薄切りにし、ゆでておく。シメジは手でほぐす。
❷ フライパンを熱し、ゴマ油を入れ、タケノコとシメジをサッと炒めて一度皿に取り出す。
❸ 再びフライパンを熱して牛肉を入れ、ニンニクすりおろしを入れて炒める。牛肉に火が通ったら②を戻し、菜花を加えて炒める。酒、オイスターソースを入れ、コショウを振る。
アブラナ科の葉菜を多種類 異なる菜花の風味を楽しむ
菜花は花が咲く直前の蕾の状態で収穫するのがいちばんおいしいです。花も食べられますが、穫り遅れると茎が硬くなってしまいます。茎の先のやわらかい部分を欠き取ると、わき芽が伸びて次々に収穫できます。家庭菜園で、春先のサクラの花の時季まで、多種類がどっさり穫れるのが菜花です。
早くから小さな蕾を付けるミズナやミブナ、そしてカブはほろ苦い味。春先のからだを目覚めさせてくれます。少し後に出てくるのがコマツナ。茎が太く甘味が強いのはハクサイやタアサイ、くせがなく食べやすいのらぼう菜。これらは和え物にも向きます。野沢菜の菜花は信州でマヨネーズ和えが人気です。いずれも最初に穫るものほど太めでコクがあり、後になると細くなり苦味が強くなります。
レシピ・監修/竹内裕子
たけうち・ゆうこ●長野県安曇野市でエコ菜園の教室を開く竹内家の主婦。野菜を生かした料理やお菓子が、自然菜園スクール生に大人気。病院での管理栄養士、有機栽培農家での料理番などの経験も生かし、四季折々の旬の野菜を毎日おいしく食べられる工夫を探求中。「寒さの厳しい信州では、しばらく新鮮な野菜がありません。ウメの花が 咲き、菜花が穫れはじめるとようやく春。新しいシーズンのスタートです」。
文/新田穂高 写真/村松弘敏
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