空き家バンクと不動産業者の違い。物件探しのポイント
■空き家バンクのメリットとデメリット
空き家バンクとは、自治体が物件の所有者と利用希望者の間に入って空き家を紹介する制度。基本的に自治体(もしくは地域)の空き家バンクHPの情報が最新で最多なのでまめにチェックすべきだが、全国版も便利だ。国土交通省が選定した2事業者のサイト「at home 空き家バンク」「LIFULL HOME'S 空き家バンク」から全国の空き家情報が簡単に検索できる。
空き家バンクのメリットは、賃貸物件や価格の安い売買物件が手に入りやすいこと。デメリットは自治体の担当者が不動産の知識を持ち合わせているわけではなく、取引は基本的に当事者の自己責任になること、などだ。
■不動産業者のメリットとデメリット
民間の不動産業者に頼るメリットは、細かな対応を期待できること。宅地建物取引業は免許事業で、宅地建物取引士が契約前に物件や取引に関する重要事項説明をする決まりがある。売買では抵当権や相続など複雑な権利関係も絡んでくるが、不動産業者はその扱いにも慣れている。デメリットは都市部を除いて、賃貸物件が少ないこと。地方では仲介手数料が極端に低いので、不動産業者は扱いたがらないのだ。
なお、不動産業者の取り扱い物件を空き家バンクで紹介している自治体もある。この場合は仲介手数料が必要になるが、通常の不動産取引と同じ流れになる。
■田舎家のチェックポイント
建物の見学で、特に注意を要するのは基礎部分と屋根。基礎に大きなひび割れや損傷が見えたら、地滑りや地盤沈下の疑いもある。屋根は瓦が壊れていたり、トタンが全体的に錆びていたりする場合は、雨漏りの可能性がある。慎重を期すなら、いずれも避けたほうが無難だ。
建物内部ではまず、床の状態をチェックする。歩くとたわむ家は、床下から手を入れなければならない。田舎のトイレは、汲み取りも少なくない。水洗化は可能だが、50万円以上の費用はかかる。台所や風呂などの水回りも、傷みやすいところ。業者が扱う物件なら、補修費用の大まかな見積もりを出してくれるので安心だ。
■売地と周辺環境のチェックポイント
田舎の売地は傾斜地を含んでいるものが少なくない。人間が使える有効面積が少ない土地は、利用価値が下がる。自分の目と足で確認することが大切だ。登記簿の地目と現況が異なっている物件も少なくない。それを確認しないと、農地法の制限を受ける場合もあるので要注意。
俗に迷惑施設と呼ばれるものがある。産業廃棄物処理施設、養豚場、養鶏場などだが、風向きによっては悪臭が漂ってくる場合もある。物件見学ではせめて半径300mくらいの周辺環境は自分でチェックしたい。逆に、病院やスーパー、学校など移住者が必要とする生活関連施設もある。物件見学時に自治体の担当者や地元の人から情報を収集しよう。
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