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田舎暮らしの本 1月号

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田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

東京の実家との二拠点生活を実践。消費中心の暮らしからの幸せな転換【長崎県長崎市】

新型コロナウイルスの感染拡大を機に田舎暮らしを始めた山田海人さんは、東京生まれの東京育ち。都心部をふるさととして持っているため、「脱東京」による地方への移住は、それまでの価値観が大きく転換するきっかけになったようだ。

掲載:2023年3月号

長崎県長崎市の風景
長崎県長崎市(ながさきし)
長崎県南西部に位置する県都。人口約40万人の中核市。市中心部は三方を山に囲まれたすり鉢状で、多くの住宅が斜面にある「坂のまち」として知られる。九州新幹線開通など都市部で「100年に1度」と称される変革が進行中。JRでは博多駅から約1時間20分、急行バスでは博多から約2時間30分。

リモートワークの風に乗り、妻のふるさとへ移住を決断

長崎港の港口にかかる女神大橋(ヴィーナスウィング)を背景に
長崎港の港口に架かる女神大橋(ヴィーナスウィング)を背景に、笑顔を見せる山田さん一家。

 

「『脱東京』がもたらしたものは」との問いに、きっぱりと答えた。

「価値観の転換。これが私にとっての脱東京です」

 コロナ禍を背景に普及したリモートワークを追い風に、生活拠点を東京から地方に移す動きが加速したが、東京都世田谷区出身で、都内の通販会社でマネージャーを務める山田海人(やまだかいと)さん(39歳)もその流れに乗った1人だ。

 海人さんは2021年4月、妻・彩(あや)さん(45歳)と長男・凜(りん)くん(9歳)の家族3人で、彩さんの故郷である長崎市へ移住。彩さんが、ふるさとへのUターンを「結婚前からよく口にしていた」ことを背景に、勤務先がテレワークを導入したことを機に決断した。

 海人さんが選択した働き方は東京と長崎の二拠点生活。会社側と話し合いを重ねた結果、長崎を生活の拠点としつつ、ひと月に1週間は東京で過ごしリモートワークでは対処が難しい業務に従事するスタイルを採用している。

 気になるのがもろもろの経費だが、都内に実家がある強みを生かし、実家に宿泊するなどして経費を抑えている。

 この働き方のメリットについて、海人さんは「リモートワークにより東京の給与水準を維持したまま長崎で働くことができる」と指摘する。

 元来、インドア派だが、長崎で暮らすようになってからは「アウトドアが本当に楽しくて、長崎に来てよかった」と幸せをかみしめる日々。釣りやキャンプの楽しさに目覚めたほか、22年に入ってからは登山がマイブーム。疲れは最近、凝っているというサウナで癒やしている。

自宅でテレワーク
自宅でテレワークをする山田海人さん。運動不足を避けるため、ジョギングなどの運動も欠かさない。

自宅から車で数分の距離にある日帰り温泉
自宅から車で数分の距離にある日帰り温泉。ここのサウナに足しげく通う。

「東京では、登山にしろ釣りにしろ、その場所に行くだけで相当、時間もかかってしまうが、いまは数十分で気軽に行くことができる場所がたくさんある」と海人さん。アウトドアの際には、凜くんがふだん口にしないような話をしてくれることもあり、親子コミュニケーションの醸成にも一役買っているという。

 脱東京により、海人さんが大きく変化したと感じているのが、自らの価値観だ。

「遊びに出かけたり、おいしいものを食べたり……。東京は、暮らしを楽しむのにお金が必要なことが多く、消費中心の生活です。でも、地方は決してそうではない」ことに気がついたという。

「地方は楽しみ方が人それぞれ。豊かな自然に親しんだり、仲間と大切な時間を過ごしたり、ものづくりを楽しんだり、新しいことを始めたりするなど、お金がたくさんなくても楽しくて有意義な暮らしが送れることを知りました」と海人さん。東京生まれ東京育ちとして、当たり前だと思っていた価値観が、もっと多様であることに気がつくことができた。

 大満足の田舎暮らしだが、少し気になっているのは、長崎の人がよく「長崎には何もない」と口にすること。

「そんなことないのに、っていつも思うんです。何を求めているのかは確かに人それぞれではありますが、この街にはいいものがたくさんあるし、もっとたくさんの人に長崎のよさを知ってほしいなと願っています」

キャンプもよく楽しんでいる
キャンプもよく楽しんでいる。焚き火の扱いも上手になった凜くん。彩さんの姉夫婦と一緒に行くことも。

長崎市神ノ島町(かみのしままち)で釣りをする
長崎市神ノ島町(かみのしままち)で、凜くんと釣りをする山田さん。親子のコミュニケーションの場にもなっているとか。

山田海人さんにお聞きしました!

Q脱東京してよかったこと

アウトドアを中心に、趣味が増えました。釣り、登山、キャンプ、ランニング、サウナと多岐にわたり、道具は増える一方です。山には月1回ぐらいのペースで登っていますが、数100m程度の低い山が中心。一から自分の足で登ります。長崎市内のある山頂から市内を一望したときは本当に感動しました。

Q東京時代と比べて 大きく変わったこと

仕事面では、会社の仲間と会う頻度が減ったので、積極的にコミュニケーションを図ることを心がけています。移住前は、コロナ禍でも週一回は会っていましたが、その機会もなくなってしまったので。オンライン会議システムで打ち合わせをする際に雑談する程度ですが、やはりコミュニケーションは大切だと考えています。

 

長崎市移住支援情報
市中心部近隣にも豊かな山や海。東京圏対象の移住支援策も用意

 100年に1度といわれる進化のときを迎えている長崎市。西九州新幹線も開業するなど「まちの形」が変化している。市中心部近隣のエリアには海や山などの自然もあり、いろいろなライフスタイルを実現できる。移住支援制度としては、東京圏からの移住者を対象とした移住支援金や県外からの子育て世帯を対象とした補助金などを用意。
問い合わせ:ながさき移住ウェルカムプラザ ☎︎0120-301-801
長崎市移住定住サポート(公式ホームページ) (nagasakijin.com)

崎市の夜景
「世界新三大夜景」に選出された長崎市の夜景。

漁獲量長崎市は、漁獲量全国2位、魚種は全国1位
漁獲量全国2位、魚種は全国1位と魚介に恵まれたまち。新鮮な魚を味わえる。

長崎市移住支援室
「長崎で皆さんにお会いできることを楽しみにしています!
ぜひ長崎へお越しください!」(長崎市移住支援室の森 健太さん)

 

文・写真/竹内 章 写真提供/山田海人さん

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