田舎でのお悩みを、田舎暮らしのベテランライターが回答。今回は、土地の私道負担についてお答えします。
20年前、古い別荘地を取得。定年になり、田舎暮らしをしたいと考えるようになりました。久しぶりに現地を訪ねたら、5区画のうち3区画に家が建っていました。私の土地は120坪ですが、実際に測ると100坪くらいしかありません。昔の物件資料には「396㎡(私道負担あり)」と書かれており、敷地と少し離れたところに私名義の道路があるようです。この離れた土地について教えてください。
三重県在住 窪田さん●60歳
私道負担の売地は、広告にも決まりあり
昔は、物件概要に目を通さないで買う人が多かった。土地を投機の対象と見ていたからだが、建築する場合は、私道に面した物件はトラブルの原因になりやすい。広告で「396㎡(私道負担66㎡)」または「330㎡(別途に私道66㎡)」などと記す決まりになっているのは、私道込みの面積を私道抜きの面積と勘違いしたり、面積の表示の抜け落ちなどが起きないようにするためだ。
私道負担のある田舎物件を買う人は、自分がきちんと納得できるまで宅地建物取引士の重要事項説明を聞くことが大切になってくる。
ミニ分譲地で私道負担が必要になるケースは珍しくない。物件概要を詳しく調べたい。
分譲地の私道負担は2つのパターンが
購入した土地に私道が含まれていたら、それは自分のものだから勝手に使っていいと考えがち。しかし、私道を敷地として使うことはできない。あくまで道路なのだ。下の図で説明しよう。敷地が私道に食い込んでいたら、その部分の土地を負担すればいいだけの話。それが分譲地の場合、話が少し複雑になる。通常は、次の2パターンがある。
1つは私道全体を共有する一番下の図のやり方で、それぞれが数分の1ずつ持ち合う。道路は使っているうちに傷んでくるので、維持管理のために分担金を集め、補修費用に充てるケースも少なくない。
もう1つは私道部分をそれぞれが提供し、お互いに所有する方法。真ん中の図がそれで、②③④⑤が敷地➋➌➍➎とそれぞれ地続きでないことに注目してぼしい。所有する私道を宅地に接続させると、敷地として利用されかねないからだ。私道の意味をきちんと理解していれば、窪田さんのように困惑することはない。
文・写真/山本一典 イラスト/関上絵美
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