都心部とは異なる田舎暮らしのファッション事情。結局、使えるのはお手頃価格でガンガン洗え、コーディネートしやすいTシャツでは? ということで、沖縄在住ライターがローカル愛に溢れたTシャツをご紹介。旅行のお土産にもぴったりですよ!
■ 田舎暮らしでは服選びが健康を左右する!
「田舎暮らしでオシャレをすると浮く」。そんな話を聞いたことはありませんか?
この春、人生初の田舎暮らしを始めた筆者の実体験を踏まえると、都市部のオシャレなファッションは浮くというか現実的でないと思われます。
まず、移動手段が車のため、足元は原則、運転に適したローテク系スニーカーかフラットシューズ。筆者が暮らす沖縄・やんばる地区にはハブが生息していますので、素足にサンダルも避けたいところ。日常的に未舗装の道や海岸、山間部を歩くことから、汚れてもいい服装が正解。高温多湿で汗をかくこと、洗濯物が乾きにくいくせに紫外線は強く外干しすると色褪せしやすいことなども考慮すると、トップスはお手頃価格のTシャツやタンクトップ類に絞られてきます。
とはいえ、真夏に肌を露出すると日焼けを通り越して肌が火傷状態になる恐れも。カーディガンなど、羽織るものは必須です。また、夏じゃなくても、素肌をさらして草むらを歩けば虫に刺されたり、葉っぱで肌が切れる or カブれるかもしれません。
まとめると、田舎暮らしのファッションは、自分が健やかに過ごせる服を選ぶという視点が肝要ではないでしょうか。「田舎暮らしで(都市部の働く女子のような)オシャレ」というのも、周囲から白い目で見られる心配があるというより、日常生活がしづらくなるのがデメリットかと思われます。
前置きが長くなりましたが、というわけで田舎暮らし1年めの夏に向けて、気軽に着られるTシャツをいろいろと購入した筆者。現在暮らしている沖縄県やんばる地方では、地域愛に溢れたデザインのものが手に入りやすく、フェスTシャツとかバンドTシャツ感覚で着倒してやろうかと。すでに販売していないものもありますが、沖縄ローカル限定Tシャツコレクションをご覧ください!
慶佐次共同売店/げさしきょうどうばいてん
2800円(税込)
国指定天然記念物のヒルギ林を有する東村(ひがしそん)ふれあいヒルギ公園の駐車場前の共同売店※にて販売。ヒルギ林に生息する「トントンミー(ミナミトビハゼの方言名)」と、彼らに食されるシオマネキが描かれている。イラストをよく見ると、背を向けたトントンミーの口にはシオマネキが咥えられているような……。制作は共同売店Tシャツを多数手がけるヤンバルジャクソン。本体色は白、杢グレー、ライトピンクーの3色。S~XLと4つのサイズから選べる。
※沖縄の集落に点在する売店。もともとは集落に暮らす人たちが、食料品や日用品などの共同購入を行うため、助け合って運営してきた相互扶助組織。現在でも集落の人たちが店頭に立つことが多く、生活必需品を中心とする商品を取り扱う(店舗の由来により「共同売店」と「協同売店」という2種類の表記が使用される)
沖縄県国頭郡東村慶佐次25-1
☎0980-43-2043
営業時間:7:00〜19:00
定休日:なし
喜如嘉オリジナル/きじょかおりじなる
筆者私物
憧れの夏着物地として知られる「喜如嘉の芭蕉布」でお馴染みの集落、大宜味村(おおぎみそん)喜如嘉の有志により制作された一枚。同集落にて教鞭を取った小説家、池宮城積宝(いけみやぎせきほう)が詠んだ短歌「あぁ喜如嘉 かの山村に生まれなば 少しこの世が 楽しくありけむ」が背面にプリントされている。裏地がメッシュ状で肌に張り付きにくく、高温多湿なやんばる地方に適した素材。カーキ色のほか、黒やピンクなど複数色のラインナップ。
山原工藝店/やんばるこうげいてん
4100円(税込)
沖縄本島北部の工芸品を中心に揃えるセレクトショップのオリジナルTシャツ。同店のシンボルマークであるクワズイモと天然記念物・リュウキュウヤマガメを、背面にシルクスクリーンでプリント。どこかクラシックな絵柄に加え、厚みのあるボディと落ち着いたネイビー色で、洗練されたスタイリングが楽しめる。S~XLの4サイズ展開。沖縄県北部にてデザイン&サウナ事業を行うSunsign Designが制作。
沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉2083(旧喜如嘉小学校・現喜如嘉翔学校敷地内)
☎0980-43-0898
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火曜
やんばる酒造/やんばるしゅぞう
2800円(税込)
地元で「シマ」と呼ばれる、飲み会に欠かせない泡盛「まるた30度」のラベルデザインを背面にオン。沖縄本島最北端の泡盛酒造所、「やんばる酒造」で購入できる(が、サイズによっては品切れの恐れもあり)。綿100%の厚手生地は肌触りがよく、下着のラインも響きづらい。同店の泡盛「大山原 -ウフヤンバル-2021ブレンド」は先日、代官山蔦屋書店のポップアップイベントにも登場(現在は取り扱い終了)。余談だが、泡盛ボトルを模したラトルが筆者のイチオシ商品である。
沖縄県国頭郡大宜味村田嘉里417
☎0980-44-3297
営業時間:9:00〜17:00
定休日:第2・4土曜、日曜
安田協同店/あだきょうどうてん
2800円(税込)
通りに天然記念物のヤンバルクイナが出没することもある山中の集落、国頭村(くにがみそん)安田地区オリジナルアイテム。同地区に伝わる豊作と豊漁を祈念するお祭り、シヌグがモチーフ(重要無形民俗文化財指定行事)。前面にはシヌグの旗竿に描かれるムカデがあしらわれている。男性陣の掛け声である「エーヘーホーイ」がデザインのアクセントに。
このTシャツを販売している安田協同店では自家焙煎コーヒーを100円(税込)で販売。ドライブ休憩にぴったりなスッキリとした味わいだ。
沖縄県国頭郡国頭村安田858-3
☎0980-41-7355
営業時間:7:30〜20:00
定休日:火曜
※本文内の価格は店頭販売額を記載しています
※紹介した商品が売切れの場合はご了承ください
地元愛が溢れる、沖縄のTシャツコレクション、いかがでしたか? 着用して歩いているだけで、地域の人から話しかけてもらえるのもローカルTシャツのいいところ。読者の皆さんも、移住したいまちが見つかったら、まずはその土地ならではのTシャツを着用して地域を散策してみては? そこから会話が弾み、仕事や住宅探しがスムーズに進むかもしれませんよ。
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この記事を書いた人
藤尾かおり
編集&ライター。東京でグルメ情報誌や旅行ガイドブックの制作に携わった後、出版社のWEB運営を担当。着物好きが高じて2023年4月、沖縄県やんばる地方に移住。大宜味村で国指定重要無形文化財「喜如嘉(きじょか)の芭蕉布」支援員を務める。
Twitter:@KFtefu
Instagram:@kftefu
Website:https://note.com/kftefu/
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