田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら
  • 田舎暮らしの本 公式X(Twitter)はこちら

田舎暮らしの本 1月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

風情ある宿場町で家を見つけ、父子共同で農業法人を設立!

2021年4月号掲載 

兵庫県南西部の佐用町(さようちょう)は、姫新線(きしんせん)や智頭急行、中国自動車道や鳥取自動車道など、縦横の交通網が整った要衝。

一方で名水百選の清流や日本の棚田百選の風景を併せ持ち、多様な野菜の産地として知られる。

このまちの手厚い移住支援を受けた親子は、新規就農の夢をかなえた。

(↑役場の支援も得て家と農地を見つけ、合同会社ひらふくファームを立ち上げた原田さん親子。 https://www.hirafukufarm.com

原田さん1日のスケジュール 原田さん1カ月の収支

5:00 起床。朝食後、川沿いをウオーキング

6:00 農作業

8:00 出荷後、再び農作業

12:00 昼食、休憩

13:00 農作業再開

18:00 夕食後、出荷用の袋詰め作業

20:00 プライベートタイム

21:00 就寝

  • 売り上げ 平均10万円
  • 農業経費 約5万円
  • 生活費 約10万円

今はまだ赤字だが、農業次世代人材投資事業(経営開始型)などで補っている。

住まい+農地探しの手厚いサポートが決め手

(↑「美しい日本のむら景観百選」のヒマワリ畑をはじめ、四季折々に美しい風景に包まれる佐用町。大阪市内から車で2時間前後。)

江戸時代に利神城(りかんじょう)の城下町として栄え、因幡(いなば)街道随一の宿場町として賑わった佐用町平福(ひらふく)。

往時をしのばせる景観にひかれ、空き家を購入して2019年9月から暮らしているのが、原田毅(はらだつよし)さん(58歳)・健吾(けんご)さん(27歳)親子。

毅さんは地方公務員として働き、健吾さんは農業関連会社に勤めていたが、大阪府から移住して新規就農した。

(↑夏のトマトやキュウリを中心に、ハウスと露地を使い分けて野菜を通年栽培。)

「大阪在住時に2人で農業研修を受け、関西圏で就農するための土地を探していました」と話すのは、農業法人を立ち上げて社長を務める健吾さん。

毅さんは佐用町を選んだきっかけをこう振り返る。

「星がきれいなまちだとうたっていたので、空気もきれいだろうと思って興味を持ちました。相談窓口の合同会社佐用鹿青年部さんの対応がよく、家と農地をセットで探すことに協力的でした。役場の方もウエルカムな印象で、このまちにしようと決めたんです」

佐用鹿青年部が運営する滞在型体験事業「佐用にきて〜な」を利用して物件を見て回り、気に入った家の近くの農地を紹介してもらった。

毅さんの妻は仕事の都合で大阪に残ることになったが、いずれは一緒に暮らすことにしている。

(↑ハウス内にてトマトの育苗準備中。ハウスのうち1棟は補助金を利用して建て、残り2棟は経費を抑えながら自分たちで建てた。)

現在は11反の農地を借り、ハウス3棟と露地で季節の野菜づくりに取り組んでいる原田さん親子。

1年目は試行錯誤を重ねてきたが、今春から本格的な栽培に着手し、新たに育てるメロンとセットでのネット直売も考えている。

もちろん、まだまだ手探りの部分が多く、健吾さんが農業次世代人材投資事業の補助を受けられる5年間をめどに軌道に乗せていく計画だ。

「農地をもう少し広げて、ブルーベリー狩りやイモ掘り体験などができる観光農園としても整備したいと思っています。また空いている土地で佐用町名物のヒマワリ畑もつくれたら」と、健吾さん。

おいしい野菜づくりにとどまらず、佐用町に人が集まる魅力づくりの一端を担うことが2人の夢だという。

(↑四季折々の野菜はJAへ出荷するほか、不定期で「おまかせパック」としてネット販売も。)

(↑空き家バンク物件を10件ほど案内してもらい、2棟構成で7DKの家の購入を決めた。)

(↑帰宅後に1杯やりながら1日を振り返るのが2人 の日課。今年からはブログも毎日更新しているという。)

原田さんに聞く!就農Q&A

Q.新規就農者になるための心構えは?

A.何をつくりたいか、どんな設備が必要か、借り入れた資金をどう返済するかなど、詳細な計画が必要。

栽培以外の知識を学ぶうえでも農業研修の受講がオススメです。

Q.資金はどれくらい必要?

A.私たちの場合は自己資金として600万円、借り入れで400万円を準備しました。

通常300万円以上するトラクターを農地のオーナーさんが無償で貸してくれて助かっています。

Q.農業法人化した理由は?

A.規模の拡大や雇用の創出を当初から考えていました。そうなると社会的信用や福利厚生が必要ですから。

農業でがんばっていくという決意の表れでもあります。

佐用町の就農・移住支援情報

就農

  • 「さよう農の匠」養成塾  就農人材などの育成・研修
  •  ビニールハウス施設整備事業  単年度1棟当たり最大30万円
  • 産地交付金(佐用もち大豆など特産品作付けへの支援)
  • そのほか国・県関連の支援事業あり

(↑佐用町は星空の美しさでも知られ、大撫山 (おおなでさん)には世界最大級の公開望遠鏡を備えた兵庫県立大学西はりま天文台がある。http://www.nhao.jp/public

移住

若者の住宅取得を応援!

(↑宿場町の面影を残す平福。情緒ある佐用川沿いは毎朝の散歩コースになっている。)

空き家バンク登録物件を購入した場合は若者住宅取得応援金として30万円、住宅を新築した場合は50万円が支給されます。

どちらも本人または配偶者が40歳以下であることが条件です。

また、空き家バンク登録物件と農地をセットで取得する場合、1㎡から農地を売買できるように下限面積が緩和されます。

滞在型体験事業「佐用にきて~な (http://sayokite.com)」も活用してくださいね!

お問い合わせ:佐用町商工観光課

☎0790-82-0670

https://www.town.sayo.lg.jp/cms-sypher/teijyu

この記事のタグ

田舎暮らしの記事をシェアする

田舎暮らしの関連記事