福島県の中央に位置する17市町村で形成された「こおりやま広域連携中枢都市圏(こおりやま広域圏)」。住民が安心して元気に暮らせるよう、災害の備えや健康寿命の延伸など「気候変動対応型全世代健康都市圏」を目指している。移住のニーズも重視している17市町村の概要と移住情報を紹介しよう。
掲載:2023年10月号
CONTENTS
①こおりやま広域圏とは/郡山市・須賀川市・二本松市・田村市
②本宮市・大玉村・鏡石町・天栄村・磐梯町・猪苗代町・石川町
③玉川村・平田村・浅川町・古殿町・三春町・小野町/お試し住宅
本宮市(もとみやし)|社会増が続いている「へそのまち」
福島県のほぼ中央に位置し、昔から会津街道、相馬街道、三春街道が交わる交通の中心地。福島県の「へそのまち」として知られ、東洋経済新報社の最新の「住みよさランキング」で福島県内第1位。子育て世代に人気が高く、社会増が続いている。アクセスのよさと豊かな自然の風景を兼ね備え、買い物など日常の利便性が高いのが魅力。
【移住しました!】
コロナ禍で働き方が大幅に変化。育休中に店舗企画の会社も立ち上げた!
東京のIT企業に勤める汰さんは、コロナ禍でリモートワークに転換。出勤が月2回程度になったのを機に、本宮市へのUターンを決断した。実家の隣に親が所有する余った土地があり、そこにマイホームを建てたのだ。
「住宅ローンは組みましたが、市から200万円程度の補助金が出たので助かりました」と言う。
恵まれた職場で、2022年末から1年間の育休、並行して起業に向けた副業もOK。主にサウナやキャンプ、カフェなどの店舗の企画を提案する会社「no wher e(ノーウェア)」を立ち上げた。場所を選ばずに活躍する汰さんにはぴったりの名称だ。
【本宮市の移住支援】
県外から2人以上で本宮市に移住する世帯に50万円を支給。多世代で同居か近居するため住居を新規取得または増改築した方に、最大50万円の奨励金を交付(市内業者施工や空き家バンクの加算あり)。新婚世帯の住居費・引っ越しに最大60万円を補助する。
●お問い合わせ:本宮市政策推進課 ☎0243-24-5323
https://www.city.motomiya.lg.jp/site/teijyu/
大玉村(おおたまむら)|子育て世代を中心に人口が増えている
国勢調査で人口が増え続けている大玉村。その最大の理由は福島市と郡山市のほぼ中間に位置し、地方都市のベッドタウンとして発展しているため。地価が安く、特に一戸建て志向の強い子育て世代に人気が高いこともあり、県内で一番子どもの割合が高い。また、県内有数の米どころで、安達太良山の麓に美しい農村風景が広がり、「日本で最も美しい村」連合に加盟している。まさに「大いなる田舎」と呼ぶにふさわしい村だ。
【移住しました!】
安達太良山の麓でブドウを栽培し、昨年からワインの製造販売をスタート!
東日本大震災の翌年、奥さんの郷里の大玉村に居を構えた毛利さん。ブドウを栽培してワインをつくれば、自然に人が集まってくると思いつく。
「ワインはブドウだけが材料で何も足さないし、毎年継続して楽しめる。だから風土を反映した大玉村のテロワールになるんですよ」
栽培から6年後の2022年、収穫したブドウで約400本のワインづくりに成功した。すぐ完売になったが、「目標は1000本。ワインは出会いを演出する酒。『大玉村はおいしいワインが飲めるおしゃれで文化の薫りがする村ですね』と褒められたら満足です」と話してくれた。
【大玉村の移住支援】
県外の人が住宅を取得した場合、最大110万円を補助(県補助を含む)。満1歳に到達するまでの子どもを在宅で養育している保護者に対し、子ども1人につき月1万円を支給。第1子から児童の保育料を無料にしている。
●問い合わせ:大玉村政策推進課 ☎0243-24-8136
https://www.vill.otama.fukushima.jp/kurashi/teijyuusien/
鏡石町(かがみいしまち)|豊かな農村で子育て世代にも人気
郡山市と白河市のほぼ中間に位置する鏡石町は、面積約31.3㎢と福島県で3番目に小さな町。その半分以上が農地で、今年11回目を迎える田んぼアートが有名だ。一方で、JR東北本線や東北自動車道が通り、大型スーパーなどの商業施設も充実。暮らしやすいことから子育て世代に人気が高く、15歳未満の人口が多いのも特徴だ。
【移住しました!】
夫婦で地域おこし協力隊になり、料理でまちづくりをプロデュース!
2022年1月、鏡石町に移住した小柳さん夫妻。近い将来、子育てするなら自然の豊かな鏡石町がいいと考えたからだが、「地域おこし協力隊の募集は1名なのに、町が夫婦を受け入れてくれたのが大きい」と拓未さんは話す。
仕事は「料理でまちづくりプロデュース」で、拓未さんは料理・レシピ開発、比呂さんは広報を担当。地元の農業高校生らと共同開発した「愛情たっぷりん」は町の名所「かんかんてらす」で年2500個もの販売を達成。
「故郷に貢献し、地産地消の店を持つという拓未さんの夢も2人でかなえたい」と比呂さんは笑顔で話す。
【鏡石町の移住支援】
町で住宅を取得した40歳未満の婚姻家庭、または中学生以下の子どもがいる子育て世帯に新築で最大50万円、中古で最大40万円を支給。空き家バンクに登録されている物件については、改修費に最大40万円、家財処分費に最大5万円を助成する。
●お問い合わせ:鏡石町企画財政課 ☎0248-62-2117
https://www.town.kagamiishi.fukushima.jp/iju/life/kurashi.html
天栄村(てんえいむら)|農村と高原リゾートと秘湯がある多彩な村
分水嶺である奥羽山脈を挟んで、太平洋側と日本海側に河川が流れる東西約36kmの村。役場のある東側は特産の天栄米やヤーコンなどを栽培する田畑が広がり、西側は白河地域に農業用水を供給する羽鳥湖の周辺に広大な別荘地、ゴルフ場、スキー場などがある高原リゾート地になっている。岩瀬湯本温泉などの秘湯も人気が高い。
【移住しました!】
大自然のなかでハードワークの日々。雪かきと地域活動が絶好の息抜きに!
ネットで羽鳥湖高原の別荘を見つけ、「洋風の凝った造りの元ペンションで、部屋数も多い。私が気に入ったんです」とかおるさん。
静寂な森の中にあるが、宏平さんはここでパソコンを使って忙しく働いている。卵と牛乳と野菜は近くの道の駅で手に入る。森林浴、静かな環境、朝1~2時間の雪かきでストレス発散できるのが魅力だ。地元の人に誘われて、奥の湯本地区で地域活性化の活動にも積極的に参加している。
「湯本にIT人材の若い移住者を増やすのが私の目標」と宏平さんは夢を語ってくれた。
【天栄村の移住支援】
転入した40歳未満の婚姻世帯、50歳未満で中学生以下の子どもがいる世帯の住宅取得費用を最大170万円補助。満3歳までの子どもを在宅で養育している保護者に、満1歳まで月3万円、満3歳まで月1万5000円を支給。第1子からの児童の保育料が無料。
●お問い合わせ:天栄村企画政策課 ☎0248-82-2333
https://www.vill.tenei.fukushima.jp/site/iju/
↓次のページでは、
磐梯町、猪苗代町、石川町を紹介します。
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