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田舎暮らしの本 12月号

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田舎暮らしの本 12月号

10月31日(金)
890円(税込)

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【田舎暮らしの困ること】プロが回答! 海が望める眺めのいい土地は、いくらボーリングしても地下水が出ない

執筆者:

田舎でのお悩みを、田舎暮らしのベテランライターが回答。今回は、ボーリングで地下水を確保しようとした際のトラブルです。

定年後は海を眺めながら暮らしたい、と考えていました。ある農家に土地の値段を聞くと坪2万円。安いと思い、300坪を購入しました。近くのボーリング業者の話では、「掘削1m当たり3万円。深さは土地によって違うから何とも言えない」とのこと。契約して2週間後、「50m掘っても毎分5Lしか水が出ない。とりあえず150万円を払ってほしい」と言われました。
鳥取県在住 田中さん●59

海の近くや河岸段丘(かがんだんきゅう)は、井戸水が出にくい!?

 田中さんのケースのように、土地によっては50m掘っても水が出ないところがある。海の近くは、その可能性が高い。砂や粘土が厚く堆積しているためで、200m以上掘っても水脈にぶつからない場所もある。また、水に塩分が含まれていたら、飲用に適さない。地表に近い部分が粘土層に覆われていたら、雨水がすぐ海へ流れ出るので、浅井戸による取水も困難だ。

 海の近くだけでなく、大きな川の周りにある河岸段丘も、取水条件の悪いところが多い。河岸段丘は、地殻変動や長い間の川の流れで土地が隆起することによってできた地形だが、段丘面は地下水位が低いため水を得にくいのだ。海沿いや河岸段丘では井戸掘削が難しくても、上水道や集落組合水道を利用できる地域はあるので、見学時にその可能性も聞いておきたい。


川から段差がある河岸段丘も取水条件は要注意。地元で調査すべきだ。

より安心なのは成功報酬による契約

 ボーリングで満足な水が出ないのに、150方円もの大金を請求された田中さん。だまされたのではないか、と不審を抱き始めている。じつは、ボーリングの契約にも2通りのやり方がある。

 1つはこのケースのように、1m当たりいくらで契約する方法。水が出ようが出まいが、掘削深度で請求額が決まる。下の図はエアハンマー工法で掘り始め、岩盤の掘削から仕上げまでの工程を示したもの。業者にしてみれば、水が出なくても機械化や人件費はかかる。

 しかし、地下水が出やすい地域では、ボーリング業者も自信を持っている。水が出なければお金は不要、水が出ないときはもう一本掘り直す、と成功報酬を前提にいくらでと契約する業者もいる。1社だけで決めずに、複数の業者に相談してみるといい。

文・写真/山本一典 イラスト/関上絵美

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この記事を書いた人

山本一典

山本一典

田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。

Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/

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