俳優・東出昌大の“今”を追ったドキュメンタリー映画『WILL』が、2024年2月16日から公開される。彼はなぜ、現代人にとっては不便極まりないはずの山中に居を構え、狩猟生活をしているのか。動物の生命をいただきながら自分の生命をつなぐ、原始的ともいえるほど生々しい生き方にこだわる理由は何なのか。映画の内容を補足する、全4回のロングインタビュー、第1回目。
壁はビニールシート、電気代2000円の田舎暮らし
――東出さんは、田舎へ完全移住したんですか?
(東出さん:以下、省略)「そうですね。ほぼほぼ移住したという感じですね。今は移住先で、定住できる小屋を作ってるところなんです。鉄砲は、セキュリティがしっかりしたところでなければ置けないので、小屋ができたら、住民票も移す予定です」
――東出さんが狩猟で使っている銃のことですね。鍵のかかるロッカーに保管しないといけないんでしたっけ?
「はい。警察の人が見にきて、審査するんですよ」
(映画『WILL』より)©2024 SPACE SHOWER FILMS
――映画では、まだ小屋を作り始める段階でしたけど、その後YouTubeで公開した動画で、お手伝いしてくれている方と軽く言い争っているのが面白かったです。「でっくんは几帳面すぎるからさ! 適当でいいんだよ!」みたいなこと言われて(笑)。
「そうそう。天窓の作り方で揉めちゃって(笑)」
――完成は?
「もう間近ですよ。2023年中に完成したいなって思ってます(編集部注:本インタビューは2023年末に実施しました)。あとはもう、薪ストーブを置いて、水を引いてくるだけですから」
――じゃあ、この冬はそちらで過ごすんですね。これまでは人の家の軒先を借りて暮らしていたんですよね?
「そうです。ほとんど屋外のような空間なので、本格的に雪が積もる真冬の間はビニールシートで周りを囲って暮らしています」
↓↓ 次ページ「山暮らしの現在地。」 ↓↓
この記事のタグ
この記事を書いた人
佐藤誠二朗
さとう せいじろう <編集者/ライター、コラムニスト> ●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わり、2000~2009年は「smart」編集長を務める。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』(集英社)はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。その他、『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物も多数。最新作『山の家のスローバラード 東京⇄山中湖 行ったり来たりのデュアルライフ』(百年舎)が好評発売中。
Twitter:@satoseijiro
Instagram:@satoseijiro
Website:https://www.satoseijiro.com/
田舎暮らしの記事をシェアする