狩猟は「難しい。ほんとに難しいんです」
――猟は一発で頭を打ち抜いてあげるのが大事で、動物も苦しまずに済むし、肉も皮も傷つかないそうですね。でも、それは簡単なことではないと思います。『WILL』の猟のシーンを見ると、素人の感想ですが、東出さんの銃の腕前は相当なものではないかと思えるのですが、練習はかなりしたんですか?
「まだまだです。猟で使う鉄砲は練習というより実践あるのみなんですが、僕はまだ距離150(m)では獲れたことがなくて、120(m)までなんです。でも現場では、獣が想定より遠くにいるから撃たないという選択はできない。師匠たちは、自分の実力以上の距離でも撃てと言うんです。僕は、ここから撃って、もし当たりどころが悪かったらって考えてしまうんだけど。でも、そこで果敢に撃っていかないと、距離150で獲ったという実績は、いつまでも積めないわけです」
――現場の一瞬で、難しい判断をしなければならないんですね。
「そうです。でも、それでやっぱり外してしまうと、『なんであんな距離で引き金を絞ってしまったんだろう』って、ずっと考えこみます」
――映画の中でも、悩んでいるシーンがありました。
「難しい。ほんとに難しいんです。まあ、こればかりは、簡単に“分かる”ことはできないと思うんですけど」
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