大人になったいまも、やんちゃな子ども時代、その延長線上をそのまま楽しそうに歩んでいるように見える翔さん。するといつかは自然をより身近に感じる生活に憧れたりしないのだろうか。
「いまも鹿児島に田舎があるし、北海道にかみさんの実家がある。ラリーで帯広に行ったり、俺たちの職業は撮影であっちに行ったりこっちに行ったりするから、あえて田舎に住む必要もなくて。都内でも繁華街でなければ田舎みたいなものだしね」
特に理想像のようなものはない。昔からずっとない。これからも翔さんは、翔さんのまま。話があれば役者の仕事をして、ばっちり遊んで。自由業なのだから、先のことがわからないのは当たり前だけれど。
「不安はないんだよね……、昔からない。仕事がなくなったときが終わりのときで。でもそんなことを思っていると、また新たに仕事をいただいたり、急に忙しくなったりする。なんか不思議だよね。役者って、生きているあいだは可能性のある仕事だから。あとは楽しく生きてりゃいいかな、ってところはあるのかもしれないね」
『一月の声に歓びを刻め』(配給:東京テアトル)
●脚本・監督:三島有紀子 ●出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、坂東龍汰、片岡礼子、宇野祥平、原田龍二、松本妃代、長田詩音、とよた真帆 ほか ●テアトル新宿ほか全国公開中
北海道・洞爺湖。一人暮らしをするマキ(カルーセル麻紀)のもとを長女・美砂子(片岡礼子)の家族が訪れ、マキお手製のお節料理を囲む。マキは47年前に次女を亡くし、海の底のような孤独を生きていた。東京・八丈島。牛飼いの誠(哀川翔)の娘、海(松本妃代)が妊婦姿で5年ぶりに帰省する。誠と海には、交通事故に遭った母親の延命治療を止める決断をした過去が。大阪・堂島。元恋人の葬儀を終えたれいこ(前田敦子)は、「レンタル彼氏」を生業にする男(坂東龍汰)と出会う。れいこは6歳で性暴力の被害を受けた傷を抱えていた……。
©bouquet garni films
https://ichikoe.com/
文/浅見祥子 写真/菅原孝司(東京グラフィックデザイナーズ)
ヘアメイク/小林真之 衣装協力/Twins & Co.
この記事の画像一覧
この記事のタグ
田舎暮らしの記事をシェアする