有木農園で果実の収穫体験
宮崎県はその温暖な気候からフルーツの栽培も盛んです。宮崎の代名詞ともなっているマンゴーをはじめ、金柑の生産量は日本一です。そしてもうひとつ、忘れてはいけないのが日向夏。宮崎県が発祥の地だといわれる日向夏は、黄色い皮の下にある甘みのある白皮と甘酸っぱい果肉を一緒に食べてそのハーモニーを楽しむ宮崎特産の独特の柑橘です。フルーツ大好きな息子が収穫体験できるところがないかな⁉ と、町をあげて日向夏の有機栽培に取り組んでいる綾町(あやちょう)にある、有木(ゆうき)農園に問い合わせたところ、「日向夏はまだ収穫時期じゃないから見るだけになるけれど、八朔(はっさく)や文旦(ぶんたん)なら収穫できますよ」とのことで、伺ってきました。
【宮崎県綾町】
宮崎県綾町は、宮崎県中心部から車で約35分、町の面積の約80%が森林で、日本最大規模の照葉樹林が広がるまちです。半世紀にわたって森を守り、自然と人が共生する地域づくりを進めてきました。全国に先駆けて推進した有機農業や照葉樹林プロジェクトなど官民あげての取り組みが世界的に高く評価され、2012年にはユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に登録されました。
有木農園では、日向夏や文旦など柑橘類を中心に、四季折々の果物を夫婦で栽培しています。丘一面の果実の木と青い空に、私も息子もテンションがあがります。
早速収穫へ! 有木さんがハサミの使い方を教えてくれました。
八朔や自分の顔より大きい文旦をたくさん収穫!
収穫した果実を一輪車で運ぶのがとても楽しかった様子。初めて見る農具にも興味津々でした。
早速試食! 青空の下で食べる採れたての果実のおいしさたるや! 奥様がキレイに剥いてくださった文旦は、果肉がみずみずしくて、酸味と甘みのバランスがべスト! 息子はあっという間に一人で一皿平らげてしまいました。
(取材時は、まだ収穫時期ではなかった)日向夏も、特別に試食させていただきました。日向夏はほかの柑橘と違って、ワタのような白皮の甘みと甘酸っぱい果肉を一緒に味わう果物。白皮と果肉がバランスよくなるように、カットの仕方が重要です。これまでなんとなくで切っていた私に、奥様が日向夏のおいしい切り方を教えてくれました。「こんなふうにすると均等になるし、見た目も素敵でしょう?」
有木農園のご夫妻のあたたかいお人柄にすっかり心を開いて調子に乗り始めた息子は、収穫体験後も農園を走り回っていました。私も、初めて会う私たちに、楽しませよう、喜ばせようと心を尽くしてくださるご夫妻のすっかりファンに。
有木さんご夫妻は、もともと宮崎市内に住んでいたのですが、8年前に綾町に移住し、果樹栽培をはじめたのだそう。「こんな贅沢な場所はほかにないと思うよ」とご夫妻は口をそろえます。満天の星空を見たり、季節ごとの木々や草花を楽しんだり。5月にはこの果樹園でヒメボタルが飛び交う幻想的な風景も見られるのだそう。もっとたくさんのひとに綾町の魅力を知ってほしいと語るご夫妻は、綾町の地域おこしの活動にも精力的に参加していて、農園内にあるご自宅では、民泊もはじめています。「毎日がとても充実していて、移住してきて本当によかったと思っているんですよ」と話すお二人を見ていると、あらためて、今後の人生について考えてしまうのでした。
【有木農園】
宮崎県綾町にある、錦原台地の西方馬事公苑に近い尾立地区にある果樹園。2400坪の農園に、露地日向夏、土佐文旦、八朔、平兵衛酢、はるかなど柑橘類を中心に、自家用に梅、富有柿、ブドウ、ブルーベリー、ヤマモモなど、さまざまな果樹や季節の野菜を栽培しています。ロッジのような自宅では民泊も可能。果実の収穫体験をはじめ、民泊利用者には日向夏デザートやマーマレード、ポン酢作りなどの体験も可能。
自分で収穫した食材は「今まで食べたなかで一番おいしい!」
東京に戻ると、父親と妹に「僕がとってきたんだよ」と自慢げに披露。さっそく家族4人でいただきました。
黒岩牧場のたまごを使って、たまご焼き作りにも初挑戦!「鶏、全然こわくなかったよ!」「甘いでしょ? あのね、いちばん甘いやつを僕がえらんだんだよ」 食事中もおしゃべりが止まりません。
「たまごって甘いんだね!」 たまごかけごはんではじめての生たまごにも挑戦! 黒岩土鶏のたまごは、白身にぷりっと弾力があって、いつも食べているたまごと全然違います。味が濃くて、息子の言う通り、甘みを感じました。
文旦でフルーツ酒を作りました。フレッシュな口当たりでグイグイ飲んでしまう……これは危険!
大満足の宮崎親子視察! 次はどこに行こう?
親子で田舎体験第1回は、息子にとって、はじめてのことだらけの大充実の旅になりました。東京では見られない息子の表情をたくさん見ることができました。また、久しぶりに私と二人きりの時間を過ごして嬉しそうな息子を見て、お兄ちゃんだからとたくさん我慢させてしまっていたのだなと反省もしました。こういう時間、やっぱり必要だな。改めて、親子での田舎体験の価値を実感したのでした。
第2回はどこに行こう? お風呂に貼っている日本地図を見ながら、親子会議をしています。
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この記事を書いた人
揖斐 麗歌
いび れいか|東京都在住、宮崎県出身。出版社勤務を経て、2023年子育て世帯と地域をつなぐことを掲げて㈱IBIを設立。6歳の男の子と2歳の女の子の子育て中。田舎ならではの親子時間を目的に、リモートワークをしながら親子で日本各地を巡っています。
Twitter:@oyakodeinaka
Instagram:@oyakodeinaka
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