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- 「そうだ。農業をやろう!」東京に通えるリゾート地・小淵沢で芸人農家に!番組収録はリモート!週末はルミネtheよしもとに出演!山梨県北杜市に移住した芸人ティカトウ(チャド・マレーン)
「そうだ。農業をやろう!」東京に通えるリゾート地・小淵沢で芸人農家に!番組収録はリモート!週末はルミネtheよしもとに出演!山梨県北杜市に移住した芸人ティカトウ(チャド・マレーン)
執筆者:田舎暮らしの本編集部
なにもないところから挑戦する農業と芸人の両輪生活
| 内から見える景色の違いに驚愕
何もわからずに飛び込んだ農業の世界。芸人としての生き方とのギャップを感じたことはあるのでしょうか。
「農業を学ぶ前は『食料危機 = 作り手が足りてない』というイメージだったんですけど、実際は、そんな単純な問題ではないことがわかりました。現場では行き場のない野菜が山ほど捨てられているし、余ってることの方が実は多いんです……。吉本もギャラが安いことで有名ですが、農家のギャラもとても厳しいです。野菜の適正価格についてもいろいろと考えさせられました。外から見える景色と内から見える景色の違いに驚いています。
道の駅はくしゅうのファーマーズマーケットに採れた野菜を置かせていただいています。山梨にお立ち寄りの際は、よろしくお願いいたします!!!」
確かに、農業は想像以上に厳しい世界かもしれませんね。
「僕が農業を学んだ研修先は、「井上農園」の井上さんと「そらくも農場」の鈴木さんの農場。野菜の品種、肥料のこと、出荷についてまで、農業のいろはを教わりました。このお二人のもとで学ばなかったら、農業をあきらめていたと思います。自己流でやるのは限界があったんですよ。規模が大きくなればなるほど痛感させられます。でも、だからこそやりがいがあると感じています。今はまだ試行錯誤の段階ですが、自分なりの農業の営みを作りたいと思っています。
そういえば、僕が農業研修中に出会った研修生の男女2人が、昨年結婚しました。農業を志す若者は、少なくなってはいますが、まだまだ健在。小淵沢はのびのびと農業をやりたいと思う人たちが集まってくる土地なんでしょうね。それにしても、20代の女の子が、40後半のおじさんの僕に恋愛相談をもってきたときにはどうしようかと思いました。が、無事ゴールインしたので、おじさんキューピッドとして活躍できたと思います」。地域の農業を盛り上げるとともに、地域の婚姻率アップにも貢献したティカトウさん。さすが、ルミネtheよしもとなどの舞台に立つ芸人というところです。
芸人としての活動と農業をどのように両立させているのでしょうか。
「3年間、小淵沢に住んでみて、これまでは地域貢献というよりは、地域にお世話になりっぱなしだったというのが正直なところなんですね。なので、山梨でのお笑いの仕事は『恩返し』という気持ちで臨むことが多いです」
「地域のワークショップで、コンビで英会話教室を開いたときの一コマです。NHK Eテレの『えいごであそぼ Meets the World』もやってますし、英語に触れる機会を地域に作れるのはいいことだなと感じました」
「実際に移住したこともあって、山梨で行われる仕事も増えています。ロケなどは、自分が住んでいる所なので今後も縁がある場所、人であることが多いので『できるだけ距離感を近く』接するようにしています。そこが強みでもあるし、失礼があったら、すぐに謝りに行ける距離ですし(笑)。
芸人として地域のお祭りなどを盛り上げたり、農家として野菜を作って『道の駅はくしゅう』を賑やかにしたりできたらいいなと思っています。
理想は『地元の面白いおじさん』ですかね。そうなれるように日々溶け込めるように精進しています。
ここ最近は、相方から『ネタ作らんと野菜ばっかり作ってる』と文句を言われてますけど(笑)」
少しずつではありますが、着実に小淵沢に馴染んできているティカトウさん。3年間住んで、自身の山梨県の見え方も変わってきたといいます。
「芸人としてこれまでやってきて、『どこにいても、結構楽しく生きていける強さ』を手に入れたことは、とても大きな財産。それが今発揮されています。安易な気持ちで始めてしまった農業もそこそこ板についてきたと思いますし、ここに住んで、ここでの楽しい生活を発信していくことがひとつの役割だと考えるようになってきました。
僕みたいに、『山梨って、東京でも仕事ができる場所なんだよ』って感じてもらって、移住者が増えていってほしいなって。東京で仕事をしているときに、山梨に住んでいるというと『遠い』とよく言われるんですが、実際は新宿まで電車で2時間もかからないですし、東京で仕事をしながら田舎暮らしをするなら最高の場所だと思うんですよね。
小さな発信ですが、誰かが僕の生活を見て『なるほど。そんな生き方できるんだ』と思ってもらえたらいいな」
「防災減災フェスで漫才をやったときの写真です。僕自身も、地元民として、大切なことを学ぶ機会をいただきました。お笑いを通じて山梨に貢献できたのはありがたいですね」
「あとは、やっぱり自分が力を入れている『農業』で地域に貢献したいですね。正直、現状では割に合わないことが多いですが、なんとか知恵を絞って自分なりの農業の営みを作りたいと思っています」
| 存在するものすべてに癒やされながら生活
田舎暮らしについては、どのような印象なのでしょうか。
「移住前は完全に夜型人間だったのですが、小淵沢に来てからは変える必要がありました。農業を始めたからではなく、夜になると街灯もなく夜道は危ないし、そもそもどこのお店もやっていないので、『夜は休むもの』という人間的な生活リズムになりました。時間、天気、気候などに左右される生活をこれまでしてなかったんだなあと感じています。
田舎で暮らしてよかったことは、なんといっても『夏が涼しい!』と思ったことですね。避暑地といわれるだけあって、住んでからはクーラーをつけずに生活しています。
家から見える風景や近所に住んでいる方々、農作業、飼っているヤギなどこっちに存在するものすべてに癒やされながら生活できることは、移住してとてもよかったと思います」
「今、古民家を借りてDIYで夫婦とヤギで住める家に再生中です。ヤギの小屋は完成したんですが、住居はまだまだ……。床下から囲炉裏を発見したり、畳が結構重いことに気付かされたり。想像以上にボロボロな状態で大変ですが、楽しくDIYしています」
「逆に苦労しているところは、やはり冬ですね……。愛知→大阪→東京で暮らしてきたので『寒さ』に弱いんですよ……。
雪でどこにも行けないなんてのも初体験でしたし。バイクで長野まで走っていて、雪が降りだしたときは本当に死ぬかと思いました……」
「あと屋根張ったらほぼ完成!というところで雪に見舞われたヤギ小屋の様子です。潰れませんようにって祈りました」
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