日本における保護犬の数については、環境省の統計によると、令和4年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)に保健所や動物愛護センターに引き取られた犬は22,392頭で、そのうち同期間に譲渡された犬の数は11,711頭。保護団体や愛護センターなど、保護犬の里親募集情報を提供するウェブサイトも増え、災害に見舞われ保護犬となってしまった犬の受け入れも増えてきています。
保護犬と暮らすための注意点
保護犬を迎える際には、いくつかの注意点があります。以下に主なポイントをまとめました。
「かわいそう」だけの理由で迎えない
犬を迎える動機は、「かわいそうだから」という同情心だけではなく、犬との生活を楽しむ意欲も重要です。
一匹一匹の特性を理解する
保護犬はそれぞれ異なる環境・食生活で育てられていたため、好んで食べていたフードを含めた、喜んでもらえる育て方などが不透明な場合があります。個々の性格や苦手なこと、得意なことを理解し、適切な接し方をすることが必要です。
見た目だけでなく内面も重視する
写真や動画で一目惚れすることもあるかもしれませんが、犬の性格やライフスタイルとの相性も考慮することが大切です。
飼育経験がない場合は特に慎重に
初心者の場合、保護犬を迎えることは可能ですが、保護犬の性格や健康状態を見極め、適切な飼い方やしつけを行うことが求められます。
健康状態を確認する
保護犬は通常、里親募集前に健康診断を受けていますが、その結果をしっかりと確認し、必要な治療があるかどうかを把握しておくことが重要です。
これらの点を踏まえて、保護犬を迎えることが、犬にとっても新しい飼い主にとっても幸せな結果につながります。保護犬の譲渡にかかる費用は、保護団体や施設によって異なりますが、一般的には2万円から5万円程度が相場となっており、ワクチン各種、避妊・去勢手術、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防、マイクロチップ装着、その他治療費が含まれる場合が多いです。また、自治体が運営する愛護センターなどでは、費用が安い場合もあります。
犬の健康管理は、愛犬が長く快適な生活を送るために非常に重要
犬の健康を維持するための基本的なポイントをいくつかご紹介します。
▼ 毎日の健康チェック
愛犬の体調を毎日チェックし、異常がないかを確認します。特に耳、目、口内、足裏、皮膚の状態に注意しましょう。
▼ 適切な食事
犬の年齢、サイズ、活動レベルに合わせたドッグフードを選び、栄養バランスの良い食事を提供します。
▼ 定期的な運動
散歩や遊びを通じて、適度な運動をさせることで、肥満を防ぎ、筋肉を維持します。
予防接種と寄生虫予防: 定期的なワクチン接種と寄生虫予防を行い、感染症や寄生虫のリスクを減らします。
▼ 健康診断
年に一度は獣医師による健康診断を受け、血液検査などを通じて内臓の健康状態をチェックします。
▼ 歯のケア
歯磨きやデンタルケア用のおやつを与えることで、歯周病の予防に努めます。口腔内の歯周病に関連する菌状態を調べることで、現状の口腔内状況がわかります。
▼ 体重管理
定期的に体重を測定し、適正体重を維持することが重要です。肥満は多くの健康問題の原因となります。
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