田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら
  • 田舎暮らしの本 公式X(Twitter)はこちら

田舎暮らしの本 8月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 8月号

7月3日(水)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

ニワトリ先生/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(53)【千葉県八街市】

執筆者:

 今回のテーマは「ニワトリ先生」である。ニワトリを飼い始めて僕は45年。多くのことを教えられた。飼育目的の第一はもちろん卵を食べるためである。しかし、なんと愛らしい生き物であることか。たくさんの犬や猫を飼ってきたが、愛らしさにおいて犬猫に全く劣らない。さらに言うならば、その生き方はひたむきである。雑念を持たず一直線。この言葉がたぶんいちばん合っている。1日の90%は食べることに費やす。雨や寒さなんかちっとも厭わず、ひたすら土を蹴って虫をついばむ。そして、残りの10%、それは、晴天の日、土にスッポリ埋まってやる砂浴びだ。目的は健康のため。羽の隙間に詰まっている虫を砂とともに洗い流す。人間で言うなら風呂か。ただ、求めているのは健康だけじゃない。どうやら心の静けさと精神の解放・・・であるらしいことは、砂に埋もれて仰向けになったそのウットリした顔の表情でわかる。

この記事の画像一覧を見る(21枚)

  

 4月下旬、『田舎暮らしの本』7月号(6月3日発売予定)に、僕は「自給的農業は究極のサバイバル術だ」と題した原稿を書いた。円安、物価高、年金に関わる制度変更、電気やガス料金の値上げ、そしていつ発生してもおかしくないとされる大地震。これから30年、40年を生きて行く人たちにはキビシイ時代がどうやら待っている。そんな未来予測のつかない状況に、力強く立ち向かって生きるすべ、それは自分の手足と知恵を駆使して暮らす自給的生活ではあるまいか、そんなコンセプトで書いたのだ。そこにニワトリの話が出て来る。僕が掲げる生き残り術の3本柱は食糧と電気と水を自分でまかなうこと。食糧は野菜と果物と卵(鶏肉)。その項目において鶏舎の作り方、餌の種類、卵の孵化からヒヨコの育て方、それらを詳しく書いた。ぜひ、その『田舎暮らしの本』7月号を読んでいただきたいのだが、今回は続きというかたちで彼女たちの頭の良さ、愛らしさ、人間が学ぶべき点、そんなことを書いてみようと思うのである。

 5月1日「冷たい雨の1日。今朝も彼女は僕の枕元にやってきた」。

 5月は雨で始まった。日中の気温は15度くらい。ナス、トマト、ピーマン、トウモロコシ、メロン。これらにまだ気が抜けないぞ。雨に打たれながらそれぞれの保温のケアに走り回った。さてこの下の写真。時刻は早朝である。ニワトリと寝る男なんて、世間広しといえどもそうそういまい。話せばこうである。去年、岐阜の後藤孵卵所から届いたヒヨコは大きくなった今、僕を男として慕ってくれている。前に書いた。僕がそばに寄ると腰を落とし、交尾の姿勢を取るのだ。僕は一応は男だが、ニワトリに対しては役立たず。とりあえずお尻を触ってごまかす。そのニワトリたちの中でもいちばんに僕を慕うのがこの写真の雌鶏。ずっと別の場所で卵を産んでいたのだが、1か月ほど前、雨戸をノックする音が聞こえるので開けるとこいつだった。どうするのかと思っていたら、僕が着ている毛布の上でゴソゴソと「足場ならし」のパフォーマンスをしばらくやって、腰を下ろして動きを止める。僕に寄りそう。しばらくすると毛布の上に卵がコロリ。慕われるのは嬉しいが、いささか困る。なんせ彼女が来るのは早い時は5時半。遅くても6時半だ。そのまま起きては睡眠不足になる。僕は片手で抱いて、もう一度眠りに落ちる。次に目を覚ました時には彼女はいない。卵がある。それがこの場面なのである。

 1月にビニールハウスに植えたジャガイモをいっせいに掘り上げた。まだまだ大きくなるけれど、ポットにまいたトウモロコシがポットの中で根をグルグルと巻いている。植えてやらねば。ということで、早いのだが掘り取ることにしたのだ。近隣の畑ではようやく葉っぱが茂ってきたという段階。収穫までにはまだ1か月半くらいはあろう。ビニールハウスならではの早期収穫である(この早期栽培についても6月3日発売予定の『田舎暮らしの本7月号』に詳しく書いてある)。

田舎暮らしの記事をシェアする

田舎暮らしの関連記事

東京×鰹節、千葉×落花生…全国47都道府県の代表名産で作ってみたら「うまい!」クラフトジンが誕生!話題の「県ジンプロジェクト」徹底紹介!

生産性ブルース/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(54)【千葉県八街市】

人気女優・片岡凜の映画処女作『空の港のありがとう』が観光映像大賞を受賞!今後はANAやJALなどの機内で上映予定!清水美砂&片岡凜&田村明比古インタビュー

【千葉県民だけズルい!】オトクな割引!入場無料の情報も!マザー牧場やシーワールドで!限定スイーツも!【6月15日は千葉県民の日】千葉の魅力を再発見しよう!

料理研究家・リュウジも審査した最強の「ごはんのお供」!「多古米おかず選手権」に注目! 冷めたごはんでも美味しいバカうま商品はおにぎりにも◎【千葉県多古町】

「強さ」と「優しさ」あるいは道徳について/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(52)【千葉県八街市】

【築100年古民家】絵本のような絶景に包まれた秘境の美しい伝統住宅!200万円の9LDKはほぼ改修不要!? 宿泊施設や飲食店にも活用可能!【福島県金山町】

海・山一望の大規模ニュータウン「伊豆下田オーシャンビュー蓮台寺高原」には素敵な物件がたくさん【静岡県下田市】

子育て移住にもオススメ! のどかな果樹園に囲まれ、教育環境も整った人気のエリア【広島県三次市】