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田舎暮らしの本 11月号

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田舎暮らしの本 11月号

10月3日(木)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

ニワトリ先生/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(53)【千葉県八街市】

天井部分を連結するために脚立に乗る。視線の向こうに高く、青い空がある。人のシアワセとは存外単純なものであるかも。

天井部分を連結するために脚立に乗る。視線の向こうに高く、青い空がある。人のシアワセとは存外単純なものであるかも。

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  • 産卵の場所は少なくとも7か所。思いがけない所でひょっこり卵に遭遇することもある。
  • どんな気持ちから僕のそばで卵を産もうと決めたのか。言葉が通じるものなら聞いてみたい。産卵初日。はねのけて起きた毛布の上から卵が床に落ちて割れた。それで初めて事の次第を知ったのだった。
  • ジャガイモは基本食である。年中切らさぬように栽培したい。そう思いつつも、ナス科の連作障害や他の作物との用地分配で難しいところもある。
  • パイプの高さを調節する。すんなり入るところもあり、土が固くて難儀することもある。最強パワーで差し込むと軽やかな音してオナラがでることがある。
  • 土に交わる。ニワトリは1日に1万回も土を蹴って暮らすのだと、専門家が書いていたのを思い出す。
  • 天井部分を連結するために脚立に乗る。視線の向こうに高く、青い空がある。人のシアワセとは存外単純なものであるかも。
  • ひたすらモノを作る。ああでもない、こうでもないと思案しつつ、モノ作りに没頭する。ウツにならないためには工作するのがいちばんだ。
  • 我が子を見守る母親。それにずっと従って行くヒヨコたち。やがてこのヒヨコたちも母となる。命の連鎖とはシンプルであり、ひたむきである。
  • この母鳥は10日ほど前、野良猫に我が子を連れ去られ、ずっと泣いていた。そこに岐阜からのヒヨコが届いた。彼女の深い悲しみを30匹のヒヨコが消したということだろうか。
  • 冬の間、50×100メートルの畑はほぼ見通せる。それがGWの頃、あっという間に繁茂した若葉で視界不良となる。新緑に埋まって暮らす。人生の妙薬である。
  • 寒さで何度か枯らしてしまったレモン。特大の鉢に植え、1メートルの台の上において夜間は毛布を掛ける。たかがレモン。されどレモン。満開の花を眺めていま感慨にふける。
  • もしニワトリ用の眼鏡があるものならば、くろちゃんにひとつ買ってやりたい。用意した餌箱を何度も空振りしたかと思えば、僕の脚を強くつつく。それがけっこう痛い。
  • いいかい、牛乳はここだよ。何度も皿の位置をずらし、くろちゃんに場所を覚えさせる。そして僕は仕事場に向かう。
  • ハヤブサのくちばしがあと2センチ深く刺さっていたら、このちびちゃんの命はなかったであろう。傷口を消毒し、僕の寝室を救急治療室として1週間、夜間診療もした。
  • 生後1週間のヒヨコも、母親の真似して土にもぐり、体をゴロゴロ回転させる。両羽を使って巧みに土を跳ね上げるところにいつも感心する。
  • 気温28度。直射日光の当たる白いパネルはかなり熱いはずである。しかし心地よさそうだ。
  • このハウスの骨組みを仕上げるまでに20時間を要した。知恵の輪をやっているような面白さがあり、その心模様はGWの賑わいからはかなり遠い。
  • トマトに黄色い花が咲く。何ということもないけれど、リサイクルで仕上げたビニールハウスであるゆえ感慨は少しばかり。
  • パソコン部屋も寝室も自分たちの生活領域だと確信している。自分の足元に電気が流れているなんてことは、さすがに知るまい。
  • 竹林から竹の子を抱いて出て来ると同時に殺到する。かなり硬い部分もパワフルにかじる。
  • 人参、レタス、玉ねぎ、カリフラワー・・・。生きるとは食うこと。食うとは生きること。

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