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田舎暮らしの本 7月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 7月号

6月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

田舎の小さな喫茶店の開き方。物件探し、開業資金、メニュー開発、売り上げ目標も解説! 

田舎で小さな喫茶店を開くにあたって、どんな点に注意したらいいのか、必要な資格など、わからないことも多い。100年以上コーヒーに携わってきて、カフェ・喫茶店の開業も支援しているキーコーヒー㈱にお聞きした。

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掲載:2024年6月号


(写真提供:キーコーヒー株式会社)

 

 

キーコーヒー株式会社

キーコーヒーロゴ

1920年創業。「コーヒーを究めよう。お客様を見つめよう。そして、心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」を企業理念に掲げ、海外でのコーヒー農園事業、コーヒーの製造・販売、コーヒー関連事業経営などを展開するコーヒーに関する総合企業。公式HPでは、カフェ・喫茶店の開業ノウハウを提供する「カフェ・喫茶店 開業ナビ」のほか、コーヒーに関するさまざまな情報を公開。

カフェ・喫茶店開業ナビ (keycoffee.co.jp)

 

未経験でもカフェを開ける?

 喫茶店の営業許可を得るためにはいくつかの資格や要件が必要です。未経験からチャレンジする場合は、小規模な形態で初期費用を抑えつつスタートしたほうがいいでしょう。具体的には、5坪以内の小さめなカフェや、フェスやイベントで出店するキッチンカーの移動式カフェ、「夜だけ」「週末だけ」など営業時間を制限して行う週末カフェなどが挙げられます。とはいえ、飲食店経験はあるに越したことはないので、カフェで働いたり、カフェ経営を学べる講座やスクールに通ったりすることも検討を。

店のコンセプトは、どのように決める?

 開業計画を立てるにあたり、まず決めたいのは、店のビジョンともいえる「コンセプト」。コンセプトに基づいて、物件の広さや立地、内装やメニュー、価格設定などを決定していくため、店の方向性を決める指針のようなものといっても過言ではありません。コンセプトを決める際は、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Who(誰に)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで)の質問をベースにして考えると、ターゲットの世代や魅力の伝え方、看板商品となるメニューのラインアップなどが整理しやすくなります。

喫茶店開業に必要な資格は?

 喫茶店開業に必須なのは「飲食店営業許可証」です。その許可を取得するために必要な資格が「食品衛生責任者」で、各地方自治体の食品衛生協会が開催する講習を受講することで取得できます(調理師や栄養士などの免許保有者は受講不要)。また、コーヒーインストラクター検定などの民間資格もあり、取得して店のサイトに経歴として記載すれば、提供するコーヒーのクオリティについて信頼を得やすくなるというメリットがあります。資格ではありませんが、キーコーヒーでは初心者から中級者を対象としたコーヒーセミナーも開催しています。

喫茶店開業の流れは?

 小規模な店舗だとしても、飲食店を開業するためには、さまざまな手続きや届け出が必要となります。営業許可証を取得するまでの大まかな流れは下の通りですが、この合間に、コンセプトやメニューを決めて試作したり、原材料の仕入れ先を決めたり、必要なら開業資金の借り入れ手続きやスタッフの募集、近隣へのあいさつなども行います。なかなか忙しいので、余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。キーコーヒーの「カフェ・喫茶店 開業ナビ」の開業チェックシートが無料ダウンロードできますので、それを自分なりにアレンジして使うのもオススメです。

喫茶店の営業許可証を取得するまでの流れ

物件探しの注意点は?

 小規模な店でも、設備が何もないスケルトン状態の物件を契約すると、内装工事や設備投資に予想以上のお金がかかることも。初期費用を抑えたいなら、最初から設備が整っている物件か、退去した飲食店の設備がそのまま残っている「居抜き物件」を探してみるといいでしょう。ただし、設備などが新しい場合は契約時の費用が高めに設定されていることもあります。また、立地条件がいい物件も契約時の費用は高くなりがちです。カフェのコンセプトや自己資金を考慮して、優先するべき条件を明確にしておく必要があります。ちょうどいい物件が出るまで数カ月かかることも多いです。

開業資金はどのくらいかかる?

 開業資金の内訳は、物件取得費、工事にかかわるもの、家具や調理器具からカトラリーに至るまでの設備・備品の購入などがあり、金額は物件の立地や広さ、築年数、内装工事の規模、居抜き物件かどうかなどによって大きく変わってきます。また、開業後にも、仕入れや家賃、水道光熱費などが毎月発生します。最初は経営が安定しないケースも多いため、数カ月から半年程度の運転資金も準備しておきたいものです。5~10坪程度の居抜き物件の場合でも、開業時資金と開業後の運転資金を合わせて500万円以上は準備したいとアドバイスしています。

開業前と後に必要な費用

田舎の小さな喫茶店の売り上げ目標は?

 喫茶店の1日の売り上げの目安を決める計算式は、【1日の客数×客単価=1日の売り上げ】。例えば1日15人来客で客単価が1000円の場合、1日の売り上げ見込は1万5000円、週1日定休で26日間営業の場合、1カ月の売り上げ見込は39万円となります。次に利益率の計算です。利益率とは、売り上げから家賃や経費を差し引き、最終的に利益がどの程度残っているかを表す数字で、計算式は【利益÷売り上げ×100=利益率】。1カ月39万円の売り上げで経費が合計30万円かかった場合、月の利益は9万円で利益率は約23%となります。一般的に、飲食店での利益率は10%が目標といわれています。価格設定や1日の客数、客単価の目標は、まずは利益率10%で黒字を目指しましょう。

田舎の喫茶店にお客を集めるには?

 アクセスのあまりよくない田舎において、集客のポイントは「わざわざ行きたくなる店にする」こと。そのためには「うちではこれがオススメ!」と自信を持って提供できる看板メニューの存在が必須です。今一度コンセプトを熟考し、店の方針に合ったメニューや、雰囲気を一層盛り上げるようなメニューづくりを意識することが大切です。定番メニューであっても、例えば「地元◯◯農園の平飼い卵を使った濃厚カスタードプリン」など、食材や盛り付けにオリジナリティを反映させることで、その店独自のこだわりが伝えられるようになります。

 

※2024年4月時点での情報です。 ※掲載内容はあくまで一例です。

文/はっさく堂 イラスト/関上絵美・晴香

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  • 写真提供:キーコーヒー株式会社
  • キーコーヒーロゴ
  • 喫茶店の営業許可証を取得するまでの流れ
  • 開業前と後に必要な費用

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