田舎での困りごとを、田舎暮らしのベテランライターが回答。別荘でブレーカーを落として都会へ戻ったら、給湯器が壊れたという問題。なぜそうなったのか? 交換で請求された金額は妥当なのか、お答えします。
昨春、安い中古別荘を見つけました。不在時に電気の入れっぱなしは不経済だし、漏電で発火するのも怖いので、電気のブレーカーを落としてから都会に戻りました。正月に別荘へ足を運んだら、お湯がまったく出なくなり、トイレから臭いも発生。地元の電気屋に相談したら、修理と交換に全部で20万円かかるといわれました。
神奈川県在住 秋山さん●57歳
ブレーカーを落とすと、給湯器が壊れる
秋山さんは不経済という理由で、電気のブレーカーを落として都会に戻った。ところが、冬に給湯器やトイレのトラブルが発生し、大金を失う羽目になった。なぜだろうか。
屋外に設置した給楊器は、水が通る部分の凍結を防ぐため、一定温度以下になると自動的に電熱器が作動し、機械を保護する仕組みになっている。ところがメインのアンペアブレーカーを落とすと、その機能が働かなくなってしまうのだ。これは給湯器そのものの交換が必要なので、数十万円の出費になる場合もある。
トイレはどうか。浄化槽には空気を送り込むブロアーが接続されており、通電しないと浄化槽内のバクテリアが死滅して、し尿や排水の浄化ができなくなる。これも大きな出費につながるので、注意が必要だ。
屋外の給湯器は電気を遮断すると、真冬に使用不能になり大きな出費になりかねない。
ブレーカーの操作法も頭に入れておこう
ブレーカーは通常、電気を使い過ぎると作動する。屋内配線を保護するためで、山頂の近くや丘などか高い場所にある別荘は、落雷でブレーカーが落ちるケースが珍しくない。
では、ブレーカーが落ちたらどうすればいいのだろうか。分電盤には通常、3種類のブレーカーが設置されている(下の図参照)。電気の使い過ぎやショートで落ちるアンペアブレーカーは、レバーを戻せばすむが、頻繁に落ちるときは契約アンペア数を変更したほうがいい。
注意を要するのは、漏電ブレーカーが作動したとき。その場合は安全ブレーカーをすべて落とし、漏電ブレーカーを元に戻す。そして、安全ブレーカーのスイッチを1つひとつ入れていくと、漏電している場所が判明する。漏電していない回路は、暫定的に使用してもかまわない。
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この記事を書いた人
山本一典
田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。
Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/
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