プロが実践する「新米」を美味しく炊くためのコツ4選
|①浸水時間は短く
近年のお米は、記録的な暑さによる高温障害を起こしてしまっているお米が多いのが現実。ダメージを受けているお米を長時間水に浸けてしまうとコシのない味気ないものになってしまうと福士さんは語ります。
「普段お米を炊くときには30分~1時間くらい浸水させるという人も多いと思いますが、ただでさえ水分量の多い新米なら、お米を研いですぐに炊いても良いと思います」(福士さん)
|②水の量はいつも通りでOK!
水分量が多いと言われる新米の場合、炊く際の水の量を減らしたほうが良いとはよく聞く話ですが、福士さんはそのまま派。
「浸水時間を取らない分、私は水の量はいつも通り入れていますね。また、蒸らし時間もいつも通りで問題ないでしょう」(福士さん)
|③早炊きモードで炊くことで食感もばっちり
新米を炊くときに、短時間で炊くことができる「早炊きモード」が推奨される理由には、「お米の食感を残す」という大きな役割があるそう。
「やわらかさが特徴の新米の場合、火にかける時間が長いと粒が崩れてしまうことも……。近年の多くのお米は、高温障害の影響を受けていて、じっくりと炊くことで粒感が弱まってしまうこともあるので、ふっくらと美味しいご飯を食べたいなら、短時間でさっと炊き上げる『早炊きモード』の活用が効果的です!」(福士さん)
|④炊く前から意識的に。保存は暗く涼しい野菜室が最適
長持ちしそうなイメージがあるものの、実は1か月以内に食べ切るのが推奨されるほど、お米は鮮度が重視されています。新鮮なうちに食べるのがもちろん大切ですが、「保存方法によっても品質は大きく変化する」と福士さんは話します。
「ただでさえ鮮度が味に影響するお米は、高温多湿な環境に置いておくと傷みやすくなるんです。なので、野菜室などの暗く涼しい場所で保存することが重要。そうすれば、ある程度鮮度も保つことができますし、虫がわいてしまうといった悲劇にも合わずに済むでしょう」(福士さん)
プロのイチオシは「暑さに強い品種」
「新米の美味しい炊き方」をお聞きできたところで、最後に福士さんイチオシの品種をお聞きしました。
「全品種が出揃っていないこの時期に、今年いちばんの品種を決めるのはまだまだ難しいのが本音です……。ただ、昨年と同じように暑さが続いていたことを考えると『暑さに強い品種』がやっぱり美味しいと思いますね。たとえば新潟の『新之助(しんのすけ)』や山形の『雪若丸』といった品種なら、食感も香りも存分に楽しめるはずです!」(福士さん)
今回は、宮内庁御用達の米専門店「米マイスター麹町」の代表・福士修三さんに美味しい新米の炊き方をお聞きしました。福士さんによれば米不足の問題は徐々に解消してくるそうですが、記事内でも取り上げたようにお米は鮮度も重要なもの。そのため、いざスーパーやお米屋さんに在庫がたくさんあるからといって、必要以上に買い占めずに、じっくりと味わい尽くすことをおすすめします! その際には、今回ご紹介した福士さん直伝の炊き方を試してみてください。
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