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田舎暮らしの本 11月号

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田舎暮らしの本 11月号

10月3日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

次長課長・河本準一とタッグを組む農業者が語るリアルと未来への挑戦|地域を支え農家も消費者も幸せになる“かかりつけ農家”の役割とは?

執筆者:

農家も消費者も幸せになる“かかりつけ農家”に

―― 河本さんとの取り組み以外に、米井ファーム独自の取り組みはありますか?

「実は今、米井ファームは“かかりつけ農家”というのをやってるんです。まだ本格的に稼働はしてないですけど、さっき言った“消費者と双方向で理解しあって生産して供給する”みたいことを、小さいところからやりたいなと思っていて。ゆくゆくはどんどん規模を拡大していきたいと思ってます。ただ、遠くの人はね、『わざわざうちから買っていただかなくても、もっと近くにいい農家さんおるから紹介するよ』っていう話なんですけど、やっぱりそれぐらい農家が足りないんですよね」

―― 作ってるお米は近くの人に買って食べてもらいたいと。

「そうですね。だって、それでこそ初めてコスパのよさが実現されるから。いくら僕が安く生産しても、 東京の人が注文してくださって、東京にお米を送ったら『いや、ほぼ運賃やん』って話で(笑)。もちろん『それでも米井くんのお米を食べたいわ』って言ってくださるのは嬉しいし、ありがたいんです。でも、『いやいや、僕よりおいしいお米を作れる人、近くにおるで』って言ってあげたいなと。

 商売っていうと『わしが、わしが』っていう感じじゃないですか、基本的には競争社会で。でも、そういうのは果物の世界でやればよくて、絶対になくなっちゃダメなお米の場合は『わしがわしが』じゃないわけですよ」

―― それやってたら、お米がどんどん高くなっちゃいますよね。

「そう。だから、ちゃんと適正に流通させて仕組みをもっと整理すれば、農家ももっと幸せになるし、消費者も幸せになる、みたいなことが実現できるんじゃないか?というのを小さいところからコツコツやりたいなって思ってるのが“かかりつけ農家”なんですよ。僕と取引をしてくださるお客さんは、もう僕があなたの食料を担保しますよと。だから、もう末代まで食べ物には困らせませんよ、っていう(笑)。そういうつもりでやってます」

―― 将来的にはそういった取り組みを広げていって、仕組みまで変わったらいいなという思いがあるんですね。

「そうです。結局『広げていきたいな』も僕がやりたいわけじゃないですよ。僕が全部作りたいとか、そういう意味合いではなくて。僕は米井ファームを始めたときに、専業農家でグループを作って、社団法人(一般社団法人LAアライアンス)も立ち上げたんです。

 なぜかというと、僕はこういう思いでやってるけど、1人は1人なんですよね。でも、みんな同じことに困ってたり、協力すればできることもある。今まで農家はそういったお互い協力し合うことをやってこなかったから、それをするだけでもちょっと違う景色が見えるんじゃないの?っていうのもあったし、あとは、僕自身が人が好きなんですよね。

 人が好きだから、『農業って自由でいいよね』って言われても、『1人でやっても楽しくねえだろ』って思うわけですよ。今まで組織の中で働いてて、一緒に働く同僚がいて、ああだこうだ言いながら仕事をやってきた環境から農業に変わると、寂しいなって思ったんです。やっぱり、それはみんな思ってるし、これまで続いてきた農家が辞めたりするのは社会的な損失だから、これからはそうならない仕組みが必要だろうと思って、せっかく米井ファームを立ち上げるんなら、それだけじゃもったいないから一緒に社団法人も作ろうと」

米井ファームで田植えをする人々

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田舎暮らしの本編集部

田舎暮らしの本編集部

日本で唯一の田舎暮らし月刊誌『田舎暮らしの本』。新鮮な情報と長年培ったノウハウ、田舎で暮らす楽しさ、心豊かなスローライフに必要な価値あるものを厳選し、多角的にお届けしています!

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