お正月といえばおせち料理ですが、そろそろ飽きてくることではないでしょうか。そんなときにオススメが「しゃぶしゃぶ」です。下準備は材料を切るだけ。ここでは、各地の名物しゃぶしゃぶをご紹介します。ぜひ、今晩のメニューに取り入れてください。
掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています
CONTENTS
これが、しゃぶしゃぶのルーツ! 極上にしてシンプルな牛肉の水炊き
すすぎ鍋【鳥取県】
生活的美術館「たくみ割烹店」の創業者で民藝運動家の吉田璋也(よしだしょうや)氏が、柳宗悦(やなぎむねよし)氏や河井寛次郎(かわいかんじろう)氏らのアドバイスを受けて考案した牛肉の水炊き。中国・北京の料理「涮羊肉(シュワンヤンロウ)」をもとにしていて、当時入手困難であったラム肉の代わりに牛肉を使用した。これがしゃぶしゃぶのルーツともいわれている。牛肉は鳥取和牛を使用しており、優れた肉質や牛肉本来の味を楽しめる。つけダレはごまダレで、ラー油が入っているのも特徴。
古くから和牛の産地として知られる鳥取県。「鳥取和牛」は全国各地のブランド牛のルーツで、優れた肉質と味を誇る。
↓すすぎ鍋についてはこちらから
https://teshigoto.jp/serial_report/itadaki/003.html
鍋の新定番! 脂がのった新鮮なブリをだしにくぐらせ、うま味を凝縮
ぶりしゃぶ【京都府、北陸】
北海道で夏を過ごした多くのブリは、水温の下がる晩秋に日本海方面へ南下しはじめ、その通過点にあたる北陸地方や京都北部の丹後(たんご)地方に到達するころには良質の脂がのりきったブリに成長している。そのためこれらの地域では、正月などのハレの日に欠かせない縁起物の魚として親しまれてきた。新鮮な切り身をだし汁にさっとくぐらせて味わうブリのしゃぶしゃぶは、表面だけに火が入り中はレアな状態。うま味が閉じ込められ、ほどよく脂が落ちるため、いくらでも食べられると評判だ。
【編集長・生川貴久からひとこと】
近年、人気となったぶりしゃぶ。京都北部の丹後半島が発祥ともいわれています。どちらにしても、北陸や丹後地方のブリは絶品。さっとしゃぶしゃぶすれば、とろけるおいしさです。
主役は薬味!? 「大分味一ねぎ」の甘さをとことん味わう
ねぎしゃぶ【大分県】
大分県で生産される小ネギ「大分味一(あじいち)ねぎ」を主役にしたシンプルでさっぱりとした鍋料理。鍋のだしが沸騰したら、10~15㎝に切ったネギと豚バラ肉を入れてしゃぶしゃぶし、火が通ればできあがり。ネギは少しシャキシャキ感があったほうが食感が楽しめる。ユズぽん酢で食べると、肥沃な土で育った香り高い小ネギの風味が十二分に感じられる。締めはうどんがオススメ。
「大分味一ねぎ」は大分県で生産される「小ねぎ」のブランド名であり、良質な有機物を含む肥沃な土で育った香り高い小ねぎで、ビタミン・ミネラルを多く含んでいる。
↓ねぎしゃぶが食べられるお店はこちら。大分県宇佐市「葱屋」
https://neginegidan.jp/negishabu/
素材の滋味が引き立つ!「かごしま黒豚」をしゃぶしゃぶで堪能
黒豚しゃぶしゃぶ(鹿児島県)
写真提供:鹿児島県
鹿児島のサツマイモで育った黒豚は脂肪の融点が高いため、脂っぽさがなくさっぱりとした食感。柔らかで歯切れがよく、うま味のもととなるアミノ酸の含有量が多いのも特徴だ。好みのだしをつくり沸騰させた鍋に肉を入れ、箸で左右にしゃぶしゃぶと振って色が変わったときが食べごろ。タレはポン酢しょう油、ごまダレなど好みのものを。締めは素材から出た極上だしで、うどん、もち、ワンタン、雑炊などを楽しもう。
黒豚しゃぶしゃぶのつくり方
1 好みのだしを鍋に入れて火にかける。ささがきしたゴボウを入れる。
※ゴボウを入れると肉のうま味を引き立てる。
2 だしが沸騰したら、肉を鍋に入れて左右に振ってしゃぶしゃぶし、色が変わったら食べごろ。
※肉は一度に入れないでください。また、肉を長く入れておくとうま味がなくなり硬くなるので注意。
3 肉を半分程度いただいてから、火の通りにくい順に野菜を入れる。
※野菜は、シイタケ、ニンジン、ハクサイ、長ネギ、シュンギクなど
4 締めは、お肉・野菜の極上だしに、うどん、もち、ワンタンなどを加え、味を調えていただく。ご飯を入れて雑炊にしても。
↓黒豚しゃぶしゃぶのおいしい食べ方サイト
https://www.kurobuta-yakata.com/user_data/howto_eat
↓黒豚しゃぶしゃぶのお取り寄せはこちらから
https://www.kagoshima-yokanavi.jp/article/syabusyabu2
文/横澤寛子
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