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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

『田舎暮らしに殺されない法』フィジカルはメンタルを後押しする。/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(64)【千葉県八街市】

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憧れの田舎暮らしを叶えるために

田舎暮らしを夢見たら

 畑に出る。日々たくましく働く。ランニングで出会った村人には明るい声で挨拶する。さすれば、おおっ、コイツただの甘い憧れモノ、ひ弱な都会人なんかじゃねえな、オレとどっこいの強さだな……。これでもう立派な村人の一員だ。

 日本選手の大リーグ移籍に例えればよく分かる。異国のグラウンドに立つ選手にとってチームメイトとの和、親睦は大切である。

 しかし彼らはライバルでもある。彼らと同格の成績を残すか上回るかしないと出場枠には入れない。新しいグラウンド(移住地)に立ち、チームメイト(村人)に、コイツやるじゃないか……。そう思わせることができたらOK、“すごすごと”都会に帰る必要なぞあるはずもない。

 田舎暮らしを夢見たらすぐさま日々の運動習慣を定着させよう、骨や筋肉を鍛えておこう。必ず朝の挨拶をしよう。僕のアドバイスはそれゆえである。

8×8メートルのトンネルを仕立てて人参をまく。スコップと鍬で深く起こし、ゴロ土は丁寧に手でほぐす。
1.8×8メートルのトンネルを仕立てて人参をまく。スコップと鍬で深く起こし、ゴロ土は丁寧に手でほぐす。

 新しい年の初め、新しい行動を起こす。元日も僕は毎年ふだん通り働く。手始めはビニールトンネルに人参をまき、ジャガイモを植える。キャベツやブロッコリーの苗を部屋の中で作る。電気カーペットを敷く。その上にベビーバスみたいな箱を置く。中にタネを落としたポットを並べ毛布を掛ける。電気を通すのは夕刻から翌朝9時頃まで。庭に運び出して光に当て、3日に1回くらい水やりする。発芽して2センチほどになったら土増しして成長を促す。これでもってキャベツは4月収穫が可能だ。人参、ジャガイモも収穫開始はキャベツとほぼ同じ頃。あれこれの工夫。手間はかなり、でも面白い、飽きることなし。

 田舎暮らしとは“美しいが厳しい”自然環境の中で365日、飽きずに楽しく、マイペースで生活すること。経験を積めば多くの食料も自給できる。その豊かな食べ物と少々ハードな日々の労働、それが心と体の若さを約束してくれる。年の初め、理想の物件に出会えるアナタの幸運を祈りたい。

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  • 仕事を終えたらヤマモモの木で懸垂する。常に前屈みの百姓仕事は腰が曲がる。その腰を伸ばす役目もこの懸垂は兼ねている。
  • 去年、梅、プラム、アンズ、バラ科の果樹は壊滅だった。対して柑橘類はよく出来た。糖度も高い。-印があれば〇印もある。
  • ニワトリの頭の良さを日々実感する。さあ牛乳だぞという僕の声で遠くから一目散。さらに、かなり奥深い場所で仕事している僕をすぐに見つける。
  • GWを過ぎた頃の風景である。正月の今、僕はまず立春を待ち望む。次は桜の開花。そして緑あふれる五月の空に期待を寄せる。
  • 枯れ木ではあるが、この長さとなれば力とバランス感覚を要する。腕、腰、足。長い人生を支える3要素であろうか。
  • 1.8×8メートルのトンネルを仕立てて人参をまく。スコップと鍬で深く起こし、ゴロ土は丁寧に手でほぐす。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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