排水は「自然浸透」?
古民家は雑排水を、敷地内で処理し自然浸透させて いたところもある。しかし、自然浸透は目詰まりを起こしやすく、環境への悪影響もあり避けるべきだ。
下水道は近年、農村部でも普及し始めている。下水 道が前面道路に来ていれば、接続工事費用はそれほどか からないことが多い。ただし新規の加入負担金は 20万〜50万円が主で、100万円近くかかるケースもある。
下水道が引かれていない地域では、生活雑排水とし尿を浄化する合併浄化槽の設置が望ましい。一般的な5人槽の設置費用は70 万〜120万円だが、多くの自治体で助成金が出るため、実質35万〜65万円の負担となる。
風呂場が別棟、しかも薪。
古民家の風呂は、薪を燃やして沸かす昔懐かしい五 右衛門風呂や木桶風呂だ。しかもその多くは屋外にある。さすがに都会の人は使いにくいと躊躇することが多いだろう。
また、過去に改修済みで屋内に浴室がある場合でも、設備が古いと給湯も含めてそのまま使えないケースもかなり目立つ。
浴室を屋内に新設するなら、眺めのいいところに配 置したいもの。ただしコストを考えるとトイレやキッチンなどほかの水回りに近いところにつくるべきだ。広さや設備によって変わってくるが、ユニットバス一 式の工事費用は30万〜50万円くらいから。
カマドはさすがに無理。
そもそも古民家は農作業に都合のいいつくりになっていて、水回りはたいがい屋外か土間にある。炊事場も土間にあり、カマドで煮炊きをしていたわけだ。しかし、現代の暮らしでキッチンが土間にあるのは、なにかと不便である。また、過去に改修により屋内の板の間に台所があっても、水回りは傷みやすく補修は必要。給湯設備もたいがい交換となる。
改修では間取り変更でLDKをつくるときに、使いやすいシステムキッチンを設置するのが一般的だ。土間や壁、天井の改修、システムキッチンや給湯器の設置、配管工事などで100万〜120万円くらい。
ボットン便所だけはカンベン!
古民家では汲み取り式トイレは珍しくない。風呂場と同じく屋外にあることが 多く、冬の寒さが厳しいことも考えれば、都会の人がそのまま使うのは、まず耐えられないだろう。
屋内に快適な水洗トイレを新設するには、下水道や合併浄化槽を利用する。工事費用は設備によって変わ ってくるが40万〜50万円くらいから。屋内にある既存のトイレを撤去して、水洗トイレに改修する場合はもっと安くなる。温水洗浄便座付きの便器は10万〜15万円。
コストダウンを考えるなら、水洗式に近いが汲み取り槽を使った簡易水洗トイレもある。設置費用は12万円から。
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