掲載:2021年10月号
晩秋にまとめて収穫し、春先まで保存できるハクサイ。新聞紙に包み、箱に並べたハクサイは、「今年の冬も大丈夫」という安心感をもたらします。ネギやダイコンと並ぶ冬の台所のメイン野菜です。枝ごと乾燥させたトウガラシはそのまま吊って保存するほか、さまざまに加工しておきましょう。一年中食卓を楽しませてくれます。
ハクサイのシュウマイ
材料 ※約8~10個分
○ハクサイ…4~5枚(緑色のきれいな外葉)
○豚ひき肉… 150g
○塩麹…大さじ1
○タマネギみじん切り…1/4個分
○醤油…少々
○オイスターソース…小さじ1
○片栗粉…大さじ1
○コショウ…少々
○辛子醤油、トウガラシ醤油(下記「トウガラシを使った調味料のつくり方」参照)…各適量
つくり方
❶ ハクサイは沸騰したお湯にさっとくぐらせ、芯の部分を包丁でそいで平らにし、縦半分に切る。そいだ芯の部分はみじん切りにする。
❷ ボウルに豚ひき肉と塩麹を入れ、粘りが出るまで手でよく混ぜる。さらにハクサイの芯のみじん切りとタマネギを加え、醤油、オイスターソース、片栗粉、コショウを入れて混ぜる。
❸ ②を8~10等分して、ハクサイの葉の端に置き、葉をくるくる巻きつけて形を整える。
❹ ③を蒸し器に並べ、20分ほど蒸す。
❺ 辛子醤油やトウガラシ醤油をつけていただく。
トウガラシを使った調味料のつくり方
トウガラシ味噌
鍋にゴマ油50gをひき、ニンニク1かけのすりおろし、トウガラシ5本ほどの輪切りを入れて中火にかけ、ニンニクの香りが出るまで炒めます。さらに味噌50g、みりん大さじ1、酒大さじ1を加えて弱火で練り上げ、好みのかたさまで水分を飛ばして完成。
トウガラシの量はお好みで加減してください。種を入れると辛くなります。砂糖やかつお節を足してもおいしいです。
焦がさないことと、湯気や煙にも刺激があるので吸い込まないように注意を。保存は冷蔵庫で2カ月ほどです。冷凍保存もできます。
トウガラシ醤油
輪切りにしたトウガラシをフタ付きの瓶に入れ、ひたひたに被るほどに醤油を注ぎます。トウガラシは醤油の上に出るとカビが生じやすいので、しっかり浸してください。翌日には辛味が移り、熟成するとうま味が出てきます。
冷蔵庫で数カ月保存可能です。
ハクサイサラダのリンゴドレッシング和え
材料 ※3~4人分
○ハクサイ…2枚(内側から中心部分の淡い色の葉)
○生ハム…3~4枚
○ニンジン葉など…飾り用
リンゴドレッシング
○リンゴすりおろし…1/4個分
○粒マスタード…大さじ1
○マヨネーズ…大さじ1
○リンゴ酢…大さじ1
○ニンニクすりおろし…少々
○タマネギすりおろし…少々
○コショウ…少々
つくり方
❶ ハクサイの葉を横に置き、4cmほどに切ってから、白い部分は5mmほどの幅に、緑の葉の部分はざく切りにする。塩少々(分量外)で軽くもんでおく。
❷ リンゴドレッシングの材料をすべて混ぜ合わせる。
❸ ①の水気を軽く絞り、ひと口大に切った生ハムと、②のリンゴドレッシングを加えて和える。
自家製キムチ
材料 ※つくりやすい量
○ハクサイ…1/2玉
○塩…ハクサイの重さの3%
以下A
ニンジン…5㎝ほど(千切り)
ニラ… 30gほど(長さ3~4㎝ に切る)
ニンニクすりおろし…1かけ分
ショウガすりおろし…1かけ分
あみの塩辛…大さじ1
(あれば)
ナンプラー…大さじ1
リンゴすりおろし…1/4個分
トウガラシ…1本(種を除いて刻む)
つくり方
❶ ハクサイ1/2玉は芯をつけたまま縦4等分に切り、葉の一枚一枚に塗るように塩をまぶし、大きめのポリ袋に入れて袋の上から少しもむ。2時間くらい置いておくと、水分が出るのでぎゅっと絞る。
❷ Aの材料を混ぜておく。
❸ ①のハクサイの葉の一枚一枚に②を塗っていき、再びポリ袋に入れて半日以上おく。
❹ 2日目くらいから発酵が始まり、酸味が出はじめたらできあがり。保存は冷蔵庫に入れ、1~2週間で食べきるようにする。
外葉と内葉それぞれのおいしさを料理に生かす
ハクサイは、巻きが緩い玉は寒さに弱いため先にいただき、しっかりかたく巻いた玉は保存用にします。結球しないものはそのまま畑に残し、春になって花茎が伸びる「とう立ち」を待ち、菜花を摘んで味わいます。
同じ玉でも外側と内側とでは食感が異なります。外側は葉脈がかためで、炒め物など加熱して使います。薄黄色の内側の葉はボリュームもあり、鍋物などでたっぷりいただきます。中心近くの小さく白い葉は、やわらかく甘味もあり、サラダや洋風スープにするとおいしいです。
トウガラシは品種によって辛さや風味が異なります。好みのものを育てましょう。辛味成分のカプサイシンは揮発性なので、刺激が気になるなら使い捨ての手袋のほかマスクとメガネで防ぎながら調理してください。
レシピ・監修/竹内裕子
たけうち・ゆうこ●長野県安曇野市でエコ菜園の教室を開く竹内家の主婦。野菜を生かした料理やお菓子が、自然菜園スクール生に大人気。病院での管理栄養士、有機栽培農家での料理番などの経験も生かし、四季折々の旬の野菜を毎日おいしく食べられる工夫を探求中。「鍋だけでなく和洋中と幅広い料理で活躍するハクサイ。わが家では晩秋から春先まで、親子3人で週に1つは食べています」。
文/新田穂高 写真/村松弘敏
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