夏の到来とともに、全国各地で続々と夏祭りが幕を開け、活気ある地域の伝統文化の報道を目にするようになってきました。そこで、田舎暮らしの本 Webでは、6月7日(金)・8日(土)に富山県小矢部(おやべ)市で開催される「津沢夜高(つざわよたか)あんどん祭」を紹介したいと思います。能登半島地震からの復興に、地域一丸となって取り組む小矢部市。能登を応援し、この行事の圧倒的な迫力を直接感じに出かけてみてはいかがでしょうか?
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巨大あんどんが練り歩く・ぶつかり合う! 富山「津沢世高あんどん祭」は今年の“祭りはじめ”にぴったり!
夏の風物詩といえば、地域の歴史、文化、伝統が色濃く反映されている“お祭り!”という人も多いのではないでしょうか? 青森の「ねぶた祭」や仙台の「七夕まつり」など、華やかで活気あふれるお祭りを毎年堪能する人も多いことでしょう。
そこで、7月や8月に行われることの多い全国のお祭りに先がけて、6月7日(金)・8日(土)に開催される富山の「津沢夜高あんどん祭」をピックアップしてみました。祭り好きなら見逃せない! きらびやかなあんどんが暗闇を灯すこのお祭りのみどころを紹介します。
| 「津沢夜高あんどん祭」のルーツは、江戸時代にまで遡る!?
カラフルな彩りで目にも楽しい「夜高あんどん」が主役の「津沢夜高あんどん祭り」。富山県と石川県の県境に位置し、米どころでもある富山県小矢部(おやべ)市で、五穀豊穣や豊作万年を願って、毎年6月の第1金曜と土曜に開催される無形民俗文化財のお祭りです。
地元住民によって毎日夜遅くまでかけて制作された鮮やかなあんどんがまちを練りまわし、あんどん同士がぶつかりあう「喧嘩夜高あんどん」も見ることができることから、2023年は15,000人もの人が訪れたそうです。そんな賑いをみせるこのお祭りのルーツは、なんと江戸時代にまで遡ることができるといいます。
起源にあったのは、津沢の近くにある福野町発足直後の慶安5年(1652年)に発生した大火。甚大な被害が発生したまちの復興と平和や安定を祈って、伊勢神宮から越中国を守る氏神様の御分霊を勧請しました。しかし、その道の途中、現在の津沢が位置する加賀(現在の石川県)と越中国(現在の富山県)のあいだで日が暮れてしまったそう。
そこで大活躍をみせたのが、津沢やその周辺で暮らす人々です。町民たちはあんどんで道を照らし、氏神様の御分霊を出迎えたことをきっかけに、地域一帯で「夜高あんどん」という風習が誕生。そんな風習が、稲作が盛んな砺波地方の豊作を祈る「田祭り」と結びつき、「津沢夜あんどん祭」が生まれたといわれています。
| 「夜高あんどん」の魅力は、大きさだけでなく細部にもあり!
パッと見ただけでも華やかな夜高あんどんは、大きいものだと高さは7m、長さは12m、総重量はなんと5tといわれるほど。まず、「巨大さ」がみどころとしてあげられます。しかし、あわせて注目したいのは、あんどんを彩る龍や御所車、花籠、牡丹、蝶、鶴といったモチーフ。実はこの絵は、単に和紙に描かれているのではなく、細い竹でかたちづくられた山車や吊り物に和紙を貼り、その上に蝋や食紅で着色するという細かい工程を経て仕上げられているんです。
そんな細部にまでこだわられた夜高あんどんをじっくりと見るのに最適なのが、夜高あんどんの練りまわし。津沢市街地で行われるお祭り行列で、開催両日ともに、19時から夜中の24時まで練り歩きが続きます。
日が暮れてあたりが暗くなってくると、町内の家の軒先に吊るされている「田楽あんどん」が灯されはじめ、その変化を合図に子どもたちが引く小あんどんや、まちを練り歩く大あんどんが始まります。美しく装飾された細部をじっくりと鑑賞できるタイミングです。
| 祭り最大の魅力は「喧嘩夜高あんどん」にあり!
さらに、見逃せないのは「津沢夜高あんどん祭」最大の盛り上がりをみせる「喧嘩夜高あんどん」です! 総裁許(そうさいきょ)と呼ばれる、ぶつかり合いを仕切るリーダーの掛け声を合図に、2つのあんどんをぶつけ、壊し合います。
太鼓の轟と大きな掛け声も相まって、見物客であってもエネルギーを感じられること間違いありません。その熱狂をぜひとも現地で味わってみてはいかがでしょうか?
| 迫力を感じられる特別プランも発売中!
最大の魅力である「喧嘩夜高あんどん」の迫力を存分に楽しみたい! そんな人におすすめの特別観覧席「大迫力のあんどんぶつかり合い特別観覧席」という観覧プランも用意されています。
高さ7mのあんどんと同じ高さからこのお祭りをみることができるこのプラン。混雑する道端ではなく、しっかり自分の席も用意されているため、快適なのはもちろん、目の前でぶつかり合うあんどんの圧倒的なスケールを楽しめるんです。
実は、このプランの申し込みは、まだ間に合うとのこと!
※6月3日現在の情報です、予約サイトを必ずご確認ください
このプランには、まちやお祭りのガイドがセットになっているだけでなく、小矢部市の食材を使った「祭り特別弁当」や富山の地酒も堪能できるドリンク類もセットになっているため、初めての参加という人でも安心して参加できます。
ただし、特別観覧席は8日(土)のみ、さらには50席限定のため、早めのご予約をお忘れなく!
ハレの日のごっつお(ご馳走)と楽しむ、大迫力のあんどんぶつかり合い特別観覧席
開催日時:2024年6月8日(土)19:00~22:30(18:00受付開始)
会場:津沢あんどんふれあい会館(富山県小矢部市岩武921)
プランおよび価格:
① ぶつかり合い特別観覧席+あんどん再利用ワークショップ 12,000円(税込)
② ぶつかり合い特別観覧席 10,400円(税込)
予約方法:こちらのページからエントリーしてください。(〆切:6月6日10時)
※あんどん再利用ワークショップの内容については、本記事次ページを参照
【スケジュール】
18:00~ 受付(順次ワークショップ・屋台見学など自由散策)
19:00~ 食事・ドリンク提供・津沢夜高あんどん祭の解説
19:00~/20:00~ 通訳ガイド付きまち歩き(神社の参拝やあんどん巡行路の散策)
21:00~ ぶつかり合い見学 ※予定は当日変更となる可能性あり
企画実施:株式会社PCO
協⼒ :⼩⽮部市/津沢夜⾼⾏燈保存会/⼩⽮部市観光協会
↓↓おみやげにもぴったりワークショップも開催!↓↓
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